日本市場から姿を消したいすゞの乗用車。中古サイトを漁っていると、かなりのお値段になっているクルマも多く、とくにハンドリングバイロータスの名が付いたグレードは新車並なのだった。でもなんでいすゞ車にロータスの名が!?
文:永田恵一/写真:ベストカーWeb編集部
なんでロータスの名が!? ビッグホーンにピアッツァそれにジェミニになぜ他社の名が!!!!!!
■国内復活切望!! いすゞの中古は未だ高値キープ
コンセプトカーのほぼまんまの姿で登場したビークロス。いすゞの乗用車はワクワクするモデルがとにかく多かったのだ
いすゞが乗用車の自社開発から撤退して約30年。SUVの国内生産を終了して約20年が経過した。
いすゞが日本ではトラックとバスの専門メーカーとなってから長い月日が過ぎた。
いすゞの乗用車は現在希少性に加え、ジウジアーロ氏がデザインを手掛けた初代ピアッツァや2代目ジェミニ。
スタイルに魅力を持つモデルがあることもあり、中古車は高値安定である。
そのなかでも昭和最後以降のモデルで特に高値なことも含め目を引くのが「ハンドリングバイロータス」と付くモデルだ。
ここでは「ハンドリングバイロータスとは何か?」と、いすゞとロータスとの意外な関係を振り返ってみた。
■GMがすべてのカギ!? ロータスと手を組んだワケって??
ハンドリングロータスが加わったのは2代目モデルからであった
まずいすゞ車のハンドリングバイロータスが生まれた最大の理由は、いすゞは1971年から2006年、ロータスも1986年から1993年に掛けてどちらもGM傘下だったことだ。
つまり、いすゞとロータスは一時期両社GMアライアンスだったわけである。その後、両社は1987年2月に技術提携を結ぶ。
その具体的な内容は、いすゞからロータスに対してエンジンを含む部品供給。ロータスからは高性能車の技術提供というものだった。
その形として誕生したのが日本向けハンドリングバイロータスの第一弾として加わったのが、2代目ジェミニのZZハンドリングバイロータスである。
ハンドリングバイロータス以前に、FRだった初代ジェミニ時代にDOHCエンジンを搭載したZZが1.6リッターという形で復活した点でも話題になった。
■名前だけじゃないぜ!! 足も装備もさすがロータスのデキ
CGか!? と思うほどド派手なCMも当時話題に!!!!
本題となるハンドリングバイロータスの部分も足回りはワインディングロード向けにしなやかな味付けとされた専用サスペンションに、オプションでBBSのアルミホイールを設定。
そしてエンジンやサスペンション以上に印象が強かった人も少なくないであろう内外装も、イメージカラーとしてブリティッシュグリーンを使用。
インテリアもモモのステアリングやレカロのシートを採用。スポーティな雰囲気を演出した。
2代目ジェミニ、標準系はクルマ自体こそごく普通ながら、内外装の雰囲気の良さで健闘していたモデルだった。
ハンドリングバイロータスはスポーツ性だけでなく、雰囲気の良さという2代目ジェミニの魅力をさらに際立て、2代目ジェミニの成功を後押しする存在となった。
■ビッグホーンにまで!! ほぼ全ラインアップに追加するほどの熱
ハンドリングバイロータスは2代目ジェミニのあとも続いた。
ロータスチューンサスペンション、モモのステアリング、レカロのシート、ブリティッシュグリーンのボディカラーを基本アイテムに初代ピアッツァ、スペシャルエディションバイロータスの名前で初代ビッグホーン。
2代目ジェミニ、2代目ピアッツァ(こちらはハンドリングバイロータスのみ)、2代目ビッグホーンに設定された。
なお、前述した「いすゞからロータスへのエンジンを含む部品供給」というのは、ロータスも当時GM傘下だったという社内事情などもありFFとなった1990年登場の2代目エランのパワートレーンのことだ。
そのため2代目エランは、エンジンは3代目ジェミニの1.6リッターDOHCと同ターボ、トランスミッションはいすゞの5速MTを使っていた。
そして、いすゞとロータスの関係で忘れられないのは、1991年にいすゞのF1エンジン(3.5リッターV12)をチームロータスのF1に搭載し、英国シルバーストーンサーキットでテストを行ったことだ。
このテストはハンドリングバイロータスでのいすゞとロータスカーズとの関係や、F1チームロータスの終盤は田宮模型や小松製作所といった日本企業がスポンサーだったこともあり実現。
いすゞのF1用V12エンジンはあくまでテスト用(実走テストが行われる予定もなかった)で、実践投入は想定されていなかったが、結果はなかなかものだったという。
■ロータス版とは違う味付けがイイ!! イルムシャーもいたゾ
ハッキリと棲み分けがなされており、イルムシャーモデルも未だ高値をキープ中……
また、いすゞ車をロータス同様に味付けしたチューナーとして忘れてはいけないのが独イルムシャーだ。
イルムシャーはオペルのコンプリートカーやアフターパーツ開発を手掛けるチューナーで、いすゞとイルムシャーの関係もロータスと同じく、当時オペルもGM傘下にあり、GMを介して実現したものだった。
いすゞ車のイルムシャーチューン1号車は1985年登場の初代アスカであった。
その後イルムシャーは初代ピアッツァ、2代目と3代目のジェミニ、初代と2代目のビッグホーンと、主要ないすゞ車に設定された。
イルムシャーもモモのステアリングやレカロのシートも基本アイテムに、サスペンションはドイツのチューナーということもあり、ロータスを基準にするとより高いスピードレンジを想定したドイツ車的な硬めのものだった。
いすゞのロータスやイルムシャーチューンはオリジナリティという面では、疑問のある方もいるかもしれない。
しかし、考えてみるといすゞとロータスやイルムシャーとの関係は、日本メーカーと海外メーカーとの協業の先駆けの1つともいえる。
その意味での功績はそれなりにあったといえるのではないだろうか。
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