この記事をまとめると
■自販連と全軽自協から2024年7月単月締めでの車名別新車販売ランキングが発表された
ジムニーなんて発売から6年も経ってもまだ1年待ち! ランクルは受注停止! 人気のクロカンSUVがいつまで経っても買えないワケ
■ホンダN-BOXがトップだがスペーシアの新モデル投入で状況が変わる可能性がある
■登録車ではトヨタが快進撃を続けている
N-BOXが崖っぷち!?
自販連(日本自動車販売協会連合会)から登録車、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から軽自動車、それぞれの2024年7月単月締めでの車名(通称名)別新車販売ランキングが発表された。登録車ランキングに軽自動車ランキングを合算(含軽統計)すると、販売トップはホンダN-BOXとなった。
ただし、過去の7月単月の販売台数と比較すると、2023年7月比約92%、2022年7月比約96%、2021年7月比約97%、2020年7月比約101%、2019年7月比約68%、2018年7月比約83%となっている。つまり、2021年7月比以外はすべて100%を下まわっていることになる。なお、2023年7月までは先代型の販売台数となる。現行型は2023年10月に正式発売となっており、販売傾向としては2024年7月は波に乗っていてもいいはずなのだが……。
N-BOXの現状は、よほど仕様にこだわらない限りは、納車までにかかる時間はかなり短い。先日、ホンダと子会社関係にあるホンダ系正規ディーラーである「ホンダカーズ店」へ行くと、商談テーブルに標準、カスタム合わせて6タイプほどについて、それぞれかなりの台数が「即納可能」として紹介されていた。
供給状況に問題はないので、約2.4万台を販売した2019年7月レベルとはいわないものの、2018年7月実績の2万台ぐらいには2024年7月も乗せてきてもいいように思う。2019年7月は2位のモデルに1万台ほど差をつけてトップとなっている実績もある。しかし、2024年7月は2位のスズキ・スペーシアとの差は3427台となっていた。
スズキはすでに、スペーシアの派生車種となる「新型スペーシア ギア」の正式発売前ティザーサイトの公開を行っている。つまり、新型スペーシア ギアの発売が間近ということになる。先代モデルが発売されたときの月販目標台数が2000台なので、新型スペーシア ギアの売れ行き次第では、首位N-BOXに肉迫するどころか、トップを奪う月も出てくる可能性がかなり高まってきている。
N-BOXは、供給体制がダブつき気味なだけではなく、すでにナンバープレートだけをつけた未使用の中古車、つまり「届け出済み未使用中古車」が、中古車販売店などに出まわっているので、スペーシアが迫ってきても、過去のようにドカーンと自社届け出(販売先のない新車にナンバーをディーラー名義などでつけて、販売台数の積み増しを行うこと)をして思い切り差を引き離すことはできない。
ダイハツ・タントの勢いが戻りつつあるが、スペーシア ギアがタント ファンクロスや、三菱デリカミニを検討しているユーザーの囲い込みに成功できれば、スペーシアが軽自動車販売でトップを獲るのはそんなに難しくない状況になっていくかもしれない。
登録車では依然としてトヨタが有利
登録車ではカローラシリーズがトップとなっている。ちなみに、セダンとツーリングは、本稿執筆時点でも年内納車が可能なほど納期も短めとなっている。そのほかのモデルでも、半年程度見ていれば納車が十分期待できるので、販売現場でも「売りやすいモデル」として積極的に販売促進活動が行われているようである。
登録車トップ常連のヤリスは、7月時点では出荷停止が続いており、本稿執筆時点でもそれが継続しているだけではなく、ハッチバックの「ヤリス」も新規受注停止となっているので、しばらくはカローラ首位の傾向が続くかもしれない。
含軽ランキング7位のルーミーは、10月にディスプレイオーディオ採用などの一部改良を行うので、ラストスパートに入ったと見ていいだろう。本稿執筆時点では、まだ現行モデルが新規受注停止とはなっていないようなので、オーダーを入れられれば狙い目車といえる。
新型ホンダ・フリードは6月末デビューなので、7月は初の1カ月フル販売となった。ライバルのシエンタとの販売バトルは約3000台差でシエンタの勝利となった。シエンタの納期は本稿執筆時点では2024年11月以降と、トヨタ車のなかではかなりの短納期となっている。一方、販売現場で聞くと新型フリードは納車まで1年待つとのこと。
シエンタ、フリードともに現役子育て世代の移動手段としてのニーズが高い。つまり、見た目や走行性能、ブランドといったことよりも、いかにお買い得感が高く、納期が短いかが購入車種決定の優先事項となることが多い。その点では納期がかかり、シエンタに対し割高感も目立つ新型フリードが、若干不利ななかで販売対決が行われているといっていいだろう。
極めて珍しいといえるのが、登録車のみのランキングでトヨタ・ランドクルーザーが7299台を販売して7位に入っていること(含軽統計では14位)。これは自販連統計では300、250、そして70シリーズが合算されていることが大きい。といはいえ、ランドクルーザーという、車名(通称名)が上位に入ってくるのはいままではなかったことだ。
8月上旬段階でホンダはすでに、2024年9月、つまり2024事業年度締め(2024年4月から2025年3月まで)での、上半期末半期決算セールに向けかなり気合の入った売り込みをしている。人気車の多くでは短期間で納車可能な在庫車を多く抱えているので、ホンダが半期決算セールの台風の目になることは間違いないようである。
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みんなのコメント
初代と比べて新鮮味が全く無い。
新型ご祝儀で、そこそこ売れるだけでしょうね。