クロカンブームに乗って一世を風靡した日産 テラノは、2000年代に日本での販売を終了していた。その名は現在どうなっているのかを追った。
累計生産台数100万台を突破した日産テラノ
1980年代後半から日本の自動車業界で一大旋風を巻き起こしたクロカン(RV)ブームは、国産車メーカーのラインアップを増やす要因にもなっていた。その火付け役は三菱パジェロだとする声が強いものの、当時はトヨタ ハイラックスサーフやいすゞ ビッグホーンなど人気モデルも数多かった。
すべてのクルマが運転できる。フルビット免許とフル免許って、いったい何だ!【くるま問答】
そんな中、日産から販売されていたのが「テラノ(TERRANO)」だ。1986年にデビューして1995年まで販売された初代(WD21型)は、当時先行していたライバル、パジェロやランドクルーザーワゴンなどとは異なる曲面を多用したエクステリアデザインで、ボディ高も低く抑えたスタイリッシュなものだった。さらに、ロールバーをイメージさせるBピラーやサイドウインドウのレイアウトなどは、当時の若者「新人類」層を魅了した。
ちなみにテラノの源流はダットサントラックで、トヨタ ハイラックスサーフと同じくピックアップトラックをベースにしたモデルである。本格オフローダーとは異なり、乗用車感覚で運転できるという点もウケたという。デビュー時3ドアのみだったラインアップも、1989年に5ドアを追加。
スタイリッシュなクロカンというコンセプトはそのままに、1995年9月には第二世代(R50型)にバトンタッチ。翌1996年には獅子座にちなんだサブネームを持つ「テラノ レグラス(REGULUS)」を新設するなど、上級志向に路線変更を図っている。この頃からすでに日産ではSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)という言葉を使いはじめたようで、当時のプレスリリースにも記載されている。
そして1998年7月17日、日産はテラノの累計生産台数100万台を突破したと発表。初代の登場から数えて11年11カ月での達成となった。単純計算で約7000台/月を生産したことになる。ただしこの頃…1990年代後半にはすでにクロカンブームは収束ししはじめていたこともあり、2002年に生産を終了。以降、後継モデルが登場することはなかった。と、ここまではすべて日本市場向けモデルの話である。
日産パスファインダーがテラノの正統後継モデルであるのだが…
一方、北米やアジアなどの海外では開拓者や先駆者を意味する「パスファインダー(PATHFINDER) 」として、初代・2代目が日本で途絶えた後も販売されていた。これはわりと知られた話で、3代目(R51型)・4代目(R52型)ともに海外専売モデルとして大型化、さらに3列シートを用意して需要に応えている。
現行モデルの全長5042×全幅1963×全高1765mm(インチ表記を換算)というサイズは、北米のSUVラインナップの中で最も大きな「アルマーダ(Armada)」に次ぐ2番手のものである。約288ps・約351Nmを発生する3.5L V6 DOHCの「VQ35DD」エンジンを搭載し、CVTが組み合わされている。ちなみに価格は3万1430ドル~であり、円換算すると約351万円。思ったよりもお買い得モデルなのかもしれない。
そう、過去のクロカンブームを牽引した「テラノ」はもう消滅してしまった…そう思っていたら、実は意外な国で世代交代していることがわかった。それが、2018年の国別新車販売台数でドイツを抜いて4位にランクインしたインドである。
なんと、ここでテラノは約100万~150万ルピー、…約165万~240万円という価格で販売されているのだ。ボディサイズはおおよそ、エクストレイルとジュークの中間、全長4331×全幅1822×全高1671mmで、日産キャシュカイ(https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17151855)に近い。
搭載されるエンジンは出力違いも含めて3種類あり、1.5L 直4ディーゼルターボ(85ps/200Nm・110ps/245Nm)と、1.6L 直4ガソリン(104ps/148Nm)で、5速MTもしくは6速AMTが組み合わされて、いずれも前輪駆動となるようだ。(ロシアで4WDも販売されていることがわかった)
3分割形状のVモーショングリルと大きなヘッドライトは、2000年代の日産車を思わすちょっと古めのデザインで、インテリアも含めてシンプルにまとめられている。その中でもちょっと気になったのが、ハンドルにあるクルーズコントロールのスイッチやオーディオコントローラーの形状だ。ルノー車によく似ている。
調べてみるとこのクルマ、ルーマニアの自動車メーカーでルノーグループの一員であるダチアの初代ダスター(Duster)をベースに、意匠変更したモデルのようだ。ちなみに2018年には2代目にフルモデルチェンジし、欧州を中心にダチア・ルノー両ブランドから販売されているという。近いうち、インドの日産 テラノも切り替わるかもしれない。
インドといえば日本と同じく左側通行で、右ハンドル仕様車が主流の国だ。もちろん販売されているテラノも右ハンドル。これはもしや、SUVブームの波に乗ってインドからテラノが海を渡ってくる…なんてことはなさそうだ。
※海外モデルの価格はすべて2019年3月15日現在のもの
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
全長9m! 2000万円級のいすゞ「新型モデル」発表! 6速AMT搭載で「豪華仕様」も設定! 機能向上した「新ガーラミオ」発売
スバル新型「スポーツ“セダン”」公開! MT採用&パフォーマンス重視設定がイイ! 羨ましすぎる水平対向エンジン搭載モデル! 米に登場の「WRX tS」はどんなクルマとは
日産 新型「“3列7人乗り”ミニバン」初公開に大反響! 全長“5m”級&大開口スライドドア! 利便性バッチリな「エヴァリア」フランス登場! 日本販売熱望の声も
名古屋から豊橋まで無料でノンストップ! 国道23号のバイパス「名豊道路」がもうすぐ全線開通。
罰金“計180万円”!? 「“ニセ”ナンバー」で暴走行為! 課せられる「罪」の重さは想像以上! 偽装ナンバーの見分け方とは
スタイリッシュな新型「4ドアセダン」発売! 1000台限定で「495万円から!?」 日本の道で試したBYD「SEAL」の実力とは
アクセルを戻せば減速する……のはわかる! でも説明しろと言われると悩むエンジンブレーキの「仕組み」とは
【跳ね馬4ドアモデルが受賞】 工業デザイン分野の権威ある賞に「フェラーリ・プロサングエ」
600馬力! プーチン大統領の「すごい高級車」登場! 約7トンの「巨大ボディ」に驚きの声も! 金正恩氏に贈られた“超高級車”「アウルス セナート」に反響!
フェラーリ初のSUV「プロサングエ」買うなら年収はいくら必要? 価格未公表の「超人気モデル」を手に入れるために“お金よりも必要なもの”とは?
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?