新型プリウスが、注目されている。2022年11月に発表されたばかりの新世代HEVは、年始恒例の箱根駅伝では伴走車として初めて公道を走り、そのカッコよさがお茶の間でも話題になった。さらに一部グレードで新しいサブスクリプションサービスが提供されるということで、「クルマの買い方」についても新しいトレンドを生もうとしている。もっと便利で使いやすいサービスを目指して、クルマのサブスクは今、どんな新しい展開を見せようとしているのだろうか。
「よりお得に」手に入れたいと思うのは当たり前だけど・・・
さまざまな業態で普及し始めた「サブスクリプションサービス」は、これまでの「物を買う(あるいはサービスを利用する)ために直接対価を払う」という常識から「物(あるいはサービス)を使う期間に対価を払う」ことで、お得感を生み出すことを狙ったシステムだ。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
もっとも身近でわかりやすいのは、音楽や動画のサブスク配信だろう。これは楽曲のひとつひとつにお金を払うのではなく、複数コンテンツが配信されるサービスを一定期間利用する権利を購入する。イメージ的には定額で一定の期間、「いろんな曲が聴き放題」という「お得感」が受けているのだと思う。
「●●放題」のサブスクは確かに、消費者にはわかりやすく受け入れられやすい。支払う料金がそのお得感に見合った、あるいはそれ以上の価値があると認知さやすい業態にはとくに、効果的だ。
クルマを購入する層に対しても、サブスクのサービスが採り入れられている。もちろん、音楽の「お得感」とは少し異なるかもしれない。定額で好きなクルマに乗り放題、というわけにはいかないようだし。そのかわりに、利用期間中にかかるさまざまな費用を車両本体価格と合わせて「定額化」するのが主流だ。
しかし実はこれ、意外にわかりづらい。なにしろその期間に支払う金額が、お得感に見合っているのかどうかが、シロウトには少々計算しづらいからだ。携帯電話の「コミコミ」的な料金体系にどちらかと近いようにも思えるが、かかる金額が二けた違う。
さらにはリースとの違いも、実は明確ではないように思える。オフィス機器などの場合はサブスクのほうが、契約的により自由度が高いというメリットがあるらしい。だが自動車の場合は、その差別化が微妙になってくる。
カーライフのありようまで変えるかもしれない
そういう意味で2019年から「KINTO ONE」と名付けたサービスからスタートした「KINTO」が、一般消費者にどのように受け入れられているのどうかは、ちょっと興味深い。日本における本格的な、クルマ関連サブスクサービスの草分けだが、当初はかなり苦戦していたと聞く。
それでも長期プランや解約金フリープランの追加設定や、カスタマイズを中心とするパーソナライズのサービスを盛り込んでいったり、独自の特別仕様車を取り扱い、キャンピングカーとのコラボを進め、中古車まで販路を広げるといったサービス多様化作戦は功を奏しているようだ。
取り扱い車種が増えていくとともに、モビリティサービスの利用を開始、旧車系などのコミュニティづくりにも積極的に取り組むなど「KINTO」としての活動は確かに、リースやカーシェアなどの業態とは一線を画しつつある。
ちなみに2021年1月に発表された「直近の実績」では、申込数は順調に推移しているという。2020年7月から12月までの期間では、前年同期間に比べて申込数は6倍に達している。2021年4月から2022年3月までの決算公告では、売り上げが前年比207%の101億円超を記録。利益的にはまだ赤字ではあるものの、事業規模としては着実に伸びているようだ。
それではこの3年ほどの間に、クルマのサブスク利用に対する意識や認知は、現実として高まりつつあるのだろうか。株式会社KINITOが実施した意識調査からは、物価高騰・商品価格値上げといった社会環境の変化とともに、クルマに対する消費の在り方が変化している様子が見て取れる。
そして調査結果からは同時に、サブスクサービスに対する利用者側の迷い?あるいは戸惑い??に似た意識が伝わってくるようにも思えた。
とくに「理由はないけれど」利用したくない層をいかに動機づけるか
2022年12月13日に株式会社KINTOから公表されたのは、「物価高騰下におけるクルマのサブスク利用意向に関する意識調査」の分析レポートである。
■物価高騰下におけるクルマのサブスク利用意向に関する意識調査 概要
調査方法:楽天リサーチによるインターネット調査
調査期間:2022年11月22日~同年11月24日
有効回答:全国20~59歳の男女400名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
クルマは、購入するとなれば住居に次ぐくらいに金額が張る財産だけに、物価高騰の折、自動車に対するお金の節約志向はやはり低くはない。調査の結果を見ても、愛車関連の支出を抑えたいと考える人は63.7%を占めている。その裏返しということもあるのだろうか、クルマのサブスク型サービスについては34.5%の人が「知っている」と回答した。
ちょっと意外なことに、洋服やバッグ・アクセサリー、家電や家具といった他の生活用品に対するサブスク型商品・サービスよりもクルマのほうが知名度は高い。
☆Q4とQ5グラフ
しかし一方で、クルマのサブスクサービスを利用してみたいか?という質問に対しては、クルマを所有する層では42.6%が前向き、残りの半数以上が「利用したくない」と答えている。
同様の問いに対してクルマを所有していない層は、前向きな利用意向を示した人が半数を超えた。もっともポジティブ51%対ネガティブ49%と、こちらもかなり微妙な線ではある。
ちょっと気になるのは、同じネガティブ回答の中でも「特に理由はないが」サブスクを利用したくない、という層が3割近くいることだ。裏返せば、明確な理由があれば「利用してみたい」と考える予備軍的層と言えるかもしれない。
経済的な側面だけではない「お得感」の演出が必要だ
利用したくない、と答える人の最大の理由はもちろん、「実は(金銭的に)お得じゃないのではないか?」という不安だ。通して支払う金額が、実は割高なのではないか? 払い続けても、けっきょく自分の所有物にならないし。あるいは、手続きが面倒そう、といった視点も、金銭的な部分以外でのお得感を阻害する要素かもしれない。
同様に、どんな後押しがあれば利用してみたいか、という質問に対するトップの回答は「もっと経済的なメリットがあれば」。66.5%とかなりの割合で、欲望に対する姿勢がストレートに表現された。次点は「もっとサービス内容がわかりやすくなれば」(60.5%)だが、これも実質的には経済的メリットの訴求に他ならないだろう。
二の足を踏む原因として、主として「経済的」課題が挙げられている以上、もっとも「わかりやすい」メリットは定額で支払う金額の適正化がまずは第一、ということになるだろう。だが商売である以上、割安感を追求した臨界点はもちろんある。だからこそクルマのサブスクを本格的に認知・普及させるためには、新たな付加価値=お得感の訴求が求められている、とレポートは結論付けている。
そんなお得感を訴求する新たな取り組みとなりそうなのが、新型プリウスの一部グレードから始まる「KINTO Unlimited」だ。基本となる「自動車保険、自動車税、定期メンテナンス、故障修理、登録諸費用・税金、車検費用(5年/7年プランの場合)などの諸経費をパッケージ化した月額定額サービス」に加えて、「KINTO Unlimited」では「進化」と「見守り」に価値を見出している。
■「KINTO Unlimited」の概要
➀進化=アップグレード:ソフトウェアとハードウェアのアップグレードを提供。
・ソフトウェア:Toyota Safety Senseを随時バージョンアップ。
→費用は、サブスク定額料金に含める
・ハードウェア:「アップグレードレディ設計」(アップグレードに必要な施工作業の大部分をクルマにあらかじめ織り込んでおく。トヨタ初)によって、ユーザーニーズに合わせた多彩なハードウェアの装備や機能の後付けを可能にする。
→費用は、一括もしくはサブスク月額利用料への加算で対応
➁見守り=コネクティッド:最新のコネクティッド技術によって運転データを収集・分析
・省燃費ドライブや安全運転に関するアドバイスを提供。
→当面は無償。将来的にはサブスク月額利用料に含めて課金
・同時にそれぞれの走り方に合わせて、最適なオイル交換のタイミングを教えてくれるサービス(ほかにも、様々なサービス提供を予定)を展開する。
→費用は月額利用料に含める
とくに「進化」については、クルマそのものの価値(つまりは下取り価格ということになるだろうか)下落を抑制することで、一定期間を経過したのちの価値(下取り)を維持する(あるいは高めることもできるかも?)ことを目指しているところが興味深い。その「浮いた部分」は、月額利用料の引き下げというかたちであらかじめ充当される場合もあるようだ。
正直、こうした新しいサービスの追加によって、どのくらい「お得感」が増しているのかは、今冬からのサービス提供の具体的内容が明らかにされなければわからない。
実は私的にも、新型プリウスに少なからず食指を動かされているだけに、「納得」させてくれるものになっていることを期待している。果たして、KINTOの新たな挑戦が、クルマのサブスク利用を本格的に後押しすることになるのか否か、とても興味深い。
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