リトラクタブルヘッドライトが愛らしい初代ロードスター。今となっては乗りたくても乗れないクルマとなってしまったが、どーしても乗ってみたい! そこで藁にも縋る思いでマツダに聞いてみたところ、どうやら「ロードスターレストアサービス」なるものがあるらしい。
文/小鮒康一、写真/MAZDA
我らがマツダでもムリ!? 初代ロードスターで復刻不可な部品が!! でもでもマツダってやっぱクルマ好きを見捨てないのよ
■ロードスターレストアサービスの現在地を担当者に直接聞いてみた
初代はもう30年経ってるのか……
古いクルマを維持していく上で、多くの人がその問題に直面するのが「部品の供給」であることは間違いだろう。
ガレージにしまっておいて、眺めるだけであればまだしも、車検を取得して公道を走行できる状態を維持していくには定期的なメンテナンスと、傷んだ部品の交換は必須となる。
しかし終売から時間が経ち現存数が減る一方の旧型車においては、すべての部品を永続的に供給するというのはさまざまな面から難しいのが現実で、必要な部品が入手できないという事態となるワケだ。
そんな現状を打破するために、現在複数の自動車メーカーが人気の高い旧型車用の部品を再販する動きを見せているのだが、その先陣を切ったのが2017年に初代ロードスターのレストアサービスをスタートさせたマツダだろう。
■ロードスターレストアサービスとは?
マツダが実施するロードスターレストアサービスとは、メーカークオリティで本格的なレストアを実施するもので、ボディとエクステリアのレストアを実施する基本メニューのほか、インテリアやエンジン、足回りなどオプションメニューも用意されるきめ細かなもの。
それだけに入庫するためにはボディの状態やカスタマイズの有無など条件が用意され、それをクリアしなければならないが、それでも多くのユーザーがメーカー謹製のレストアをしてもらうために順番待ちの列に並んでいるのである。
またレストアサービス対象外のロードスターユーザーにとっても、レストアサービス実施に伴って製造廃止となっていた部品が復刻されており(復刻部品の状況はクラシックマツダのサイトで確認できる)、フルレストアとはいかなくても、維持しやすい環境が整ってきたのは朗報となっていた。
■全部が全部とはいかないよね……
ソフトトップがないのは致命的すぎる……
しかし、復刻されたハズのソフトトップがベースとなるビニール生地の調達ができなくなったため生産終了となったことで、今後のロードスターのレストアや復刻部品に暗雲が立ち込めているというウワサも流れるようになってきた。
そこで、初代ロードスターオーナーでもある筆者が、レストアサービスを担当するカスタマーサービス本部リージョン商品推進部部用品ビジネス基盤推進Gの伏見亮さんに直接話を伺ってみた。
一部パーツの供給が終了したのは事実だが……
伏見さんによると、レストアサービス立ち上げ後も一部パーツの供給がストップしてしまったのは事実で、これは部品を供給してくれていたサプライヤーさんの廃業や業態変更、そして使用していた型の老朽化と型の再作成のコストが見合わないなど、さまざまな理由が影響しているとのこと。
ただ、マツダとしても“供給が終了します“で終わらせるつもりはなく、ユーザーからの要望の多いものや車両を維持していく上で重要度の高い部品については、万が一前述のような理由で一旦、供給がストップしたとしても、別のルートで再生産ができるように検討していくそうなので、ひとまずは安心して欲しい。
とはいえいくらユーザーからの要望が大きくても、コスト面やサービス面で再生産が難しいものもあるようで、その代表的なものとして、エンジン本体、純正風オーディオ、ドアトリムの3点が挙げられた。
■エンジンではなく周辺部品が?
まずエンジン本体は、ヘッドやブロックの図面は2Dのものしか存在せず、3Dデータ化した上で型を作るとなるととんでもない金額になってしまうとのこと。
ただ現在でもレストアサービスでも実施しているように、エンジン本体のオーバーホールに必要な部品の供給は続いているため、時間と費用は掛かってしまうが(ただしエンジン本体を再生産した場合の金額よりは大幅に安価)、オーバーホールを検討していただければ幸いだ。
続いて純正風オーディオは、当時の純正オーディオのようなフェイスパネルを持ちつつも、USBやBluetoothなどの機能を付帯したものを想定していたが、こちらも想定する出荷台数とそれに対応するサービス網の構築を考えると現実的ではないという判断となったそうだ。
そして最後のドアトリムだが、これは初期型のシンプルなものではなく、それ以降のタイプについて。
これは構成する部品点数が多くすべてのパーツの再生産の足並みが揃わないことと、ディーラーでそれらの部品の組み付け作業をするのが現実的ではないということから、現時点では再生産は難しいということになったとのこと。
マツダ車ではあるものの、メーカーだけでなくサプライヤーやディーラー、そしてエンドユーザーと多くの人が介在するからこそ難しい点もあるというのが、率直な筆者の感想だ。
■それでも出来る限り供給してくれる姿勢には頭が上がらない
ユーザーの要望を出来る限り叶える姿勢が、長年愛される要因だろう
ただ、現在復刻されていない部品のすべてが再生産の難しいものなのかというとそういうワケでは決してなく、メーカーとしてもイベントなどに足を運んでユーザーからの要望は常に聞いてくれている。
もし、「我々はこんな部品の再生産を待ち望んでいる!」というロードスターオーナーがいるのであれば、伏見さん曰く。
どんな部品を何人くらいのロードスターオーナーが欲しているのかをまとめて各地にある老舗のロードスタークラブを通じて連絡してもらえれば、「その個数であれば〇〇円/個くらいで再生産できる」と具体的な話に持ち込めるということなので、どうしても必要な部品があるオーナーは行動に移してみてもよさそうだ。
このように、2017年のサービス開始からまもなく6年が経過しようとし、時代の流れなども大きく変わってはいるが、メーカー側がレストアサービスを諦めているということは決してないことがおわかりいただけただろうか。
実際、ロードスターのレストアサービスは取材時点で12台が完成し、現在は13台目の作業中とのことで、この後も7~8台のロードスターがレストアされるのを待っている状況なのだ。
また、ロードスターだけでなく、RX-7(FC、FD)も復刻パーツがリリースされ始めており、今後も更なる展開があるようなので、現オーナーも未来のオーナーも悲観することはなさそうだ。
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使うソケットの種類も少ないから自力で触りやすいし。