ファンが首を長くして待っていた、新型MT-09。SPから先行発売され、スタンダードモデルも2021年8月に登場。エンジンもシャシーも一新しており、ライバルに比べるとどんなアドバンテージがあるのか、ここでじっくり見比べてみよう。
文:オートバイ編集部/写真:赤松孝、南孝幸、森浩輔
新型MT-09の特徴
「トルク&アジャイル」コンセプトがさらに進化!
燃焼トルクを効率よく引き出し、ライダーのスロットル操作にリニアに反応する「クロスプレーン・コンセプト」の3気筒エンジン、徹底的に軽さにこだわった車体、独創的なデザインで世界中のライダーを虜にしたMT-09。
今回登場した3代目は「トルク&アジャイル」という従来のコンセプトをより突き詰めたもので、軽量化とパワー・トルクの向上をとことん追求。そのために排気量を上げた新エンジンと、板厚にまでこだわった新作フレームを採用しているのがポイントだ。
IMUも導入し、トラコンやウイリーコントロールなども備えるが、目的は「速さ」ではなく、あくまで「面白さ」の追求。進化しながら「初心」を忘れない。それが新型MT-09なのだ。
MT-09のライバルはズバリこの2台!
まさしくガチの好敵手!
好評だった先代のZ800の正常進化版と言うべき、イキのいいアッパーミドル・スポーツNK。2020年モデルからはトラコンを標準装備、スマホリンク機能なども追加された。
GSX-Sシリーズの中核モデル
GSX-R750譲りのエンジンを積む、快速スポーツネイキッド。兄貴分であるGSX-S1000譲りのスタイリングや、3モード制御のトラコンを装備して、100万円を切る価格を実現。
MT-09・Z900・GSX-S750|キャラクター比較
Z900とは価格も同じ! 好バトルに期待は高まる
各車が得意とする走りの守備範囲イメージに価格を加味すると、各車の相関関係はこんな感じだ。
STDのMT-09とZ900は価格がまったく同じ。パワーはZが若干上回るが、軽快さならMTが有利。3気筒と4気筒、どちらを選ぶか非常に悩ましいところだ。ハイグレードサス採用のSPはパフォーマンスのレベルも高くなっているが、当然ながら価格も高くなる。
GSX-S750は排気量こそ小さいが、走りのパフォーマンスではMTたちに近いものがあり、それでいて価格は10万円以上安い。コスパの良さも大きな魅力だと言えよう。
MT-09・Z900・GSX-S750|スタイリングチェック
ヤマハ「MT-09 ABS / SP」(写真はSTDモデル)
全長×全幅×全高:2090×705×1190mm
シート高:825mm
もともと個性的だったMT-09のスタイルがよりラジカルになり、まるで外装パーツのない、骨格だけのマシンのように見えるほどのミニマル化を実現。軽さを視覚でもアピールしている。SPも基本デザインは同じだが、専用のボディカラーを採用し、スイングアームは素材感を強調したバフ仕上げのものとなる。
カワサキ「Z900」
全長×全幅×全高:2070×825×1080mm
シート高:800mm
ラジカルなスタイルは同じでも、こちらはカワサキらしい「Sugomiデザイン」を採用。シャープなイメージに仕立てられている。サイズは3車中で最もコンパクトでシート高も低く、足つきも良好で扱いやすさも抜群。実は優等生だったりするのだ。
スズキ「GSX-S750 ABS」
全長×全幅×全高:2125×785×1055mm
シート高:820mm
兄貴分の1000に続いて2017年に登場したGSX-S750だが、エッジの効いたシュラウド形状や眼光鋭いフロントマスクなど、アグレッシブなスタイリングはいまなお新鮮。サイズはZ、MTより若干全長が長いが、コンパクトさは互角。
MT-09・Z900・GSX-S750|エンジン・フレームチェック
ヤマハ「MT-09 ABS / SP」(写真はSTDモデル)
総排気量:888cc
最高出力:120PS/10000rpm
最大トルク:9.5kgf-m/7000rpm
ほとんどのパーツを新作したエンジンは、排気量を888ccにアップしながら、排気系と合わせて約1.7kgもの軽量化を達成。CFダイキャストフレームは部位ごとに肉厚を変えるほどのこだわった造りが特徴。
カワサキ「Z900」
総排気量:948cc
最高出力:125PS/9500rpm
最大トルク:10.0kgf-m/7700rpm
Z900のエンジンはほぼリッタークラスの948ccで125PSを発揮。これをわずか13.5kgのトレリスフレームに組み合わせる。車体が軽いので取り回しに優れるのも魅力のひとつ。
スズキ「GSX-S750 ABS」
総排気量:749cc
最高出力:112PS/10500rpm
最大トルク:8.2kgf-m/9000rpm
スズキ自慢のスーパースポーツ・GSX-R750のエンジンをストリートで堪能するべく最適化。112PSというパワーはミドルクラスでは十分強力。フレームはスチール製だ。
MT-09・Z900・GSX-S750|足まわりチェック
ヤマハ「MT-09 ABS / SP」(写真はSTDモデル)
回転させながら成型する「回転塑性加工」を導入した「スピンフォージドホイール」を新採用。鋳造ながら鍛造並みの強度を実現。SPのリアサスはオーリンズ製となる。
カワサキ「Z900」
Φ41mmの倒立フォークと、ホリゾンタルバックリンク式のリアサスを採用。フロントブレーキキャリパーは3車中で唯一のラテラルマウント式。
スズキ「GSX-S750 ABS」
倒立フォークにラジアルマウントキャリパー、ペータルディスクと装備は十分豪華。細身のY字スポークを採用したホイールも個性的だ。
MT-09・Z900・GSX-S750|メーター・電子制御装備チェック
ヤマハ「MT-09 ABS / SP」
ハンドル中央にマウントされる、待望のフルカラーTFTメーターは3.5インチ。スロットルバイワイヤ、トラクションコントロール、ウイリーコントロール、スライドコントロールなどのほか、クイックシフターやD-MODEなど、最新のハイテク装備が目白押しとなっている。
カワサキ「Z900」
トラコンとパワーモードを組み合わせたライディングモードを採用。専用アプリを使えば、スマホでセッティング変更もできるコネクト機能付きの4.3インチTFTメーターも魅力だ。
スズキ「GSX-S750 ABS」
ミドルクラスながら、走行状況に応じて3段階から選択できるトラクションコントロールを採用。多彩な表示機能のメーターも兄貴分の1000と同様の豪華アイテムだ。
MT-09・Z900・GSX-S750|主なスペック・価格
ヤマハ「MT-09 ABS / SP」
[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]
カワサキ「Z900」
[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]
スズキ「GSX-S750 ABS」
[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]
[ アルバム : 【写真31枚】ヤマハ「MT-09」ライバルチェック はオリジナルサイトでご覧ください ]
文:オートバイ編集部/写真:赤松孝、南孝幸、森浩輔
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
うっかりで…「ゴールド免許」剥奪? 無事故&無違反でもブルー免許に格下げ? 絶対に“注意すべき”コトとは
レクサス新型「小さな高級車」実際どう? 全長4.2m級で“めちゃプレミアム”!? 「使って」わかった「LBX」の価値とは
なぜ軽自動車は「64馬力」が上限? エンジン出力向上&技術力も上がったのに… 「軽の最大出力」現状維持する理由とは
熊本バス・鉄道5社「交通系ICカードやめます」 停止は年内予定、公共交通の運賃収受は本当にこれでいいのか?
ミキティ、スマホでポチ買いした1400万超の「超高級車」を採点! 気になる点数は? 搭載される「斬新ド派手ドア」の開閉に「天才!」「未来的」の声も
みんなのコメント
この昆虫顔嫌いなんだけどなぁ…
全然惹かれない。