新型コロナウイルスの影響でレースが開催できない期間を利用して行なわれているフォーミュラEの公式オンライン・バーチャルレース「ABB FORMULA-E RACE AT HOME CHALLENGE in Suport of UNICEF」の第7戦が行なわれ、パスカル・ウェーレイン(マヒンドラ)が他を寄せ付けない走りを見せ3勝目をマーク。ランキング首位に返り咲いた。
4月下旬から全8戦のスケジュールで行なわれてきたオンライン・バーチャルレース。終盤の2戦は土曜日と日曜日(6月6~7日)の“ダブルヘッダー”開催となる。
■スーパーGTバーチャルレース開催決定! 本山哲、脇阪寿一も参加し6月21日公開
第7戦の舞台は前戦に引き続きニューヨークePrixのコース。バーチャル第5戦で“替え玉”が発覚し参戦停止となったダニエル・アプトの代わりに、今回からアウディのファクトリードライバーであるケルビン・ヴァン・デル・リンデが参戦することになった。
そのヴァン・デル・リンデが予選でいきなり見せ場を作った。グループ1で真っ先にアタックを開始すると、1分11秒450の好タイムをマーク。これをライバルたちは上回ることができず、グループ3のアタックが終了した時点でも暫定トップを守っていた。
最終グループではバーチャルシリーズで活躍中の上位ランカーが登場したが、なかなかタイムを更新できない。そのため、ヴァン・デル・リンデがいきなりポールポジションかと思われたが、ランク2位のパスカル・ウェーレイン(マヒンドラ)が1分11秒175を叩き出しポールポジションを奪った。最後の最後で惜しくも敗れる形となったヴァン・デル・リンデだが、堂々の2番グリッド。3番手にはセバスチャン・ブエミ(日産・e.ダムス)、4番手にはマキシミリアン・ギュンター(BMW i アンドレッティ)が続き、ランキング首位を快走するストフェル・バンドーン(メルセデスEQ)は5番手からのスタートとなった。
15周で争われた決勝レース。ウェーレインはしっかりトップを守ってターン1を通過すると、ヴァン・デル・リンデも2番手で続いた。3番手のブエミはターン2にかけたポジション争いの際にスピンを喫ししてしまい後続の行く手と塞いだ。その際に複数台のマシンと接触したダメージが致命傷となりリタイヤとなってしまった。
この混乱に乗じてオリバー・ローランド(日産・e.ダムス)が3番手に浮上。4番手にギュンター、5番手にバンドーンが続く展開となった。
チャンピオン争いを考えるとひとつでも前のポジションがほしいバンドーン。2周目に入ると積極的に前のマシンに仕掛けていき、ターン10では僅かな隙を突いてローランドとギュンターを一気にパス。3番手を手に入れたのだが、続くターン11でローランドが抜き返す展開となった。
一方、トップのウェーレインは序盤から安定した走りを披露し、後続に対しておよそ2秒のギャップを維持しながら周回を重ねていった。これに対しヴァン・デル・リンデも追いすがったが、その差は離れていくばかり。逆にレース後半になるとローランドの接近を許し防戦一方の展開となった。
バンドーンとギュンターとの争いから抜け出し、リズムをつかみ始めていたローランド。残り4周というところでヴァン・デル・リンデとの差を0.5秒以内に、その後もプレッシャーをかけ続けていった。
最終ラップに入ると両者の差はほとんどなくなり、ローランドは各コーナーで並びかけていったが、ヴァン・デル・リンデも必死にブロックしポジションをキープした。しかしターン11でわずかにイン側にできた隙間にローランドが飛び込み、少々強引な抜き方にはなったが2番手を奪った。
結局、スタートから一度もトップを譲らなかったウェーレインがそのままトップチェッカーを受け、バーチャルレース3勝目を飾った。2位にローランド、3位にはデビュー戦ながら素晴らしい活躍を見せたヴァン・デル・リンデが続き、バンドーンは4位に終わった。
注目のドライバーズランキングは合計130ポイントに伸ばしたウェーレインが再び首位に浮上。バンドーンに対して14ポイントのリードを築き、明日の最終戦に向かうことになった。なお、最終戦のみ決勝でのポイントは2倍になるため、優勝すれば50ポイントが手にできる。このため、ランキング3位のギュンターもわずかではあるがチャンピオン獲得の権利を持って最終戦に臨むことになった。
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