驚きの進化を遂げた伝統モデル
昭和からクラウンを知っている方にとっては、クロスオーバー化した新型クラウンを見て驚いたに違いない。私もその一人だ。
しかし、いつまでも変化を受け入れずに立ち止まっていては仕方がない。花や草木が季節によって変わることにより美しく感動を与えるように、変化なくして物事を成し遂げることはできないのである。そのあたりを受け入れて試乗することにした。
まずは外観からチェックしてみる。クーペタイプのサルーンは、ここ最近流行っているスタイリングだ。先代のシックスライトをさらにスタイリッシュにした前衛的なデザインだ。 サルーンのボディをリフトアップする方式は、アメリカでは90年代に存在していた。スバル レガシイセダンのリフトアップモデルも存在していたほどである。驚くパッケージングではないが、日本で、そしてクラウンでそれをやってのけるというのが肝なのだ。
先代までのクラウンのいいところは、何といっても堂々としたスタイリングながら扱いやすいサイズであることだ。特に車庫入れはまっすぐに入れやすい。乗り心地もスポーティにはなってきたが、角か取れた乗り心地が身上だった。伝統的に大切にしていた部分であったのだろう。新しいカテゴリーのクラウンクロスオーバーはいかがであろう。
エンジンは、伝統の縦置きFRベースから横置きのFFベースとなっている。フロントのモーターがおよそ120馬力、リアモーターが54.4馬力となり2.5Lガソリンエンジンとのシステム最高出力は234馬力となっている。これらからわかるように、フロントの荷重と動力を強くしているのである。
懸念点もあるが上々な乗り心地
まず一般道からの試乗だ。乗り込むときに感じたのは乗り降りがしやすいことだ。腰をかがめなくともスッと水平移動するようにシートに腰を収められるのは正直楽である。セダンベースのわりにヘッドクリアランスもゆとりがある。 走り出して感じたのは、モーターの発進、加速が滑らかなことだ。深く踏み込まず負荷を与えると専用設計の2.5LユニットとCVTがモーターとオーバーラップしながら始動する。
トヨタのハイブリッドシステムは、エンジンへの負荷が大きいのか始動後の吸入ノイズが気になっていた。だが、負荷が大きいときにこれらのノイズが気になる程度に進化した。
クラウンクロスオーバー全車にDRSという後輪操舵システムを取り入れ、小回りと高速時の安定性にも寄与しているという。一般道は申し分のない走りだ。フロントヘビーだがリアシートの乗り心地も考慮したセッティングとなっている。 一般道から高速に入る。みなとみらいからベイブリッジ方面に行く。負荷をそれほど与えず走らせてみたが、安心感のあるステアリングフィールはとてもいい。ベイブリッジの上の横風にもどっしりとしたボディは振れることもない。
タイトな首都高速も走って感じたのは。負荷を大きく、すなわちアクセルを深く踏み込んでいくと動力が増すが、このときの乗り心地に突っ張った印象がある。
ボディ剛性も高めているが、逆にしなやかさが損なわれるのが惜しい。しかも低速から高速側へ移行するときにステアリングを切るとトレースが難しい。
これはセッティングによるものだと思うが、世の中に発売するクラウンクロスオーバーが増えれば育つ部分であろう。まったく新しいモデルが初めから素晴しいなんてことはない。
この新しい発想で歴史を書き換えたクラウンクロスオーバーを世に発売したのは、新しく時代をけん引するのだ、という姿勢が垣間見れるのである。本当のクラウンクロスオーバーの真価は今始まったばかりなのだ。 クラウンクロスオーバーの中古車を探してみる▼検索条件トヨタ クラウンクロスオー(現行型)×全国文/松本英雄、写真/篠原晃一
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みんなのコメント
内装が〜て仰る方いますが、そう言う方はロールス、ベントレー、をお買い求めください。私は華美でなくクラウンの内装は居心地良く感じます。
所得の低い日本ではクラウンは高価格車かもしれませんが、欧米だと7がけ、350万から500万円の感覚ですね。
以前アウディA8所有していましたが、まあ普通。1400万円のメルセデスも見て来ましたが、内装はパチンコ屋さんのイルミネーションみたい。東洋人はピカピカ、ドヤ顔大好きですね。
批判ばかりで実行出来ない人生は虚しいね