EQSに続く高級電動セダン
執筆:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
【画像】新型メルセデス・ベンツEQE【EQSやEクラスとじっくり比較】 全120枚
翻訳:Takuya Hayashi(林 汰久也)
メルセデス・ベンツは、ミュンヘン・モーターショーで完全電動化に向けたいくつもの発表を行っているが、その中で最も重要なモデルが新型「EQE」だ。
このモデルは、フラッグシップのEQSに続く、ベンツのEVA2プラットフォームを採用した2番目のモデルであり、テスラ・モデル3、BMW i4、ポールスター2などに対抗するEVとして、2022年半ばに欧州で発売される予定だ。
新型EQEの価格は発売間近に決定されるが、EクラスとEQSのほぼ中間となる6万ポンド(約910万円)前後からになると見られている。
空力特性を最適化したボディ
ブラックのフロントパネルや、「ワン・ボウ」と呼ばれる室内重視のシルエット、ショートオーバーハングなど、EQSとの共通点が数多く見て取れる。
また、ボディパネルの継ぎ目やボディラインを最小限に抑えることで「官能的な純粋さ」を実現。リアエンドの形状や、19~21インチの幅広いサイズのホイールによって、EQEの「アスレチックなキャラクター」を表現しているという。
EQSと同様に空力性能を考慮して設計されており、滑らかなアンダーボディ、パネルの継ぎ目の低減、クローズドグリルの採用により、「非常に良い」Cd値を実現したとされている。
前後にマルチリンク式のスチール製サスペンションが標準装備されているため、EQSには及ばないが、空力の最適化は「特に集中的に行われた」とのこと。19インチと20インチの「エアロホイール」を特別に開発し、表面をほぼ完全に閉じたセットも用意している。
メルセデスのモデルとして初めて100%リサイクルスチールを使用している点も特徴だ。
全長は、EQSよりも270mm短い4946mm、ホイールベースはEクラスよりも80mm長い3120mmとなっている。CLSと同程度のサイズであり、トランクリッドはハッチ型となっている。
EVならではのインテリア
EQEは、従来のEクラスとの差別化を図るため、EQSと同様のインテリアデザインを採用し、幅1410mmの「ハイパースクリーン」をオプションで用意している。ダッシュボードの幅いっぱいに配置されたこの高解像度スクリーンは、車載システムMBUXの主要機能を操作しやすいよう設計されている。
また、助手席には12.3インチの有機ELディスプレイが設置されており、欧州では「ダイナミック・コンテンツ」を表示すると自動的に輝度が下がり、ドライバーの気を散らさないようになっている。
システムの無線アップデートに対応し、燃焼エンジンのサウンドを再現するモードや、若いドライバー向けに特別に開発されたドライビングモード、ビデオゲーム、ヘッドライトなど、発売後もさまざまな機能を強化することが可能だ。
また、フラットフロアのEQEにはトランスミッション・トンネルがなく、代わりにフローティングタイプのセンターコンソールが採用されている。ドアパネルにも同様のコンソールが備わり、シートやドアの操作を行うことができる。
メルセデスは、EQEの静粛性について、「このクラスで最も優れた車両の1つ」と主張している。風切り音や駆動音を低減するために、さまざまな空洞を発泡コーティングで満たしているほか、ドアハンドル、ミラー、窓には特注の高品質シールを使用している。Aピラーの根元には、ノイズを低減し、空気の流れを良くするトリムエレメントがある。
長い航続距離と急速充電を実現
発売当初は、リアに搭載されたモーターにより最高出力292ps、最大トルク54kg-mを発揮する「EQE 350」と、未発表の第2のモデルが用意される。性能の詳細は不明だが、メルセデスによれば、モーターに使用されている永久磁石が「高い出力密度、高い効率、高い出力安定性」を実現しているとのことだ。
4輪駆動の4マチックモデルも後に登場する予定で、高性能モデルのAMG EQE 53では760ps近くを発揮する可能性がある。また、Sクラス由来のエアサスペンションや、回転半径を最大1.8m小さくすることができる後輪操舵システムなども全モデルに用意されている。
EQEに搭載されている10セル、90kWhのリチウムイオンバッテリーの航続距離は、WLTPサイクルで545~660kmとなり、少なくとも効率の良いリア駆動では、他のライバル車よりも長い航続距離を実現している。
このバッテリーは170kWの充電に対応しているため、わずか15分で約250km分の航続距離を得ることができる。また、回生ブレーキによって走行中に電力を回収し、設定によってはワンペダルドライブが可能となる。
メルセデスはまた、「バッテリーのライフサイクルに対する包括的なアプローチ」を強調している。バッテリーは使用可能な期間が終了するとクルマから取り外され、すぐにリサイクルされるのではなく、エネルギー貯蔵施設で使用される。また、EV専用のナビゲーションと連携して、最適なパフォーマンスを発揮するための冷暖房サイクルにより、バッテリーの寿命を可能な限り延ばすことができるという。
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みんなのコメント
日本ではEQSは大きすぎるよ