お手頃な価格でスリリングな走りに没入できる
クルマに関する2020年の話題を、思い切りさらったのがトヨタGRヤリス。ラリーマシンを想起させるスリリングな走りへ、比較的お手頃な価格で没入できる、小さな和製ホットハッチだ。
【画像】弱点を忘れさせる充足感! トヨタGRヤリスをじっくり写真で 通常のヤリスとGRカローラも 全106枚
AUTOCAR英国編集部でも愛してやまない特別なヤリスは、世界ラリー選手権のホモロゲーション・モデルとしてトヨタが考案。通常のヤリスとの共通点は、プラットフォームとライト類程度といえたが、惜しくもスペシャルステージを走ることはできなかった。
リスクを避け、プロトタイプのままトヨタの博物館へ展示するという選択もあったはず。しかし当時の社長だった豊田章男氏は、量産化を決意。困難を乗り越えて、普段の公道へ舞い降りて来てくれた。この結果へ感謝しているファンは、少なくないだろう。
それから数年が経過した今でも、GRヤリスの人気は留まるところを知らない。お安くはない3ドアのハッチバックでありながら、3万2000台以上が販売されている。
最近、大幅なアップデートを受けたことはご存知の通り。一方でフェイスリフト前の型なら、英国でも2万5000ポンド(約488万円)程度から探せるようになってきた。
ホットハッチの頂点に君臨する能力
ラリー界のヒーローたちが、GRヤリスの開発には携わっている。トミ・マキネン氏とヤリ・マティ・ラトバラ氏、オット・タナック氏、クリス・ミーク氏という4人によって、比類ない内容へ仕上げられた。
前後のトルク分配率を選べる四輪駆動システムに、英国仕様では260psを発揮する1.6L 3気筒ターボエンジンと、引き締まったシャシーが融合。ホットハッチの頂点に君臨する能力を実現している。
路面を問わず、グリップ力は出色。高速道路での安定性も高い。通常は60:40のトルク分配は、サーキット・モード時は50:50に変化。スポーツ・モード時は30:70のリア寄りになり、思い切って振り回すことも可能だ。
「この上ないほど印象的。インタラクティブで魅力的。現代にあって最高の操縦性を叶えていることは間違いありません」。GRヤリスへ初試乗した当時の英国編集部は、その走りを絶賛した。
ホイールベースは短く、トレッドは広く、ボディは軽い。カーブへ鋭く食い込み、最小限の慣性ですり抜けられる。詳細データテストでは満点の結果を残し、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIやホンダ・シビック・タイプRとの比較試乗でもトップに輝いた。
弱点を忘れさせる充足感 迷う必要ナシ?
フェイスリフト前の英国仕様には、2種類があった。コンビニエンス・パッケージでは、18インチ・アルミホイールに街乗り向きのサスペンションを装備し、JBL社製オーディオで快適製を重視。ボディカラーは、レッドとブラック、ホワイトから選択できた。
サーキット・パッケージでは、ハードなフロント・サスペンションとアンチロールバーを獲得。軽量な18インチ・アルミホイールと、ミシュラン・パイロットスポーツ4Sタイヤが組まれ、閉ざされたコースだけでなく公道での戦闘力も磨かれている。
GRヤリスに弱点がないわけではない。特に、後方の視界は褒めにくい。リアシートの広さは子ども向き。車内の遮音性も高いとはいえず、燃費は丁寧に運転しても10.0km/Lを超えれば良い方。それでも、それらを忘れさせる充足感で応えてくれる。
アップデート後のGRヤリスは、英国では4万4250ポンド(約863万円)からという高額になってしまった。これと比べると、初期型の中古車のお買い得感はかなりのもの。好バランスなモダン・ホットハッチをお探しなら、迷う必要はないのではないだろうか。
新車時代のAUTOCARの評価は?
アクセルペダルを踏み込めば、恐ろしいほど速い。低速域での一体感は、もう少し高くても良いかもしれないが、ヒーロー級といえるドライバーズカーだ。
すこぶる楽しく、価格はお手頃。こんな最高のクルマを作れるメーカーは他にない。味わっておく価値がある。(2021年3月3日)
オーナーの意見を聞いてみる
ネイサン・ビークロフト氏
「GRヤリスで最初に驚いたことは、運転のしやすさ。シートは座り心地が良くて、基本的に快適なクルマです。アダプティブ・クルーズコントロールも、自分が乗ってきた中では最も有能だと思います」
「燃費は、一般道が中心で10.5km/Lくらい。高速道路を長距離走らせれば、14.5km/Lくらいには届きます。改造車には注意した方が良いでしょうね。チューニングパーツのブランドや、取り付け状態も確かめておく価値はあると思います」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
1.6L 3気筒ターボエンジンは、ブースト圧が上昇しなくなることがある。ブーストセンサーとソレノイドの交換で、解決することが多い。しっかりエンジンを温めて、滑らかにパワーが発生するか試乗で確かめたい。
チューニングされている場合は、その内容を確認したい。部品のブランドや、保証状態も可能な限り調べたい。
トランスミッション
初期の6速マニュアルは、1速から2速、2速から3速へのシフトアップが滑らかでない場合がある。充分に温まらない状態で、積極的に変速され続けてきた結果といえ、内部が傷んでいる可能性がある。ディーラーでのリビルドが、唯一の解決策だろう。
インテリア
サーキット・パッケージのノーマルスピーカーは音が悪い。多くのオーナーは、フォーカル社製など社外品に交換している。ドアの内側へデッドニング材を貼ることで、音質は改善できる。
内装は傷が付きやすい。フロントピラーとダッシュボード、グローブボックス、ドアパネルなどは、走行時にガタガタ音を出しがち。
ボディ
フロントバンパーとボンネット、リアフェンダーなどは飛び石による傷が付きやすい。保護フィルムを張るのも一手といえる。フロントガラスも飛び石傷をもらいがち。
プラスティック製のフロントグリルは割れがち。その奥にあるインタークーラーが破損すると、更に高額な修理になる。基本的に部品は通常のヤリスと異なるため、費用を安く抑えることは難しい。
知っておくべきこと
GRヤリスは、英国では9600km毎での点検・整備が推奨されている。トヨタの正規ディーラーへ作業を頼んでいる限り、10年間か16万kmを超えるまで、1年毎に保証が更新される。サーキットを走らせても、英国では保証が無効になることはないそうだ。
英国のチューナー、リッチフィールド社は、最高出力を304psへ高めるチューニング・パッケージを提供している。サスペンション・スプリングと調整式ダンパーも組まれる。エンジンオイルは0W-16や0W-20ではなく、0W-20 GF-6Aグレードを選びたい。
英国ではいくら払うべき?
2万4000ポンド(約468万円)~2万8999ポンド(約565万円)
走行距離に幅はあるが、トヨタのディーラーで整備を受けてきたワンオーナー車が、英国では見つかる価格帯。廃車状態のものも売られているが、避けた方がベターだろう。
2万9000ポンド(約566万円)~3万2999ポンド(約643万円)
走行距離の短い初期型GRヤリスを、多数の選択肢から選べる。状態の良い例は少なくない。改造されている場合は、その状態を良く確かめたいところ。
3万3000ポンド(約644万円)~3万7999ポンド(約740万円)
走行距離が2万5000km以下という、好条件なGRヤリスを英国では選べる価格帯。エンジンとサスペンションへ、大幅に手が加えられた車両も含まれる。
3万8000ポンド(約741万円)以上
フェイスリフト前の最終ラインが売られている価格帯。リッチフィールド社によるチューニング仕様も含まれている。
英国で掘り出し物を発見
トヨタGRヤリス・サーキット・パッケージ(英国仕様) 登録:2021年 走行距離:7万2400km 価格:2万4900ポンド(約486万円)
年式の割に走行距離は長めだが、ワンオーナー車で、状態は完璧だと主張されている。メンテナンスの履歴はしっかり残っている。トヨタの正規ディーラーへ、9600km毎に預けてきたとのこと。早い者勝ちだ。
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