■トヨタの「SUVミニバン」を示唆するモデルとは?
2024年10月15日から18日まで、幕張メッセ(千葉市美浜区)にて「JAPAN MOBILITY SHOW Biz week 2024」が開催されます。
昨年から「JAPAN MOBILITY SHOW」と名称を変えて、クルマのみならず多岐にわたるモビリティが展示されるようになりましたが、これまでは「東京モーターショー」として、様々なメーカーが最新のコンセプトカーや市販モデルを披露していました。
かつて2015年に行われた「東京モーターショー2015」では、トヨタが世界初公開したSUVミニバンがひときわ注目を集めていました。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
【画像】超カッコイイ! これがトヨタの斬新「SUVミニバン」です!(24枚)
そのクルマとは「ノア アクティブ クロス」です。
トヨタ「ノア」は、使い勝手の良さと広い室内空間で知られるミドルサイズミニバンの代表格です。
なかでも2014年から2021年に販売されていた3代目は、5ナンバーサイズのボディに3列シートを備え、ファミリー層や多人数での移動を快適にするモデルとして高い人気を誇りました。
7年というモデルライフの長さからも、その完成度の高さがうかがえますが、ノアの魅力は単なる移動手段を超え、エクステリアやインテリアのデザイン、豊富なバリエーション展開により、多様なニーズに応えてきた点にもあります。
3代目ノアには、通常のモデル以外にも様々な派生モデルが用意されていました。
トヨタのレース部門であるトヨタGAZOOレーシングが手がけたG’sグレードなどがその例です。
これらのバリエーションは、家族向けのミニバンでありながら、個性や趣味を反映できる選択肢を提供してきました。
そんななか、東京モーターショー2015にてトヨタグループ会社で、ノアの製造もおこなうトヨタ車体のブースで参考出展されたノア アクティブ クロスは、クロスオーバーSUV風のデザインが取り入れられたコンセプトモデルで、都会的なイメージとアウトドアでの機能性を両立させた1台として展示されました。
エクステリアは白を基調としながらも、前後バンパーやドアパネル、フェンダーにはプロテクターが装備され、SUV風の力強い印象を与えます。
プロテクターはSUVにありがちなツヤ消しブラックの加飾ではなく、上品なサテンシルバー塗装で仕上げられていた点も大きな特徴です。
さらにアクセントカラーとしてオレンジが用いられており、グリルやエンブレム、バンパーに差し色が施されていることで、アクティブかつファッショナブルな雰囲気が強調されています。
くわえてルーフは標準のノアにはないハイルーフ仕様となり、ガラスルーフも装備されていたため、室内は非常に明るく、開放感のある空間が実現されていました。
リアゲートにはキャリア機能が追加されており、スキーやスノーボード、サーフボードなどの長尺物を容易に積み込むことができるほか、福祉車両に使用されているようなリアスロープも装備。
このスロープは、アウトドアギアを載せるだけでなく、簡易テーブルとしても活用できるというユニークなアイデアが採用されており、まさに多機能な1台です。
タイヤにはヨコハマのSUV向けオールテレーンタイヤである「ジオランダー」が装着され、225/55 18インチのものを採用。
これにより最低地上高が向上し、オフロードでの走破性も強化されています。
一方、インテリアデザインもエクステリアと同様にホワイトを基調とし、オレンジのアクセントが随所に取り入れられていました。
特に注目すべきは、ダイブダウン式の助手席および2列目シートです。
これにより、シートを倒すとフラットな床面ができ、3列目を跳ね上げれば、長尺物も余裕で積載できる広大な空間が生まれることから、室内の実用性にも優れていることが分かります。
そんなクロスオーバーSUV風のノアですが、現在まで市販には至っていません。
SUV人気が続く中で、このような派生モデルが登場すれば、新たな市場を開拓する可能性は十分にあります。
例えば、三菱「デリカD:5」は、ミニバンでありながらクロカン4WDに匹敵する高い悪路走破性を持ち、唯一無二のSUVミニバンとして確固たる地位を築いています。
いっぽう2023年の第1回JAPAN MOBILITY SHOWでは、かつてノア アクティブ クロスを出展したトヨタ車体が、ミニバンとSUVを融合したコンセプトカー「X-VAN GEAR CONCEPT(クロスバンギアコンセプト)」を参考出品しています。
近年のSUV人気が続く背景も相まって、ノア アクティブ クロスのようなモデルが再び注目され、市販化に至る日が来るかもしれません。
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