ル・マン・ハイパーカー(LMH)車両の『499P』でル・マン24時間レースを2連覇するなど、耐久レースへの復帰以来確かな実績を残しているフェラーリ。そんな彼らは来季もWEC(世界耐久選手権)に専念するという。
現在の規則では、LMH車両及びLMDh車両はWECだけでなく北米のIMSAスポーツカー選手権に参戦することも可能だ。今季はポルシェ、キャデラック、BMW、ランボルギーニの4メーカーがLMDh車両でWECとIMSAの両方に参戦している。
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フェラーリのスポーツカーレース責任者であるアントネッロ・コレッタはmotorsport.comに対し、同社は499Pの3シーズン目である2025年に向けて、新たなカテゴリーに進出することよりも既存のプログラムをさらに強固なものにしたいと考えているという。
「来年IMSAには参戦せず、WECにのみ参戦する予定だ。我々は今、3台体制のWECに集中している」
そう語るコレッタ。これはつまり、フェラーリはAFコルセが運営するファクトリー体制の2台に、同じくAFコルセが運営するカスタマー/サテライト枠の1台を加えた3台体制を継続するということのようだ。
なおワークス扱いではない3台目はマニュファクチャラーズ選手権の対象外になるが、FIAによって独自の賞典が用意されている。今季はハーツ・チーム・JOTAのポルシェ12号車、38号車、プロトン・コンペティションのポルシェ99号車、AFコルセのフェラーリ83号車が対象となっている。
ファクトリーチームの赤とは異なる黄色のカラーリングで参戦しているフェラーリ83号車。今季はロバート・クビサ、ロバート・シュバルツマン、イェ・イーフェイがドライブしているが、コレッタ曰くこの取り組みは「サプライズがない限り」続くという。
ただしコレッタは、アメリカがフェラーリにおける市販車販売の重要な市場であることから、いつか499Pをアメリカで走らせたいという願望があることを明かした。
IMSAでは、GT3車両がエントリーするGTDクラスでフェラーリ296 GT3が走っている。フェラーリを採用しているチームの中でも、アメリカ・スポーツカーレースの雄であるジュゼッペ・リシ率いるリシ・コンペティツィオーネは、四半世紀以上の付き合いがあるフェラーリでプロトタイプクラスに参戦したいと公言している。
「今のところアメリカに行くという計画はないが、将来的には不可能ではない」とコレッタは言う。
「我々にはそれぞれの活動を発展させるための時間が必要だ」
フェラーリが北米スポーツカーレースの最高峰クラスに参戦した最後の例は、20年以上前まで遡る。当時フェラーリはIMSAのワールド・スポーツカー規則に基づいたマシン『333SP』を製造して参戦していた。このマシンは1994年から2003年まで参戦し、デイトナ24時間で1勝、セブリング12時間で3勝をあげた。
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