スバリストを悩ます兄弟車のWRXとレヴォーグを解説
スバリストなら知っていて当たり前? スバルの「WRX」と「レヴォーグ」は、兄弟車として比較されることが多いです。「WRXのワゴン版がレヴォーグで、レヴォーグのセダン版がWRXなのか?」と疑問を抱く人も少なくないでしょう。そんなスバルの人気兄弟車を比較しながら魅力を解説していきます。
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WRC向けに作られたインプレッサWRX
スバル車に関する情報筋によれば、富士重工業が発行した「WRX S4/WRX STI/LEVORG新型車解説書」なる資料も存在する……というのだから、「WRX」と「レヴォーグ」は技術的な仕様は同列のクルマとして並んでいると考えたくもなる。もちろん車名が違えば、細かな仕様の相違点もある。両車の販売戦略も異なるが、ほぼセダンとワゴンの関係……兄弟車と言っていいのかもしれない。
スバルWRXのデビュー時期は、約10年前にさかのぼる。2013年3月、アメリカ・ニューヨーク国際自動車ショーで「スバルWRXコンセプト」が世界初公開された。続いて同年11月、ロサンゼルス・オートショーで新型「WRX」米国仕様車を世界初公開。翌2014年1月の北米国際自動車ショーにて、新型「WRX STI」米国仕様車も世界で初公開。同年7月、翌8月に日本で発売予定のスポーツセダンの車名「WRX S4」を公表すると同時に、専用サイトも開設され話題を呼んだ。
日本でのWRX S4/STIは、2014年8月下旬から発売され、スバル独自の4輪駆動システム(AWD)を搭載するスポーツセダンとして注目された。その起源は、1992年に世界ラリー選手権(WRC)向けに作られた「インプレッサWRX」だった。元来はインプレッサのスポーツバージョンに冠したグレード名だったが、3代目のマイナーチェンジでインプレッサの名が外れて、スバル「WRX STI」の車名に変更された。STI(スバル・テクニカ・インターナショナル)のグレード名も、ラリーファンにお馴染みだろう。WRX STIバージョンの特長は、大型のリアウイングとゴールドのホイールを装着。歴代の「レガシィ」、「インプレッサ」などにも採用されてきたSTIの伝統だ。
2代目WRXのパワーユニットは2代目レヴォーグのSTI Sport Rと共通
WRX S4のグレード仕様は、2.0GTと2.0GT-Sの2タイプ。トランスミッションはスポーツ・リニアトロニックのみで、駆動方式はVTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御AWD)を採用。WRX STIのグレード展開は、STIとSTI Type Sの2タイプ。トランスミッションは6速MTのみ、駆動方式にマルチモードDCCD(ドライバーズ・コントロール・センター・デフ)を採用した。
初代のVA系(2014年~2021年)に続いて、2代目のVB系(2021年~)が約3年前から発売されている。2代目WRXの米国仕様車は、2021年9月に発表され翌2022年に発売。日本仕様車のWRX S4は、同年11月下旬に発表され、GT-HとSTI Sport Rの2グレードを設定。兄弟モデルと言える2代目レヴォーグに追加された、アプライドB型2.4Lターボ仕様と同日に発表されている。
2代目WRXのパワーユニットは、同日に一部改良された2代目レヴォーグのSTI Sport Rと共通で、初代から排気量を400cc増した2.4 L直噴ターボDITエンジンのFA24型へ換装。トランスミッションは初代WRX S4のスポーツ・リニアトロニックをベースに、変速比幅を拡大し加速性能を高めつつ騒音・振動も低減し、新開発の変速制御を採用したスバル・パフォーマンス・トランスミッションも搭載された。
車名のWRXとは、「World Rally eXperimental」を意味する。スバル往年の先輩、「レオーネ」のスポーツグレードに採用された「RX」=Rally+未知なる物を意味するXを継承した。「S4」はSports performance/Safety performance/Smart driving/Sophisticated feelの4つの頭文字Sに由来する。
レガシィツーリングワゴンにも搭載されたエンジン
一方のレヴォーグはステーションワゴンで、同「レイバック」がクロスオーバーSUVとして誕生した。車名のLEVORGは、“LE”GACY(大いなる伝承物)、RE“VO”LUTION(変革)、TOU“R”IN“G”の3単語を組み合わせた造語。2013年11月下旬の東京モーターショー・参考出品にてワールドプレミア、翌2014年4月中旬に発表、6月下旬に発売。同時期にアメリカで先行発表されたWRXに対し、レヴォーグは日本国内市場を重視して開発・販売された。
初代のVM型(2014年~2020年)は、5代目「レガシィツーリングワゴン」より全長・ホイールベースともに100mm短く、全高を50mm低く、日本の交通事情で取り回しやすいボディサイズに設定。外観デザインはスバル特有の六角形(ヘキサゴン)グリル、鷹の目(ホークアイ)ヘッドランプなどを採用した。
エンジンは1.6L直噴ターボのFB16型を新開発し、レギュラーガソリン仕様に。レガシィツーリングワゴンGT・DITにも搭載された2.0LエンジンのFA20型は、最高出力300ps/最大トルク400Nmを発揮。トランスミッションは無段変速機のリニアトロニック(マニュアルモード付き)で、とくに2.0L用は高出力に対応するスポーツ・リニアトロニック(マニュアルモード付き)を搭載した。
2代目のVN系(2020年~)は、新デザイン・コンセプトのBOLDERが量産車で初めて採用され、ヘキサゴングリルは立体的でワイドなデザインに進化した。初代で2種あったエンジンは当初、新開発の1.8L直噴ターボDITのCB18型のみ設定だったが、2021年11月の一部改良で、2.4L直噴ターボDITのFA24型を搭載したモデルも追加された。
WRXとレヴォーグの類似点と相違点
WRXとレヴォーグには、類似点と相違点がある。WRXは日本仕様のS4と同じプラットフォームを使い、スポーツワゴンであるレヴォーグのセダン版として位置付けられた。似たエクステリアはWRX S4がアグレッシブな印象で、レヴォーグがスポーティな印象を受ける。ボディサイズも似ているが、WRX S4は幅が広く、最小回転半径も大きい。インテリアに共通点も多いが、WRXは従来のサイドブレーキ・レバーがあり、レヴォーグは先進の電動パーキング・ブレーキを採用した。
セダン対ワゴンというボディ形状・剛性の違いから、ネジレやヨレ等に対するフレーム追従性など、細かな点で相違は当然ある。最大の違いは、コーナリング性能だ。足まわりのダンパー、スプリング、スタビライザーの設定が異なり、それに伴う電子制御も同じではない。
レヴォーグの運動性能はスポーツセダン並みに高いが、WRX S4はセダンならではの更なる高次元のコーナリング性能を体験できる。レヴォーグはツーリングワゴンとして高速・直進安定性のチューニングを施すが、WRXはワインディングで楽しめるコーナリング特性も考慮した味付けを施している。乗員の快適性に関しては、WRX S4のリアシートの方がわずかに広く、ラゲッジスペースの積載能力は言うまでもなくレヴォーグが圧倒的に広い。
かつてスバル車の歴史を辿れば、レガシィやインプレッサにも、セダンとツーリングワゴンが存在していた。セダンのWRXか、ワゴンのレヴォーグか……スバルの伝統が推し進めるスポーツモデルの系譜、両車のどちらを選んで推すかは、スバリストを悩ます永遠のテーマなのかも知れない!?
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