日産のプレミアムEV「アリア」の完成度はいかに? 小川フミオがテストした!
迫力あるエクステリア
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ついに! という感じで2022年1月に登場した日産「アリア」。力強い加速と、スポーティなハンドリングと、広い室内空間と、電気自動車の良いとこで構成されたモデルだ。電気自動車に興味あるひとは、これもぜひ候補に! と、薦めたい。
4月にようやく乗れたのは、「B6」というシングルモーターの前輪駆動仕様である。このあと、全輪駆動が登場するが、この66kWhのバッテリー搭載モデルでも充分パワフルなのが、うれしい驚きだった。
アリアは、“出る出る”と言われて、自動車ファンの期待を集めていたものの、コロナ禍による部品供給と工場の生産ラインの遅れ、さらに半導体不足など悪い条件が重なって、ようやく2022年5月にB6のデリバリーが始まった。
車体の外寸は、4595mmの全長、1850mmの全幅、1665mmの全高。実車はこれらの数字より、大きい、というか迫力がある。たとえば、かなり深みのある「ディープオーシャンブルー」を選ぶと、「Vモーション」のLEDランプがアグレッシブな雰囲気をかもしだしている。
イメージカラーは今回の試乗車の「暁-アカツキ-」という“EVとなじみのある(無酸素)銅と重なる”車体色。これはこれで先進的なイメージ。
プロファイル(側面)でみると、流れるようなルーフラインで躍動的であり、かつ前後の灯火が凝った意匠なので、色でだいぶ雰囲気が変わるのも魅力的。
パワフルな乗り味
B6は、最高出力160kW、最大トルク300Nm。このあと、よりパワフルなB9が控えている。「e-4ORCE(イーフォース)」なる電子制御の全輪駆動システムは日産の開発陣の自慢のようだが、それはそれとして、B6でもじゅうぶんにパワフルだ。
「モーターの出力特性は、走り出しでどんっとトルクを出すのではなく、あくまでも気持ちよい加速をめざしました」
パワートレインEV技術開発本部で主管を務める軍司憲一郎氏が試乗場で言っていたように、300Nmものトルクはうまく制御されている。
いいところは、どんどんと速度が上がっていく、いってみれば“リニア”な加速感。静粛性も高く、シートの座り心地もいい。ひとりで乗っても、ふたりで乗っても、家族で乗っても”使える”クルマだ。後席空間の広さは特筆ものだ。
前席のセンターコンソールは電動でスライド可能なので、下げると前席がまるでベンチシートのようにつながった感覚になる。これも日産が強調している“ラウンジ感覚”にひと役買っていると思う。
愛あるアリア
運転支援システム「プロパイロット2.0」はアダプティブ・クルーズ・コントロールにくわえ、同一車線内のハンズオフ走行ができる。私は、アクアラインで東京から千葉に渡るとき強風に見舞われたものの、操舵支援がしっかり働いてくれ、かなり安心感が高かった。
室内の居心地のよさは、ピュアEVで重要視される点だそうだ。アリアでは、「行灯(あんどん)をイメージした」とされる、やわらかな室内照明をそなえるとともに、ステアリング ・ホイールのスイッチなどで「アマゾン・アレクサ」が使える。
「アレクサ」を通じてWi-Fiをはじめ、アマゾンのコンテンツが車内で利用できる。ミュージックのストリーミングサービス、オーディオブックなどは、昨今の若いユーザーの嗜好性にぴったりだろう。
家電も、アレクサを通じて操作できる。帰宅前に「アレクサ、玄関灯をつけといて」とか「暑くなってきたから(愛犬のために)エアコンをオンにして」とかいった具合だ。
上記のようなことを考え合わせると、アリア(に代表されるBEV)はクルマを超えている。もはやライフスタイルツールだ。
おもしろかったのは、日産自動車の開発者が「アリアでは自宅での長時間充電を勧めています」と、言いきっていたこと。急速充電を繰り返すとバッテリーの劣化が速いからである。作るひとの愛情みたいなものだ。そういうひとたちが開発に携わっているクルマっていいよなぁと私は思った次第である。
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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