■コロナ禍による操業停止から一転、各業界で半導体の奪い合いに
いま、半導体不足が自動車業界に大きな影響を及ぼしています。
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この問題は2020年後半から2021年にかけて明るみになりましたが、それから1年近く経ったいまでも、解決は見通せていません。
たとえばトヨタは、2021年9月10日に、9月および10月の生産計画見直しを発表しました。
その要因として「東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大の長期化」とともに「半導体逼迫の影響」を要因として挙げています。さらに同年10月15日におこなわれた11月の生産計画についての発表でも「半導体逼迫の長期化も見据える」とし、問題解決がさらに長引くことを示唆しています。
またメルセデス・ベンツの2021年第3四半期(7月から9月)は、前年同期比マイナス30.2%の42万8361台、BMWグループ(BMW、MINI、ロールスロイスなど)は、前年同期比マイナス12.2%の59万3189台と、日本メーカーだけでなく海外メーカーも同様の理由での生産台数の縮小を余儀なくされています。
ではなぜ半導体がいま、不足しているのでしょうか。
その前に「半導体とは何か」について、簡単に紹介したいと思います。
物質は、電気を流す「導体」、流すことができない「絶縁体」、そして条件により電気を流すことができる「半導体」に分かれます。
この半導体に別の物質を混ぜ、組み合わせると、電気を増幅したり、整流したり、さらには超小型のスイッチとして使うことができます。その性質を利用し、薄くスライスした半導体の上に細かい電子回路を配置し、データを記憶したり、演算したりする機能を持たせたものが「IC(集積回路)」です。
このICの発明により、電子部品の小型化は加速度的に進み、それが電化製品の小型化、高性能化につながりました。テレビが薄型化しつつ価格低下したのも、手のひらに収まるスマホが高性能化したのも、すべてこのICのおかげなのです。
そして現在“半導体”という言葉は、物質そのものではなく、ICなど半導体を使う「半導体部品」全般を指すことが一般的となっています。つまり現在、問題となっている「半導体不足」とは、「半導体部品不足」なのです。
では今、なぜ半導体が不足しているのでしょうか。
その発端は、コロナ禍での半導体関連工場の操業停止や、物流の停滞でした。そうした供給側の問題に加え、コロナ禍で“巣ごもり需要”が発生、テレワークのためのPCやウェブカメラ、自宅で楽しむ娯楽としてのゲーム機や大型テレビなど、半導体を使う機器の需要が拡大しました。この供給と需要の双方の事象が引き金となり、「半導体が足りない」という事態になったのです。
■今後は日本の半導体産業の復権も課題となる
現代のクルマは、エンジンの制御はもちろん、テレマティクス、安全運転支援装備、快適装備に至るまで、あらゆる部分で半導体が使われています。
自動車もコロナ禍で一時期は需要が停滞しましたが、2021年に入り、予想以上に早い回復を迎えることになります。ところがそこに半導体不足が直撃、生産の足を引っ張ることになったのです。
もちろん、「足りなければ、増産すればいいのではないか」と疑問を持つ人も多いでしょう。
ところが半導体は、原料の輸入から製品化まで数多くの工程が必要で、すぐに増産できるわけではありません。またそれぞれの工程に特化した専門の事業者がかかわっていることも、増産要求に即応することが困難な理由であるとも考えられます。
では自動車メーカー各社は、販売の現場でどのように対応しているのでしょうか。
生産計画の変更で、納車が遅れる場合は、そのむねを顧客に説明して理解してもらうこととなります。しかしクルマそのものは生産できるのに、装備品に影響が出る場合もあります。
2021年10月7日に新型「アウトバック」を発売したスバルでは、「一部のアクセサリー用品のご注文を一時停止させて頂く場合や、納車時点での取り付けが出来ず、一定期間お待ち頂く場合がございます」としています。
また一部の輸入車メーカーでは、本来標準装備となっている電動バックドアのフットセンサーやLEDヘッドランプが調達できないため、その分を値引きしての販売をおこなっているとのことです。
もちろん、経済産業省もこの問題を見過ごしてはいません。
2021年6月に発表したレポート「半導体戦略(概略)」では、半導体は今後の産業の発展を支える重要な基盤との認識を示しつつ、1988年に世界シェアの50%超を占めた日本の半導体産業が、2019年には10%まで凋落した要因などを詳しく分析し、「経済安全保障」の観点から今後の国内生産の強化、先端技術の研究などを打ち出しています。
“産業の米”ともいわれる半導体は、今後もその重要性がいっそう高まるはずです。このピンチをチャンスにして、日本の半導体産業の復権を願いたいところです。
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みんなのコメント
現在ではエンジンの燃料噴射のタイミングを制御する部分にも使われているのでは??
情報が古過ぎる。