もくじ
ー ブラッドハウンドの命運を握る男
ー 未来に名を残す機会に
ー 早急に投資家集めを
ー 最高のチャンスともいえる
ー なぜブラッドハウンドは重要なのか?
目指せ1600km/h ひとりの男の夢 「ブラッドハウンド」物語り
ブラッドハウンドの命運を握る男
ダークスーツに身を包んだ弁護士らしい身のこなしのアンドリュー・シェリダンは、ブラッドハウンドの地上速度記録への挑戦の命運を握るような男にはとても見えない。彼の物腰から察すると、法律の研究機関にこもって法の改善に関する議論をしていた方が幸せそうなタイプだ。
好むと好まざるとにかかわらず、シェリダンと彼の会社FRPアドバイザリーは、現在プロジェクトの共同管財人である。一週間前に裁判所に指名されたばかりだ。ドアを開けて明かりをつけたままにしておくようなことも今や彼ら次第である。しかし、その主要な任務は、2、3年以内に1600km/hの目標を達成するというブラッドハウンドの支援者を見つけ出すことだ。
プロジェクトを前に進めることが最高の成果だとシェリダンは強調する。「ブラッドハウンドは従来のような儲け優先のプロジェクトではありません」と彼は説明する。「その資産の多くは、スポンサーシップの形で現物供与されたものです。ブラッドハウンドの価値は資産や儲けではなく、目標達成によって生み出される世界的なビッグニュースと計り知れない知名度の向上なんです」
FRPアドバイザリーは、最近フォース・インディア・フォーミュラ1チームの新しいオーナーを見つけた法律家グループだ。今回のより特殊なケースについても、ブラッドハウンドを「世界的にも注目され、STEM(科学、技術、エンジニアリング、数学)の才能を持った英国の若い世代に刺激を与える本当にパイオニア的なプロジェクト」だと考えるシェリダンは、言葉を選びながらも楽観的である。
未来に名を残す機会に
一番のハードルは必要とされる資金の額ではないと彼はいう。「企業や金持ち連中にとっては、必要とされる資金など取るに足らない額なのです。1シーズンF1チームを維持するコストやアメリカズ・カップのチーム運営費に比べたら、わずかなものです」
「われわれは、投資家にとって未来に名を残すまたとない機会だと考えています。すでにわれわれは、投資を検討している多くの人たちと話をしているので、関心のある方はすぐにご連絡ください」
ブラッドハウンドの今後の見通しを左右するのは、新しい投資家に価値をもたらすことができるか否かにある。グローバルなビジネス展開のための世界的名声、月ロケット打ち上げスタイルのメディアイベント(1600km/hの達成)による収入、あるいは一部の金持ちが感じることのできる単純な達成感といった価値である。
こういったものがブラッドハウンドが目的を達成する手段となるのだ。リターンを強調することは将来のビジネスのためだと彼はいう。
早急に投資家集めを
しかし時間はない。現在は幽霊クルーで運営されている(われわれが訪ねたときは技術部長のマーク・チャップマンだけしかいなかった)ブラッドハウンドは、コストを発生し続けている。
これまでの顧客との話し合いについてシェリダンは慎重に言葉を濁すが、興味を持っている人たちは分かったという。ブラッドハウンドへの投資機会を知らせるべき人たちには、すでにほとんど情報が行っており、もし前向きの結果が得られれば「3、4週間以内に」具体的な方針を決定すると彼はいう。
前の地上速度記録保持者であるリチャード・ノーブルと現在の保持者であるアンディー・グリーンがパブの会話で盛り上がり2007年に設立したブラッドハウンドは、すでに多くの目標を達成しているが、1600km/hという最終目標はまだである。
ブラッドハウンドは、1年前にニューキー空港で320km/hを達成してから資金繰りが苦しくなったとして、10月15日に自発的に破産申請をした。特に2008-9年の景気後退以来、スポンサー収入が大幅に変わってしまったとブラッドハウンドのヘッドはいう。F1のチームもしばしば同じことをいう。以前はスポンサーからの収入が80%、その他の収入が20%で運営していたが、いまや順序は逆転している。
最高のチャンスともいえる
ブラッドハウンドの事情通は、南アフリカのハクスキーン・パンにすでに用意された18キロメートルのトラックで、ジェット燃料を使って800km/h~960km/hの速度でクルマを走らせるには500~600万ポンド(7億4000万~8億8000万円)くらい必要だという。
1280km/hを達成して現在の記録を破るには、さらに800万ポンド(11億8000万円)くらいかかる。そしてチームを40人に戻して1600km/hの最終目標を達成するには、またさらに800万~1200万ポンド(11億8000万~17億6000万円)が必要だ。
ブリストルの主力チームは驚くほど楽観的なままである。「これは最高のチャンスかもしれません」とチャップマンはいう。
「『ブラッドハウンドが資金を必要としている』ということは何回もニュースになっています。でもビッグビジネスにはいつも順番というものがあり、他の人に任せようとする傾向があります。しかし今では、このプロジェクトを本当に気にかけている人は、危機的状況だということをみな知っています」
なぜブラッドハウンドは重要なのか?
ブラッドハウンドの時代は終わったと考える人たちがソーシャルメディアを賑わしている。電動化が急速に進む現代では、何トンもの化石燃料を燃やし多くのCO2を排出する機械を本当に喜ぶべきなのかと懐疑論者はいう。
ブラッドハウンドのプロジェクト開始まもなくユーロファイター・プロジェクトから移ってきた空力専門家のマーク・チャップマンは、地上速度の最後の重要な目標として1600km/h突破を実現すべきであると信じている。
「ブラッドハウンドが採用する、あるいは開発するレベルの高い技術は別としても、このプロジェクトは、今日においてほとんどのことは達成できるという手本をしっかりと示すものなのです。それ自体重要なことです。克服すべき目標は今後とも常にありますが、それが何なのかはよくわかりませんね」
CO2に関していうと、超音速でブラッドハウンドを1回走らせることで生ずるCO2は、大西洋を横断するジャンボジェットがヒースローからスラウ(ヒースローのすぐ隣り町)まで飛ぶのと同等だと彼は考えている。1600km/hを達成するには15回の走行が必要だとチームは推定しているが、これだとヒースローからスウィンドンまで飛ぶのと同じCO2になる。つまり、得られるものがあるならば、CO2の排出は許容範囲内だと彼は言っているのだ。
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