<基本設計は共通でも、明らかに一クラス上のボディサイズ>
スバルを代表するモデルといえば「レガシィ」という時代は長く続きましたが、いまやセダンのレガシィはなくなり、ステーションワゴンは「レヴォーグ」にその座を譲っています。レガシィの名が残るのはSUVフラッグシップの「レガシィアウトバック」だけで、それも北米から2年遅れでようやく日本仕様が登場したのはご存知の通りです。
新型スバル「レガシィ アウトバック」公開 1.8L水平対向直噴ターボ搭載、全方向ボディサイズ拡大
では、このたび発表されたレガシィアウトバックは日本市場におけるフラッグシップにふさわしいのでしょうか? 現時点では価格が未公表でが、発表されているスペックから確認してみましょう。
まずはボディサイズ。新型レガシィアウトバックは全長4870×全幅1875×全高1675mm(リミテッドEXグレード)となっています。これはレヴォーグに対して、全長で115mm、全幅で80mm、全高で175mmも大きく、フラッグシップと呼ぶにふさわしい体躯でしょう。
ホイールベースも2745mmで、これはレヴォーグの2575mmよりも170mm長くなっています。プラットフォームの基本設計やフルインナーフレーム構造といったボディ設計技術はレヴォーグと共通していますが、明らかに一クラス上のディメンションとなっていることがわかります。
<フラッグシップ用としてはやや物足りないエンジンスペック>
一方、エンジンはレヴォーグで初搭載された1.8L 水平対向 ガソリン直噴ターボ「CB18」型エンジンを搭載。最高出力130kW(177ps)、最大トルク300Nmは共通ですが、車両重量が1680~1710kgとレヴォーグより100kg以上重く、タイヤサイズも異なるため、最終減速比はローギヤードに仕上げられています。
このCB18型エンジンはスペックからすると2.5L自然吸気エンジンのダウンサイジングターボ版といえるもの。従来のレガシィアウトバックと同等以上のパフォーマンスをもつことは理解できますが、北米仕様は2.4Lターボを設定していることを思うと、少々物足りなく感じるかもしれません。
そうです、新型レガシィアウトバックがスバルのフラッグシップとしてふさわしいかどうか疑問に感じるのは、このエンジンスペックにあります。
レヴォーグやフォレスターと同じスペックなのはいいとしても、最高出力については2.4L NAエンジンを積むスポーツカーの「BRZ」の173kW(235ps)に大きく負けています。BRZは自然吸気エンジンなので、さすがにターボ過給で最大トルク240Nmを絞り出すレガシィアウトバックには敵いませんが、現時点でのスバルのラインナップにおける、もっともパワーのあるクルマがBRZであるのは事実です。
<車格や装備は文句なしだが、北米仕様の2.4Lターボが欲しい>
ちなみにBRZは全長4265mmのコンパクト2ドアスポーツカーで、駆動方式もFRとスバル伝統のAWDではありません。日本のラインナップでスバル最高出力を誇る、という点で言うと、スバルファンには懐かしい「アルシオーネSVX」に近いポジションかもしれません。とくにアイサイトを備えたBRZのATモデルはグランドツアラー的な使い方にも適しているのではないでしょうか。
…話をレガシィアウトバックに戻すと、車格はもちろんのこと、新世代アイサイトに加えて手放しや自動追い越しを可能とする高度運転支援システム「アイサイトX」を標準装備する点でも、日本ではレガシィアウトバックがフラッグシップであるというのは間違いないところです。これで北米仕様と同じ2.4Lターボが積まれれば、有無を言わせぬフラッグシップモデルとして、誰もが認める存在になることでしょう。
日本での使い方を考えれば1.8Lターボで十分だとしても、フラッグシップには大パワーを求めたくなるのがクルマ好きというもの。電動化時代には古い考え方なのでしょうか…。
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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みんなのコメント
ビッグなSUV
こういうのがいいんだよね