現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トヨタ新型「ミライ」はエコなだけじゃない! 新型モデルはどう進化?

ここから本文です

トヨタ新型「ミライ」はエコなだけじゃない! 新型モデルはどう進化?

掲載 更新 2
トヨタ新型「ミライ」はエコなだけじゃない! 新型モデルはどう進化?

■新型ミライは単なるエコカーではない!?

 水素を燃料とする燃料電池自動車(FCV)は、長い走行距離や短い充填時間、さらに排出するのは水のみという、究極のエコカーと呼べる高いポテンシャルを持っています。

【画像】カッコよくなった!トヨタ新型「ミライ」をチェック(33枚)

 水素で走るクルマとして2014年にデビューしたトヨタ「MIRAI(ミライ)」が、2020年末にフルモデルチェンジして2代目モデルが登場します。

 従来モデルと新型ミライでは、どのようなところが違うのでしょうか。両車を比較してみます。

 新型モデルは「EDGE for Fun Future」をキーワードとし、クルマ本来の魅力にあふれ、エッジの利いた個性でワクドキな未来を造り、より多くのユーザーを魅了するクルマとして開発されました。

 従来モデルではFCVであることが重視されていましたが、新型ミライはFCVであることは魅力のひとつとし、走行性能や美しさなど、クルマの本質で勝負できる上質なセダンに生まれ変わります。

 新型ミライはTNGA GA-Lプラットフォームを採用。従来モデルではFF(前輪駆動)だった駆動方式をFR(後輪駆動)へ変更することで、伸びやかでスポーティなスタイルを実現しました。

 新型ミライのボディサイズは、全長4975mm×全幅1885mm×全高1470mmで、従来モデルと比べて全長は+85mm、全幅は+70mm、全高は-65mmと、全長・全幅は拡大し、全高は低くなっています。

 また、従来モデルでは後席2人掛けの4人乗車でしたが、新型ミライは後席3人掛けの5人乗車とし、実用性も向上しました。

 従来モデルの外観デザインは、ウォータードロップ(水滴)をイメージした流麗な形状とした一方、新型ミライは爽快な走りを予感させるエモーショナルなデザインを目指したといいます。

 フロントビューは、従来モデルは、酸素の確保とFCシステム冷却のために空気を取り込む左右のグリルが特徴的でしたが、新型ミライは大きく張り出したコーナーの立体を起点に、踏ん張るようなスタンスを強調。台形の大型ロアグリルの下部に配したメッキモールが低い構えを演出しています。

 また、従来モデルでは超薄型4灯LEDだったヘッドランプは、新型ミライではBi-Beam LEDヘッドランプを採用。

 上段にシャープで切れ長のヘッドランプ、下段に薄くワイドに見せるターンランプを配置。遠くからでもミライだとわかるシンプルなデザインに変更されました。

 新型ミライのリアビューは、スポイラー形状やバンパーまわりの表現により、低重心を強調。張り出したコーナーとしっかりと踏ん張る堂々としたスタンスで、フロントのデザインとの統一性を図っています。

 従来モデルの横一直線に伸びるテールランプを継承しつつ、新型ミライはターンランプとバックランプが収まる下段を暗くし、赤いレンズの薄さを際立たせて先進性をアピールしました。

 内装は、フロントからリアへ連続する造形がシームレスで心地よい空間を演出していた従来モデルと比べて、新型ミライは「集中」と「開放」を両立するコクピットを実現しています。

 運転席は包まれ感、助手席は広がり感のある形状とした、左右非対称のインパネを採用。運転する楽しさと先進のくつろぎを両立する空間としました。

 また、情報機能を集約した12.3インチの大型センターディスプレイを設置。8インチのTFTカラーメーターや大型カラーヘッドアップディスプレイとともに、運転中でも直感的に使用でき、認識しやすい環境を実現しています。

※ ※ ※

 従来モデルは斬新なデザインでしたが、新型ミライでは低重心でスタイリッシュなデザインへと変更され、エコカーという特徴に加えて走りの良さもアピールする上質なセダンへと進化を遂げています。

■水素タンク増量で航続距離が1.3倍延長

 従来モデルに搭載された燃料電池システム「トヨタフューエルセルシステム(TFCS)」がさらに進化し、新型ミライには第2世代のTFCSが採用されました。

 燃料電池車であるミライは、燃料タンクの代わりに、水素タンクを搭載しています。

 FCシステムはレイアウトを一新。航続距離延長のため、これまでは2本だった高圧水素タンクを3本へ変更し、タンクの内の1本は居住性を確保するためにボディ中央を貫くように縦に設置されました。

 また、FCスタックを中心としたパワーユニットは従来モデルでは床下に配置されていましたが、新型ミライでは小型化してフロント部へ移動しています。

 一回の水素充填による航続距離は、従来モデルの約650キロから、新型ミライでは約850キロへと1.3倍延長され、より遠くまで走行できるようになりました。

 搭載される駆動用モーターの最高出力は、従来モデルの154馬力から182馬力へと向上。高出力・高効率を実現したほか、減速時は発電機として、電力を駆動用バッテリーへ回収します。

 さらに、新型ミライは、走行中のCO2排出をゼロにする「ゼロエミッション」だけではなく、発電のために吸い込んだ空気を特殊フィルターできれいにして排出する「マイナスエミッション」を実現。走れば走るほど、空気がクリーンになるとされています。

 走行性能においては、新型ミライはトヨタ最上級のセダンを目指して開発されました。

 走り出した瞬間から振動や騒音のない上質な乗り心地と静粛性を実現。その一方、気持ちよく加速し、高速道路などでは安定した巡行や、ワインディング路でも思い通りに走れるという、二面性のある走りを可能にしているといいます。

 安全装備については、従来モデルにも「トヨタセーフティセンス」が搭載されていましたが、新型ミライではさらに進化した、次世代トヨタセーフティセンスが搭載されました。

 プリクラッシュセーフティ(衝突被害軽減ブレーキ)は対歩行者と対自転車運転者で約10km/hから約80km/hまで、対車両は約10km/hから約180km/hまでで動作します。

 また新型「ヤリス」に搭載されて注目された駐車支援システム「アドバンスドパーク」も搭載。並列駐車や縦列駐車、区画線のないスペースへの駐車(メモリ機能)に対応し、ベテランドライバーでも納得できるスピード感を実現したということです。

※ ※ ※

 新型ミライの価格については現時点では明らかになっていませんが、700万円台から800万円台になると予想されており、2020年12月に発売されます。

 FCVの補助金などを含めると、内燃機関を持つ高級セダンとあまり変わらない価格で購入できる可能性もあるようです。

 その一方で、水素ステーションの拡充が課題とされています。

 2020年7月現在、全国で157基の水素ステーションが開業または準備中となっており、数が足りているとはいえない状況です。

 なお経済産業省は、2020年度までに160基程度、2025年までに320基程度の水素ステーションを整備することを目標とし、今後も増えていく計画です。

 FCVにとって重要なインフラである水素ステーションが全国に不足なく整備されることが、ミライ普及のカギを握っているといえます。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

フェルスタッペンとのタイトル争いは“敗北濃厚”も……今季の戦いで自信深めたノリス「優勝争いに必要なものを持っていると言えるようになった」
フェルスタッペンとのタイトル争いは“敗北濃厚”も……今季の戦いで自信深めたノリス「優勝争いに必要なものを持っていると言えるようになった」
motorsport.com 日本版
フェラーリ『ローマ』後継の新型スーパーカー、車名は『アマルフィ』が最有力!
フェラーリ『ローマ』後継の新型スーパーカー、車名は『アマルフィ』が最有力!
レスポンス
注目が集まる角田裕毅の2025年シート「僕はレッドブルの一員なのでここにいます。ホンダとは話をしていません」
注目が集まる角田裕毅の2025年シート「僕はレッドブルの一員なのでここにいます。ホンダとは話をしていません」
motorsport.com 日本版
次の「黄バイ」はBMW? 首都高専用パトロールバイク「F900XR」がカッコ良すぎる!
次の「黄バイ」はBMW? 首都高専用パトロールバイク「F900XR」がカッコ良すぎる!
くるくら
まさかの「RAV4“軽トラ”」登場!? ド迫力の“真っ黒顔”がスゴすぎる! オフロード感強調の「SPIEGELカスタム」どんなモデル?
まさかの「RAV4“軽トラ”」登場!? ド迫力の“真っ黒顔”がスゴすぎる! オフロード感強調の「SPIEGELカスタム」どんなモデル?
くるまのニュース
これはクセスゴ!!  オーナー自作多数のホンダ「CT125・ハンターカブ」カスタム発見!!
これはクセスゴ!! オーナー自作多数のホンダ「CT125・ハンターカブ」カスタム発見!!
バイクのニュース
[15秒でわかる]アキュラ『ADX』新型…内外装はスポーティかつ高級な印象に
[15秒でわかる]アキュラ『ADX』新型…内外装はスポーティかつ高級な印象に
レスポンス
アルピーヌは東京オートサロン2025で3台のA110を披露
アルピーヌは東京オートサロン2025で3台のA110を披露
カー・アンド・ドライバー
WRCラリージャパン2024が開幕、4日間の熱い戦い トヨタ逆転優勝なるか
WRCラリージャパン2024が開幕、4日間の熱い戦い トヨタ逆転優勝なるか
日刊自動車新聞
【スクープ!】AMG製電動スーパーSUVデビュー間近!メルセデスAMGが新型電動SUVを開発中!
【スクープ!】AMG製電動スーパーSUVデビュー間近!メルセデスAMGが新型電動SUVを開発中!
AutoBild Japan
「マジで!?」ホコリまみれの“スクラップ車”が14億5000万円で落札!? 50年ぶりに見つかった1956年製メルセデスの“驚きの価値”とは?
「マジで!?」ホコリまみれの“スクラップ車”が14億5000万円で落札!? 50年ぶりに見つかった1956年製メルセデスの“驚きの価値”とは?
VAGUE
ミツオカ「M55」発売決定! 2025年生産販売台数は100台で、2024年11月22日から受付開始
ミツオカ「M55」発売決定! 2025年生産販売台数は100台で、2024年11月22日から受付開始
Webモーターマガジン
【10月の新車販売分析】受注停止車種が多くともトヨタ1強にかわりなし! 軽乗用車はホンダとダイハツの2位争いが熾烈に!!
【10月の新車販売分析】受注停止車種が多くともトヨタ1強にかわりなし! 軽乗用車はホンダとダイハツの2位争いが熾烈に!!
WEB CARTOP
『簡単にキズが消えた!』初心者でも簡単、コンパウンドで愛車の浅いキズを手軽に修復するテクニック~Weeklyメンテナンス~
『簡単にキズが消えた!』初心者でも簡単、コンパウンドで愛車の浅いキズを手軽に修復するテクニック~Weeklyメンテナンス~
レスポンス
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
くるまのニュース
スクーターのようでスクーターではない!? シリーズ最大排気量イタルジェット「ドラッグスター700ツイン・リミテッドエディション」発表
スクーターのようでスクーターではない!? シリーズ最大排気量イタルジェット「ドラッグスター700ツイン・リミテッドエディション」発表
バイクのニュース
ホンダ 全固体リチウムイオン電池のパイロット生産ラインを公開
ホンダ 全固体リチウムイオン電池のパイロット生産ラインを公開
Auto Prove
MINI コンバーチブル【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
MINI コンバーチブル【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

2件
  • クラウンのように車幅1800㎜以下のタイプも作れば何倍も売れる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

726.1861.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.0640.0万円

中古車を検索
MIRAIの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

726.1861.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.0640.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村