■見た目は大衆車だけど高性能化されたクルマを振り返る
近年、あまり耳にしなくなったクルマの用語に「大衆車」があります。文字どおり大衆のためのクルマで、現在ならばミニバンやコンパクトカー、軽ハイトワゴンなどが該当するのではないでしょうか。
オヤジセダンに280馬力のエンジンを搭載!? 隠れ高性能車5選
大衆車というジャンルが確立されたのは時代で、1950年代の終わりごろから出始めて、1970年代には一気に数を増やしました。
定義は曖昧ですが、大衆車と呼ばれるクルマは比較的コンパクトな車体にエンジンも小型。室内がそこそこ広く、低燃費で価格も安く経済的にも優れたモデルです。
この大衆車にもスポーティなモデルが存在。そこで、1970年代から1980年代に登場した昭和の大衆スポーツ車を、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「サニー 1200GX5」
日産は1966年にマイカー時代の本格的な到来に合わせ、低価格の大衆車としてダットサン「サニー」を発売しました。
搭載されたエンジンはシンプルかつ生産性と整備性を考慮した構造の、ターンフロー式OHVの直列4気筒「A型」です。
軽量コンパクトに仕立てられていたことや、プッシュロッドの短縮による同弁系の軽量化を図るなど、将来的に高性能化も見据えた意欲作でした。
しかし、ライバルのトヨタ初代「カローラ」が1.1リッターエンジンを搭載してサニーに対してアドバンテージを築いたことから、1970年にモデルチェンジされた2代目サニーでは排気量を1.2リッターに拡大。
さらにセダンとクーペにSUツインキャブを備えた「サニー1200GX」が追加され、最高出力は83馬力(グロス、以下同様)を発揮しました。
1972年にはGXに5速MTを搭載した「サニー1200GX5」を追加ラインナップ。5速のギア比が1.0(直結5速)とされたクロスレシオトランスミッションと軽量な車体によって、大衆車ながらスポーティなモデルとして若者から人気となります。
1970年代に人気となったツーリングカーレースのTSクラスで、サニーは高いポテンシャルを発揮し、レース用にチューンナップされたA型エンジンは1.3リッターから130馬力以上を誇り、許容回転数は1万rpmに達したといいます。
その後、排出ガス規制の強化から一旦は牙が抜かれたサニーでしたが、1980年代になるとターボエンジンやDOHCエンジンの登場によって、再び高性能化を果たしました。
●ホンダ「シビック RS」
ホンダは1972年に新時代のFF大衆車である「シビック」を発売。ボディの四隅にタイヤをレイアウトしたデザインとFFが相まって、広い室内空間を実現。さらに軽量な車体によって優れた燃費と軽快な走りを手に入れ、ヒット作になりました。
デビュー当初は最高出力60馬力の1.2リッター直列4気筒SOHCエンジンを搭載した2ドアボディで、トランスミッションは4速MTのみの設定と、シンプルなグレード構成でした。
そして1973年には排出ガス浄化技術「CVCC」を採用した1.5リッター車がデビューし、アメリカでも大ヒットを記録。
このCVCC車登場の直後である1974年にデビューした高性能モデルが「RS」です。
RSはCVCCを採用しないスタンダードな1.2リッターSOHCエンジンで、CVツインキャブを搭載し、最高出力は76馬力を発揮。トランスミッションは5速MTのみを設定しています。
足まわりは欧州仕様と同等のチューニングとされ、タイヤも12インチから13インチにアップしたラジアルタイヤを標準装備し、それに合わせて前後フェンダーのアーチが拡大されています。
内装ではスポーツシートにウッドステアリングを装備し、ダッシュボードには「RS」のエンブレムを装着することでスポーティに演出。
その後、RSは排出ガス規制をクリアできなかったことから、1年も経たずに販売を終了。後継モデルは1.5リッターCVCCエンジンを搭載した「RSL」ですが、エンジンはチューンナップされていません。
■AE86レビンの影で、あまり目立たない存在だった高性能カローラとは
●トヨタ「カローラ 1600GT」
カローラの高性能モデルといえば1972年に誕生した「カローラレビン」で、1983年にはシリーズ最後のFRモデル「AE86型 カローラレビン」が発売されました。
一方、同時にデビューした5代目カローラの4ドアセダンや5ドアモデルはFF化され、1994年に3ドアハッチバックの「カローラFX」と同時にセダンの「1600GT」が追加ラインナップ。
エンジンはAE86型と同一ながら横置き専用となる1.6リッター直列4気筒DOHC「4A-GELU型」で、最高出力130馬力を発揮。高回転を得意とするスポーツユニットとして、いまも名機として語り継がれる存在です。
1600GTの外観はベーシックなグレードとほとんど変わっておらず、エアロパーツなども装着されていません。
判別できるポイントは「GT」と「TWIN CAM16」のエンブレムとデュアルマフラーで、高性能さを控えめにアピールする意外と硬派なモデルでした。
※ ※ ※
シビック RSは、後のタイプRほど過激なモデルではありませんが、日常の運転でもスポーティなフィーリングが楽しめるレベルの高性能車です。
インドネシアではベーシックなコンパクトカーの「シティ ハッチバック」に6速MTのRSが設定されるなど、RSの系譜は続いています。
ちなみに、もともとRSというと「レースングスポーツ」の略というのが一般的ですが、初代シビックは運輸省(現在の国土交通省)の認可を得るために、おだやかなイメージの「ロードセーリング」の略としました。
今では考えられませんが、交通事故や暴走族の増加が懸念され、昭和の時代はネーミングにも配慮する必要があったということです。
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みんなのコメント
サニー搭載のA型OHV1.2Lツインキャブエンジンは名機と呼称される素晴らしいポテンシャルを誇ったのに、である。
エンジンのレスポンスが凄かった。
現在の軽量フライホイールに交換したエンジンより吹け上がりが鋭いほど。
チェリー自体はタックインで簡単にリアが出るが、逆ハンとアクセルオンで楽勝にコントロールできる。
本当にあの時代の車両は楽しかった。