■新型ヴェゼルが好調! ライバルに影響はある?
ホンダが2021年4月23日に発売した新型「ヴェゼル」の好調が伝えられています。
昨今では、各社からさまざまなコンパクトSUVが出ていますがそれらのライバルに影響は出てくるのでしょうか。
【画像】「ヴェゼル」無限仕様のカスタムがカッコよすぎる!(29枚)
新型ヴェゼルは、発売から1か月が経過した段階で約3万2000台を受注(2021年5月24日現在)。これは1か月あたり5000台に設定された販売計画の6か月分に相当するものです。
発売開始直後に販売計画を大きく上回る注文を受けるのは新車では一般的なことですが、3万2000台という台数は多いといっていいでしょう。
同時に公開された初期受注データをみると、ガソリンとハイブリッドの比率は7対93。
ハイブリッドをメインとしたグレード構成(ガソリン車はベーシックタイプの1グレードしかない)とはいえ、ここまでハイブリッド比率が高いとは驚くしかありません。
ちなみに人気ナンバーワングレードは「e:HEV Z」で全体の76%とこれも集中しているのが分かります。以下「e:HEV PLaY」が12%、「G」が7%、そして「e:HEV X」が5%と続きます。
ところで、そんなヴェゼルの好調は、同車が属するBセグメントクロスオーバーSUVのマーケットにどんな影響を与えるのでしょうか。
このクラスでは、トヨタ「ヤリスクロス」、「C-HR」、日産「キックス」、マツダ「CX-3」、「CX-30」などがライバルといっていいでしょう。
結論からいえば、新型ヴェゼルの人気はそれらライバルに与える影響はほぼ考えられません。
理由はふたつあり、ひとつはヴェゼルが従来から人気車種だということです。
2013年にデビューした初代モデルは2014年、2015年、2016年、そして2019年には“その年に日本でもっと売れたSUV”の座に輝きました。
つまり、もともと市場で大きな存在感があり、“売れている状態は従来から変わらない”と判断できるのです。
もうひとつは、コンパクトSUVのマーケットが成長し続けていることです。
もし市場規模が縮小しているジャンルのなかで人気車種が登場すれば、ライバルは大きな影響を受けるでしょう。
しかし、コンパクトSUVの市場規模は日本でも驚くほどの勢いで拡大を続けています。だから新型ヴェゼルがたくさん売れても、“パイを奪う”ということにはならないと考えられます。
ただし、“あるクルマ”のマーケットは奪ってしまうかもしれません。それはライバルではなく同門となる、ホンダのコンパクトカー「フィット」です。
従来型フィットからの買い替えや上級モデルから移行するダウンサイジングユーザー、そして軽自動車から上級移行するユーザーは、本来であればホンダのコンパクトカーとしてハッチバックのフィットを求める潜在的な顧客です。
しかし、SUVのヴェゼルを選択する人が増えれば、フィットの販売台数にヴェゼルの販売台数が加わるのではなく、ヴェゼルが人気を得た分だけフィットの販売台数が減ってしまうという理屈です。
ただし、これは世界的な傾向。実は日本だけでなくグローバルでみてもフィット(地域によっては海外名「ジャズ」)よりも、ヴェゼル(海外名「HR-V」)のほうが販売台数は多いのです。
また、コンパクトカーにおけるクロスオーバーSUV比率が4割を超える欧州では、メーカーを問わずSUVの販売台数が増えるにしたがってコンベンショナルなハッチバックが減っているという現象が見られます。
■今後はガソリン車の販売比率が上がる?
さて、抜群のスタートを切った新型ヴェゼルの販売の傾向は、今後どうなっていくでしょうか。
まずいえるのは、現在人気となっている「Z」の比率はもう少し下がるだろうということです。
新型車のデビュー直後は上級グレードに人気が集まる傾向があり、少し時間がたつと下位グレードの比率が上がってくるのが一般的。
現状で8割に迫る「Z」の高比率は、デビュー直後ゆえの現象といえるでしょう。
また、ガソリンモデルの比率が増える可能性もあります。同じホンダのステーションワゴンに「シャトル」がありますが、同車はデビューから時間が経過して新車効果が薄れたタイミングで販売台数が増えたことがありました。
その理由を探ると、ハイブリッドモデルの販売台数は変化がなく、ガソリン車の販売が増えことがわかったのです。
シャトルのグレード構成は新型ヴェゼル同様に、ガソリン車はもっともベーシックなグレードしか存在しません。
そんな“安いグレード”の販売拡大が、デビューから時間が経過したシャトルの販売台数を底上げしたのです。
この現象が新型ヴェゼルに起こることも、十分考えられるでしょう。
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みんなのコメント
日本の自動車メーカーが
デザインをコピーしたって言われてるみたい。