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トヨタ・スープラは純粋なエンジン車として最後のスポーツカーになる?

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トヨタ・スープラは純粋なエンジン車として最後のスポーツカーになる?

■2030年度の新燃費基準を満たすには6気筒で23.5km/Lの燃費を実現することが必要

トヨタがBMWとの協業によって生み出した2シーターのFRスポーツカー「スープラ」。TOYOTA GAZOO Racingのスポーツカーシリーズ「GR」初となるグローバルモデルの証として「GRスープラ」として展開していることも話題です。そして、チーフエンジニアである多田哲哉さんと新型スープラを見ながら立ち話をしていたとき、「これが純エンジン車としては最後のスポーツカーになりますよ」と多田さんがおっしゃられたことは、鮮明に記憶に残っています。スープラが進化するとしても電動化は避けられないというだけでなく、トヨタとして純エンジン車のスポーツカーを作ることはないだろうという決意を感じさせる発言だったからです。

新型スープラ公道試乗。必ずしも上級グレードが良いわけではない理由

そんな会話をしてから一か月ほど経った頃、国土交通省から「乗用車の新たな燃費基準に関する報告書」が発表されました。2030年度の新燃費基準推定値はWLTCモードで25.4km/Lと発表されています(新基準の実施については法改正後に決定する予定)。燃費基準については従来通りにCAFE方式といって企業別平均燃費基準での数値ですから、多少燃費の悪いスポーツカーがあったとしても量販するハイブリッドカーなどで企業平均燃費を引き上げればいいという面もあります。それにしても25.4km/Lという基準値は一気に引き上げられたという感が強いものです。純エンジン車のスポーツカーが生き残る余地はないというのも納得の厳しさです。

さて、新しい燃費基準であっても重量によって目標値は変わってきますが、この報告書では重量ごとの燃費基準を導く計算式も公表されています。『30.65』という数値を基準として、そこから重量を二乗して係数をかけて数字と重量と係数をかけた数字を引くことでターゲットとなる燃費基準を算出するというものです。では、新型スープラと2030年度の新燃費基準と実際のカタログデータ(いずれもWLTCモード値)は、どのくらい離れているのでしょうか。参考までにグレードごとの数値を計算してみました。

グレード|車両重量|カタログ値|2030年度基準値(独自計算値)
RZ(6気筒ターボ)|1520kg|12.2km/L|23.5km/L
SZ-R(4気筒ターボ)|1450kg|12.7km/L|24.2km/L
SZ(4気筒ターボ)|1410kg|13.1km/L|24.5km/L

見ての通り、全モデルでターボエンジンを搭載する新型スープラは、その消費燃料を半減させなければ新燃費基準をクリアできないレベルにあります。CAFE方式というのは、『燃費基準対象車両の燃費値を出荷台数で加重調和平均した値』ですからプリウスやアクアといった燃費スペシャルカーがあるトヨタにとってはスープラの燃費を吸収できるでしょうが、それにしてもあまりにもかけ離れた数字です。

こうして一層厳しくなる燃費基準を考えると、たしかに多田さんがおっしゃるように、純エンジン車のスポーツカーをトヨタがリリースするというのは、どんどん難しくなっていきそうですし、スープラが最後になるという発言にもリアリティを感じます。スープラに限らず純エンジン車のスポーツカーを手に入れるなら、ここ数年がラストチャンスになるのかもしれません。

とはいえ、燃費や排ガス規制によって純エンジン車のスポーツカーを販売するのが難しい世の中になったからといってスポーツカーがなくなるという意味ではありません。すでに、GAZOO RacingではWECマシンに出場するためのスポーツカーを開発しています。そのパワートレインはハイブリッドシステムながら1000馬力級になるということです。もっとも、価格は1億円とも噂されるスーパースポーツであり、販売台数的はごく僅かとなるでしょうから、燃費規制を気にするような性格のクルマではないかもしれませんけれど……。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

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