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ポルシェ ケイマンRは、911カレラと同等の動力性能。さらに文句なしフラット感だった【10年ひと昔の新車】

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ポルシェ ケイマンRは、911カレラと同等の動力性能。さらに文句なしフラット感だった【10年ひと昔の新車】

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ポルシェ ケイマンRだ。

ポルシェ ケイマンR(2011年:車種追加)
ポルシェ ケイマンのホッテストモデル「ケイマンR」の日本デビューに先がけて、地中海はマヨルカ島で国際試乗会が行われた。

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そもそもは911ターボ用に開発されたアルミニウム製ドアパネルや、カーボンファイバー製骨格のスポーツシートなどの軽量アイテムを採用し、カーナビやオーディオ、エアコンをオプション化。こうして、ボクスター スパイダーと同様の手法でケイマンRは55kgの減量化を達成している。

そしてエグゾーストとマネージメント システムを変更してプラス10psの最高出力を獲得したエンジンを搭載するケイマンRのパワーウエイトレシオは、MT仕様でわずかに3.92kg/ps。これは、911カレラ(MT)の4.10kg/psをわずかながら凌いでいる。0→100km/h加速は5秒フラットと、911カレラの4.9秒に肉薄しており、もはや911カレラと同等の動力性能を有しているといえそうだ。

足まわりのモディファイも、ボクスター スパイダーに準じた手法で行われている。昨今、多くのポルシェ車に標準採用される電子制御式可変減衰力ダンパー「PASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネジメント)」を敢えて廃し、より短くて硬いスプリングと専用レートの前後スタビライザーを組み込むなどした専用サスペンションは、20mmのローダウン化を行っている。

インテリアでは、カップホルダーのオプション化やドアポケットの廃止といった軽量化への細かな取り組みに加え、メーターフードの廃止やドアオープナーのストラップ化などが軽量化を象徴している。PDK仕様車はパドル付きステアリングホイールを標準採用。PDKとともにデビューをしたものの、操作ロジックが不評だったステアリングのシフトスイッチは、徐々にその姿を消す方向にあるようだ。

ケイマンRの走りは、ゴキゲンそのものだった!
試乗車は、いずれもエアコンやカーナビなどのオプションを装着した「豪華版」だった。現実問題として、多くのユーザーが選択をしそうなこうしたアイテムだが、当然ながら車両重量はアップする。

したがって、以前に「素の」ボクスター スパイダーに乗ったときのような圧倒的な身軽さは感じられなかったが、その走りはゴキゲンそのもの。今回、サーキットでも試乗できたのだが、そんなシチュエーションでもパワーを持て余すことはなく、かと言って不足を感じることもなく、軽快で痛快なサーキット走行を楽しめた。

駆動輪の上に荷重がしっかりとかかるため、優れたトラクション能力が美点のケイマンだが、この「R」ではさらにLSDを標準装備し、タイトなターンからのフルパワー加速でも内側輪からの駆動力の抜けを巧みに防ぎ、ますます高度なトラクション能力を発揮してくれた。

正確かつシャープなハンドリング感覚は、そもそもケイマンの得意とするところ。しかも、この「R」は予想外にしなやかな乗り味を提供してくれたのだった。もちろん、けっしてソフトな乗り味ではないし、ベースグレードの「S」よりも多少は固められた感触を受けるのも事実だ。だが、クルージング時のフラット感の高さは文句なしだし、荒れた路面でもサスペンションは予想よりもはるかにしなやかにストロークする。

端的に言うと、日常の足として使うにはそれなりの覚悟が必要なボクスター スパイダーに対し、日常シーンで実用車として用いるにも、何のためらいも必要ないというのが、このケイマンRの実力なのだ。

■ポルシェ ケイマンR 主要諸元
●全長×全幅×全高:4345×1800×1285mm
●ホイールベース:2415mm
●車両重量:1295kg(1320)
●エンジン種類:水平対向6 DOHC
●排気量:3436cc
●最高出力:243kW<330ps>/7400rpm
●最大トルク:370Nm<37.7kgm>/4750rpm
●トランスミッション:6速MT(7速DCT)
●駆動方式:リア縦置きRWD
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤ:前235/35ZR19、後265/35ZR19
●当時の税込車両価格:975万円(1022万円)
※(カッコ)内はDCT仕様

[ アルバム : ポルシェ ケイマンR はオリジナルサイトでご覧ください ]

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