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赤旗後の“3分勝負”制し野尻智紀が今季4度目のPP獲得。宮田莉朋が2番手【SF第8戦鈴鹿予選レポート】

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赤旗後の“3分勝負”制し野尻智紀が今季4度目のPP獲得。宮田莉朋が2番手【SF第8戦鈴鹿予選レポート】

 10月28日(土)、2023年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦の公式予選が三重県の鈴鹿サーキットで行われ、野尻智紀(TEAM MUGEN)が今季4度目のポールポジションを獲得した。

 Q2終盤は、65号車佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)のクラッシュによる赤旗中断から、3分間の全車一発勝負となったが、野尻がしびれる最速争いを制して予選3ポイントを稼ぎ、ランキングでリアム・ローソン(TEAM MUGEN)をかわして2位に上がった。続くフロントロウには宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM'S)がつけ、チャンピオンシップを争う2台が先頭列から第8戦をスタートすることとなった。

【正式結果】2023スーパーフォーミュラ第8戦鈴鹿 公式予選

 いよいよ幕を開けたシーズン最終大会。1大会2レース制の今回は土曜日に第8戦の予選・決勝が、そして明日の日曜日に第9戦の予選・決勝が行われる。

 前日の27日(金)には専有走行が設けられ、今回タイトルを獲得すれば全日本スーパーフォーミュラ選手権としては史上初となる3連覇を目指す野尻がトップタイムをマーク。現在ランキングトップの宮田が2番手につけ、ルーキーイヤーでの戴冠という偉業がかかるローソンも4番手タイムと、激しい三つ巴の戦いを予感させる結果となった。

 一夜明けた今日は朝から晴天に恵まれ、公式予選は気温17度、路面温度24度というコンディションでまずはQ1のA組からスタートした。

 A組には、山下健太(KONDO RACING)、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、ローソン、国本雄資(Kids com Team KCMG)、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM'S)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、松下信治(B-Max Racing Team)、ジェム・ブリュックバシェ(TGM Grand Prix)、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)が出走。

 トップタイムを奪ったのは先頭でタイムアタックに入った坪井で、1分37秒821をマーク。わずか0.001秒差でローソンが2番手に入り、難なくQ2進出を果たしている。続いて1分38秒351で松下が暫定3番手に入るが、その後太田、山下、佐藤が松下のタイムを上回りポジションアップ。松下は6番手までドロップしたもののそこで踏みとどまり、以上の6名がQ1を突破した。

 ブリュックバシェ、国本、笹原は7、8、9位。関口は1分38秒台のタイムに入れることができず10番手に。そして、タイムアタックに入る前にチェッカーを受けてしまった大嶋が11番手となった。

 続くB組は、野尻、小高一斗(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、福住仁嶺(ThreeBond Racing)、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、宮田、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、ラウル・ハイマン(B-Max Racing Team)、大草りき(TGM Grand Prix)、大津弘樹(TCS NAKAJIMA RACING)の12名。

 野尻はグループの先頭でアタックを開始し、1分37秒575でトップタイム通過。平川が0.2秒差で2番手となる。続いて牧野が1分37秒880の3番手タイムを記録するが、すぐさま宮田がこれを上回り、タイトルを争う2台が無事にポールポジション争いに駒を進めることに。4番手には牧野が入り、以下、小林、福住までの6台がQ1を突破した。

 山本尚貴の代役として参戦する大津は暫定5番手タイムでコントロールラインを通過したが、小林、福住がこれを上回ってポジションダウン。さらにトラックリミット違反の判定も受けてベストタイム抹消となった。その他、阪口、小高、ハイマンがQ1敗退。

 大会直前にスーパーフォーミュラデビューが決まった大草は、セクター2で全体ベストタイムと速さを見せたが、1分38秒797の10番手で予選を終えることとなった。

 7分で争われるQ2は、セッション開始と同時に宮田がコースイン。アウトラップでそのままピットに戻ってくると、タイヤを履き替えて再びコースに戻っていく。他の車両はTEAM MUGENを筆頭にほとんどの車両がアタックのタイミングまで待機してピットを離れていった。

 それぞれがウォームアップを終えて勝負のアタックへ。先頭の野尻はセクター1、2と全体ベストタイムを並べて後半へ。トップタイムなるかと思われたその瞬間、セッションは赤旗が提示される。後方でアタックしていた佐藤がデグナーカーブでコースオフ、タイヤバリアにヒットしたためで、予選はここでいったん赤旗中断となった。

 全車がアタックに入っていたタイミングでの中断で、セッションは残り3分間で再開。ここで宮田はニュータイヤでのアタックを選択し、ローソンはユーズドタイヤをチョイス。野尻はスクラブ済のタイヤに履き替えてそれぞれコースへと入っていった。

 出走車両のなかで、もっともピットロード出口に近い位置にピットを構えるTEAM MUGENの2台が先頭でコースインしていくが、この2台をコース上でかわした平川が先頭でアタックを開始。その後ろでは、タイヤに熱を入れたい野尻のペースをコントロールしたかったのか、ローソンが野尻の前に出る。

 まずは平川が1分37秒852でトップに立ち、続くローソンはこれを上回ることができず暫定2番手。野尻は1分37秒292と、2台を大きく上回るタイムで逆転する。

 その後は、牧野と太田のDOCOMO TEAM DANDELION RACING勢が野尻に続いたが、最後に残り数秒でアタックに入った宮田が1分37秒599で2番手に滑り込みこれで予選終了。

 野尻が今季4度目のポールポジション獲得となった。野尻は途中で順番を入れ替わるように抜いてきたローソンに対し、フラストレーションを感じる様子も見せたが、スーパーフォーミュラ史上初の3連覇に向け、予選で3ポイントと大きな得点を稼ぐことに成功した。

 宮田がフロントロウに続き、野尻、宮田が先頭列を占めるのは今季3度目となった。3位に入ったのは牧野。ローソンは結局7番手となり、タイトルを争う2台に大きく差をつけられるかたちとなった。

 第8戦決勝レースは、このあと14時30分からスタートの予定だ。

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