幌車のみだった初代「ジムニー」(LJ10)
今から50有余年前の1970年4月。
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当時の軽自動車として唯一の四輪駆動車として初代「ジムニー」は発売された。
ラダーフレームを基本骨格に信頼性の高い前後リーフリジットのサスペンションと大径16インチタイヤを採用。小排気量ながら低速での粘りが効く359cc空冷2ストロークエンジンに、高・低速の2段切り換えができる副変速機と4段フルシンクロミッションを組み合わせる。そのタフな作りが生み出す抜群の悪路走破性が初代「ジムニー」の何よりの自慢だった。
そして、全長が3m、全幅が1300mmに満たない極めてコンパクトな車体がもたらす取り回しの良さもあり、土木・建設の測量や林業のパトロール、山間地の商品運搬など様々な状況にも耐えうる「プロの道具」として高い評価を得た。
さらに、手軽にアウトドアを楽しめる軽の本格4輪駆動車としても人気を集め、多くの一般ユーザーにも愛されたのだった。
【参考】ジムニーの歴史
初代「ジムニー」の主要諸元
全長×全幅×全高:2995×1295×1670mm
荷台長×荷台幅×荷台高:930×1205×1055mm
ホイールベース:1930mm
トレッド(前/後):1100mm/1100mm
最低地上高:235mm
車両重量:600kg
乗車定員:3名
最大積載量:250kg(2名乗車時)
エンジン型式:FB型空冷リードバルブ式2サイクル直列2気筒
総排気量:359cc
最高出力:25PS/6000rpm
最大トルク:3.4kg・m/5000rpm
変速機:前進4段・後進1段 フルシンクロ
サスペンション:リジッドアクスル式半楕円リーフスプリング
タイヤサイズ:6.00-16-6PR LT
燃料タンク容量:26L
オイルタンク容量:3.5L
初代「ジムニー」のエンジン
軽トラック「キャリイ」のエンジンを改良し、低速で粘り強く、高速で伸びのある走りを初代「ジムニー」にもたらした。
スズキ「キャリイ」(L40)
初代「ジムニー」の幌は着脱自在。乗り降りはファスナー式だった
オープンにすれば抜群の開放感を得られる初代「ジムニー」は、全天候型で着脱自在の幌を標準装備していた。
ユニークなのはドア部分で、ファスナー式となっており、すだれのように巻き上げて固定することも可能だった。
「ジムニー」には後に、スチール製のルーフとボディを持つバンタイプが追加される。耐候性は当然バンタイプの方が優れるが、幌車には圧倒的な開放感がある。
1972年の「ジムニーバン」(LJ20V)
初代に設定された幌車は長年「ジムニー」に採用され、多くのユーザーから愛された。
657cc水冷4サイクル直列3気筒インタークーラーターボを搭載。1995年のJA12C
国内で販売されている現行の「ジムニー」には幌車の設定はないが、いつの日か復活することを静かに期待したい。
※データは2021年4月初旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/中馬幹弘
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