2023年5月31日(現地時間)、ジャガー・ランドローバーは英国ゲイドンで新型レンジローバースポーツ SVの詳細を発表した。レンジローバースポーツ SVは歴代レンジローバースポーツの中で最もパワフルかつダイナミックなモデルで、先進的なサスペンションシステムや新感覚のオーディオシステムなど興味深いテクノロジーを搭載することでも注目される。このモデルは限定的ではあるが、日本にも導入される予定だという。
4.4L V8ターボエンジンは最高出力635ps/最大トルク750Nmを発生
新型レンジローバースポーツ SVはレンジローバースポーツのラインナップの頂点に君臨するモデルで、パワーユニットは最高出力635ps/最大トルク750Nmを発生する専用の4.4L V8ツインスクロールターボガソリンエンジン(MHEV)を搭載する。
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これは、先代モデルのレンジローバースポーツ SVRの5L V8スーパーチャージャーガソリンエンジンよりも60ps/50Nm増で、0→100km/h加速は3.8秒、最高速は290km/hに達し、CO2排出量はSVRよりも15%低減している。
ボディにはカーボンファイバーボンネットを含む空力コンポーネントを標準装備し、加えて量産車として初の23インチのカーボンファイバーホイールとレンジローバー初のカーボンセラミックブレーキをオプションとして用意し、これらで最大76kgの軽量化を実現する。
23インチ超軽量カーボンファイバーホイールは5スプリットスポークデザインで、従来の23インチの鋳造アロイホイールと比較して、ホイール1本あたり約9kg(合計35.6kg)も軽量となる。また、カーボンセラミックブレーキは、高温に対する耐性があり、長寿命で、バネ下重量を合計34kg削減する。
革新的といわれる6Dダイナミクスサスペンションも要注目。これは、油圧連動式ダンパー、高さ調整可能なエアスプリング、ピッチコントロールを組み合わせたセミアクティブシステムで、従来のアンチロールバーを不要とし、コーナリングや加速時にピッチおよびロールを大幅に低減させてボディを水平に近い状態に保つ。
新機構としてはステアリングホイールに「SVモード」ボタンを設定。これを押すことで、ダイナミックなハードウェアのメリットを最大限に引き出すことができる。従来の「ダイナミックモード」を超える「SVモード」は、ステアリング、8速オートマチックギアボックス、スロットルレスポンス、エキゾーストノート、6Dダイナミクスサスペンションシステムを最適化し、車高をさらに15mm下げ、サーキット走行に適したスタビリティコントロールプログラム「TracDSC」も作動する。
ハイパフォーマンスであることを誇示する自信に満ちたデザイン
新型レンジローバースポーツ SVのエクステリアデザインは、エアフローを追求して形状が見直されたフロントエンドとボディサイド下部、リアエンドのカーボンファイバーフィニッシャーを備えた4本出しテールパイプのアクティブエキゾーストシステムなどを特徴とする。
フロントバンパーブレード、グリルサラウンド、ボンネットベント、サイドベントにはカーボンファイバーを使用しており、さらにカーボンファイバーボンネットはセンターセクションを露出させるようにすることもできる。
インテリアでは、背面に専用のサテンカーボンファイバーを使ったヘッドレスト一体型SVパフォーマンスシートを採用、軽量で滑らかな手触りの3D Knit to formテキスタイルを使用したトリムも用意されている。
また前席にサウンドを全身で感じることができるボディ&ソウルシート(BASS)を採用。再生するメディアの音源にあわせてオーディオ振動を生成して没入感のある音響空間を作り出すこのシステムは、心拍変動(HRV)に影響を与えることで精神的および生理的にリラックスした状態を作り出す効果があるとされている。
レンジローバースポーツ SVは、先代モデルのレンジローバースポーツ SVRを超える進化を遂げているだけでなく、パーソナライズへのアプローチにおいても、レンジローバースポーツの哲学を体現しているようだ。
なお、新型レンジローバースポーツ SVはまず「レンジローバースポーツ SV エディションワン」として限定販売されるが、その初年度生産分はすでに日本を含む世界中の顧客に割り当てられている。
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