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ヤマハに新たなSS登場へ!! 150万円切りで登場なるか? 大注目の「R9」の全貌を徹底解説

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ヤマハに新たなSS登場へ!!   150万円切りで登場なるか? 大注目の「R9」の全貌を徹底解説

 2022年2月に当Webでスクープした新型スーパースポーツ「YZF-R9」の続報をキャッチ。既に試作車が存在し、商標登録も済ませていることが判明した。

 発売に向けて秒読み段階かと思いきや、残念ながら登場時期は「延期」になる模様! 一体どうなっているのか、現状を解説しよう。

ヤマハに新たなSS登場へ!! 150万円切りで登場なるか? 大注目の「R9」の全貌を徹底解説

文/ベストカー編集部、CG/SHINGRAPHIC

2気筒のYZF-R7に続く上級モデルをヤマハがスタンバイ!?

 今年2月に発売されたYZF-R7に続き、ヤマハが翌年にも「新作スーパースポーツを発売する」との噂を報じたのは半年前。新たに登場が予想される新型の「YZF-R9」は、YZF-R7よりさらに上級者を狙ったモデルと考えられる。

 YZF-R7は、ネイキッドのMT-07をベースにフルカウルと専用の足まわりを与えたモデル。688cc並列2気筒エンジンは73psと控えめな性能ながら、扱い切れるパワーと軽量スリムな車体で、気軽にスポーツできるフレンドリーさが魅力だ。

 価格も税込みで100万円を切り、200万円超がザラのリッタースーパースポーツよりも断然買いやすい価格帯としている。

 そして新型YZF-R9のベース車は、YZF-R7と同様にネイキッドのMT-09と予想される。883cc並列3気筒はハイパワーな120ps。車体もMT-07より剛性の高いアルミフレームを採用し、車重もMT-07からわずか5kg増の189kgと軽量。さらに電子制御デバイスも豊富で、MT-07よりハイレベルな走りが可能だ。

 YZF-R7でスーパースポーツ(SS)モデルに入門し、ゆくゆくはYZF-R9にステップアップしてほしい、そんなヤマハの狙いが見える。さらにその上には、YZF-R1というハイエンド機が控えているのだ。

 ちなみにYZF-Rシリーズには、250ccのYZF-R25、320ccのYZF-R3も展開中。現在、国内では未発売ながら海外にはYZF-R15、YZF-R125も存在する。 YZF-R9を投入することで、2020年に生産終了したYZF-R6の穴を埋め、ビギナーからエキスパートまで楽しめる一大ラインナップが完成するのだ。

YZF-R9の予想CG(制作は編集部)。3気筒のMT-09をベースにフルカウル化したため、車体はYZF-R7よりボリューム感がある。基本設計はアッパーミドルSSとして十分な性能だ

試作車が存在し、日本や欧州での商標登録も完了していた!

 既にヤマハ社内には「YZF-R9の市販版に近い試作モデルが存在する」(情報筋)らしい。さらに、日本では「YZF-R9」の商標も登録済みだ。

 特許情報によると、ヤマハは2021年2月10日に「YZF-R9」の商標を出願。同年 11月 30日に商標登録されている。

 また、欧州でも「R9」の商標を登録済み。国内より遅れて2021年8月3日に商標を出願し、2022年3月15日に認証された。

 欧州ではYZFシリーズを「R」の名称で販売している。YZF-R1は「R1」、YZF-R7は「R7」といったネーミングで、「R9」はYZF-R9を意味する。

 商標登録されたからと言って、確実に市販化されるとは限らないが、YZF-R9が着々と発売に向けて動いている可能性は高いだろう。

 ちなみに日本国内ではYZF-R9と同時に、「YZF-R」の商標が多数登録されている。既存のYZF-R1、YZF-R7(商標出願の時点では未発売)のほか、まだ存在していない「YZF-R2」「YZF-R4」「YZF-R5」「YZF-R8」「YZF-R20」も同時に出願されている。

 この中で発売が噂されているのはYZF-R9のみだが、400ccのR4、YZF-R7の排気量アップ版であるR8など夢が膨らむ……!

日本国内では2021年2月10日に「YZF-R9」ほか、多数のYZF-Rシリーズの商標を出願。シリーズに懸けるヤマハの意気込みが感じられる?

残念ながら部品生産の遅延で登場が1年後ろ倒しになる?

 2022年2月、当Webで掲載したYZF-R9の第一報では「2023年発売」との情報だったが、どうやら「2024年発売」にズレ込んだ模様。当初のシナリオでは今年秋に発表、翌2023年に発売のスケジュールだったと思われるが、1年先延ばしの2024年発売になるようだ。

 理由は、やはり昨今の世界状勢による部品不足や材料調達の遅延。二輪四輪メーカーをはじめ様々なモノづくりの現場で、コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻などによる部品の生産遅延や、世界的な物流の混乱による部品の入荷遅延が生産に影響している。

 中には生産性が回復しつつあるバイクメーカーもあると聞くが、ヤマハほか多くのメーカーは生産スケジュールが遅れる一方のようだ。

 また、2022年11月から平成32年度(令和2年度)排ガス規制が全面適用される。規制に対応していないモデルは、10月末までしか生産できなくなるため、新型より従来モデルの生産を優先した可能性も考えられる。

 発売が遅れたのは残念だが、2023年秋に開催予定の東京モーターショーでYZF-R9が披露され、翌年発売される――。そんな未来を夢見たい!

7月21日に発売予定だったホンダのダックス125も発売延期に。部品の生産遅延や入荷遅延によって生産に影響が生じているという。7月末日現在、発売日は未定のままだ

YZF-R9は3気筒ながら、駿足YZF-R6に匹敵する軽量ハイパワーか

 最後にYZF-R9のパフォーマンスを予想したい。

 MT-09は2014年の初代デビュー以来、まるで2ストロークのようなロケット加速が話題を呼んだ。

 この過激な特性は2021年にフルチェンジを受けた現行型でさらに強化され、最高出力は4ps増の120ps、最大トルクは0.6kg-m増の9.5kg-mにアップした。怒濤の加速感は、1980年代に“ナナハンキラー”と呼ばれた2ストロークのヤマハRZ350を個人的に彷彿とさせるほどだった。

 このエンジンはレーシーなSSと相性抜群のハズだ。さらにMT-09は、YZ-R7やMT-07にはない6軸IMU(慣性サンサー)とトラクションコントロールなど電子制御サポートが豊富で、まさにSS向き。足まわりに関しても、MT-09SPはKYB製φ41mm倒立フロントフォークとオーリンズ製リヤショックの豪華な足まわりをあらかじめ備える。

 2020年に生産終了した直列4気筒ミドルSSのYZF-R6と比べると、パワーは3気筒のMT-09の方が+1.6ps。さらにYZF-R6は600SSらしく高回転重視の出力特性で、下のトルクが薄めだったが、MT-09は低速から全域でパワフルだ。

 さらに軽さもほぼ同等。MT-09の車重は189kgと非常にライトウェイトで、フルカウルをまとったとしても軽さは維持できるはずだ。ちなみにYZF-R7の場合、ベースのMT-07から+4kgの188kgに収まっている。

 MT-09からカウルなどを与えて+4kgとした場合、193kg。これはYZF-R6の190kgと比べても遜色ない軽さと言える

 気筒数に違いはあれど、最上級のYZF-R1に次ぎ、YZF-R6の後を継ぐモデルとしてYZF-R9は活躍するハズだ。今はとにかく早期の登場を祈りたい!

三車のスペック比較。MT-09のスペックはYZF-R6に匹敵し、大排気量とあってトルクの差が圧倒的。YZF-R9はR6の穴を埋める存在になるはずだ。価格は150万円は切って欲しい!

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