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DSがユニークな新型「高級SUV」導入へ 苦戦するDS 9に代わるフラッグシップモデル、年内発表か

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DSがユニークな新型「高級SUV」導入へ 苦戦するDS 9に代わるフラッグシップモデル、年内発表か

不振のセダンに代わる高級SUV

フランスのDSは、次世代のフラッグシップモデルとして新型「DS 8」(仮称)を2025年に導入する計画だ。セダンとSUVの中間的なボディ形状で、現行のDS 9に代わる最上位車種になると予想されている。

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DSがシトロエンから分離して独立ブランドとなってから今年で10年が経過する。各車の電動化と市場シェア拡大に取り組む中、DS 8はその新しいラインナップの先陣を切ることになる。

欧州市場での足場固めに苦戦しているDSにとって、今はまさに正念場とも言える時期だ。8月末までの新車販売台数は欧州全体で前年比33%減の2万6173台となり、そのうちDS 9はわずか234台にとどまる。右ハンドルの英国では、同期間中にわずか3台しか売れていない。

DSの親会社であるステランティスは2021年、プジョー、フィアット、ジープなど各ブランドに10年間の財務支援を行うと宣言した。特に業績不振で厳しい監視下に置かれているのはマセラティだが、売上への貢献が少ないDSも危うい立場にある。

DSは2027年から新車販売をすべて電気自動車(EV)に移行するという計画に従い、上級のアッパーセグメントで競争力を高めるために製品ラインナップの全面的な見直しも行う。

その急先鋒となる新型DS 8は、新時代におけるブランドの意思表示としての役割を果たす。新しいパワートレインを導入し、大胆な新しいデザインを採り入れ、アウディやジェネシスなどと競合する。

DS 8はイタリアのメルフィにあるステランティスの工場で生産される。同工場では、オペルやランチアの新型車も生産される予定だ。

セダンとSUVの中間的なスタイル

欧州ではカモフラージュされたDS 8のプロトタイプが目撃されており、全体のシルエットやボディサイズが確認できる。そのスタイリングは、セダン、ファストバック、SUVの要素を取り入れており、兄弟ブランドであるシトロエンのC5 Xと似ていなくもない。

DSは現在、SUVモデルを主に取り扱っており(DS 9を除く)、欧州の販売チャートではSUVが優位を保っていることから、今後のモデルでもSUVに傾倒する可能性が高い。

とはいえ、DS 8は従来型のSUVのスタイリングとは一線を画し、より個性的で目立つ外観を追求しているようだ。

また、最近公開されたDSのコンセプトカー「SMトリビュート」から大きな影響を受けていると予想される。1970年代のシトロエンSMへのオマージュであり、低車高のクーペだが、今後の市販車デザインを示唆するものである。

DSのデザイン責任者であるティエリー・メトロス氏は、SMトリビュート・コンセプトのレトロフューチャーなデザインについて、「DSオートモビルズのモデルや将来のプロジェクトにおけるディテールを多く盛り込んだ」と述べている。

一方で、2020年に発表された比較的オーソドックスなSUVコンセプト「エアロ・スポーツ・ラウンジ」は、もはや未来を予見するものではなくなったのだろう。燃費性能やEVの航続距離に大きな影響を与える空力性能といった観点からも、DSは伝統的な形状のSUVから完全に脱却する可能性がある。

ステア・バイ・ワイヤ採用の可能性も

構造的には、DS 8はステランティスの新しい「STLAミディアム」プラットフォームを採用し、プジョー3008、オペル・グランドランド、次世代のシトロエンC5エアクロスと近い関係になるだろう。

ステランティスが電動化に向けて「柔軟」なパワートレイン戦略を採っていることから、48Vマイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド(PHEV)、バッテリーEVの各種パワートレインが設定されるものと考えられる。

EV仕様のDS 8は、容量73kWhまたは98kWhのバッテリーを搭載し、最長700kmの航続距離を目指すことは間違いない。また、シングルまたはツインモーターが選択肢として用意され、後者は合計出力320psに達するポテンシャルを秘めている。

インテリアでは、SMトリビュートに倣い、軽快でミニマルなレイアウトの採用が期待される。インフォテインメントにはタッチスクリーンではなくプロジェクター式ディスプレイを採用し、さらにアンビエントライトや高級素材を多用すると予想されている。

特筆すべきは、SMトリビュートがステア・バイ・ワイヤ・システムを採用していたことで、これが市販化されれば、ステランティスブランドとしては初となる可能性がある。ただし、プジョーも同技術の市販投入計画を発表している。

ステア・バイ・ワイヤの主な利点は、さまざまな走行条件にパフォーマンスを適応させやすいこと、必要部品が少ないため生産コストを抑えられること、そして省スペース化を図れることだ。

2024年はDSが独立したブランドとして活動を始めてから10周年にあたるため、DS 8の発表は年内に行われる可能性が高い。

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みんなのコメント

4件
  • har********
    PSA時代はプレミアムラインを作りたいとの意図があったのでしょうが、ステランティスになると立ち位置が微妙に。
    ブランドとしての歴史も名前以外シトロエンの特定モデルを引き継いだ感もないので、シトロエンに再統合した方がよい。
  • xtr********
    セダンは雲上のロールス、ベントレーか
    御三家のメルセデス、BMとアメリカと中国市場の特殊マーケットだけだろ、
    販売出てななら、利益率取ると言う事で
    SMオーマジュ車だしたほうが正確
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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