■「クラウン」とキャラ被ってる!?
2023年11月、北米市場向けに新型が発表となったトヨタのミドルクラスセダン「カムリ」。日本では2023年末に従来型が生産終了となり、新型は日本への導入はなされないことが発表されています。
新型カムリは、日本で販売されないのは惜しいと思えるほどスタイリッシュなセダンに仕上がっていますが、なぜ日本に来ないのでしょうか。
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そもそもカムリは1980年にセリカの4ドア版としてリリースされた「セリカ・カムリ」を祖とし、1982年にはセリカの名前が外れ、横置きエンジンの前輪駆動レイアウトとしてセリカとは全く異なるミドルクラスセダン「カムリ」へと生まれ変わったのでした。
その後は日本国外、特に北米市場で人気の1台となる一方で、日本ではセダン人気が縮小し続け、残念ながら新型は海外専売モデルに舵を切ることとなってしまったのです。
そんな新たに生まれ変わった新生カムリは、プリウスなどにも採用されている「ハンマーヘッド」のフロントマスクを採用。
ボディサイズは先代型とほとんど変わっていませんが、その低くワイドに見えるフロントマスクの影響もあってよりスポーティな雰囲気となっています。
またパワートレインが全車ハイブリッドとなったのも新型カムリの大きなトピックです。
日本では2011年に登場した先代(10代目)モデルからハイブリッド専用車として販売されていたカムリですが、北米では3.5リッターのV型6気筒ガソリンエンジンを搭載するモデルも販売されていました。
そんなカムリも、新型ではついに北米でもハイブリッド専用車となったというワケなのです。
新型カムリに搭載されるハイブリッドシステムはすでに日本でも「クラウンクロスオーバー」などに採用されている2.5リッター直列4気筒「A25A-FXS」型エンジンと、第5世代のトヨタハイブリッドシステム(THS 5)を組み合わせています。
新型では前輪駆動のほか、ハイブリッド仕様の四輪駆動モデルが設定されているのも、従来のカムリにはなかった点です。
このパワートレインからも想像できるように、新型カムリはクラウンクロスオーバーなどが採用しているTNGA GA-Kプラットフォームを採用しており、言うなればクラウンクロスオーバーのセダン版とも言えるもの。
価格もエントリーモデルで2万8400ドル(約440万円)と、円安の為替レートを考えても高すぎるというワケでもありません。
そのため、日本で販売したとしてもクラウンクロスオーバーとは絶妙にキャラクターなどが被らないようにも思えます。
しかし「セダン復権」を掲げて意気込んでリリースされた先代カムリも、そこまでの販売成績を残せなかったことを考えると、日本導入がなされなかったのもやむを得ないと言えるのかもしれません。
※ ※ ※
ただ先代モデル時代にも、2019年にトムスが北米仕様・左ハンドルの3.5リッターV6モデルを「トムス C35」として販売した過去があります。
欲しいという声が大きくなれば、カタログモデルではないにせよ、日本国内で購入できるチャンスがやってくる可能性もゼロではなさそうです。
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