今年いちばんのクルマ
トヨタ ランドクルーザー70|Toyota Land Cruiser 70
2024年に登場したなかで、予想以上によかったのが「トヨタ・ランドクルーザー70」。世界中のオフロードで見かける隠れたベストセラーが、日本で再発されたのだ。
「ランクルナナマル」は、ラダーフレームにリジッド式サスペンションで、オフロードでの走破性と快適性の両立をはかったモデル。今日びここまで本格的なクロスカントリー4WDは、あとは小回りのきくジムニーにしかない(スズキの鈴木修元会長のご冥福をお祈りします)。
新車であって新車でない。「ナナマル」は1984年に発売されて、24年で40年。しばらく日本での販売は休止だったが、今回クリーンディーゼルエンジンを得て、セールスが再開された。
古いかなとかラフかなと思って乗ってみたところ、予想に反して万能選手。オートマチック変速機との相性もよくて、町中でもなかなか快適だ。なによりいいのは、操縦のよろこびがあること。加減速とか操舵とか、ひとつひとつの操作をていねいにやると、スムーズに走れて、そこにドライバーとしての満足感がある。
メルセデス・ベンツGクラスはほとんど乗用車感覚で運転できるようになってしまっただけに、むかしのGクラスやディフェンダーと呼ばれる前のランドローバーに興味があるひとには、新車で買えるナナマルを勧めたい。
こういうクルマを堪能できるのは、むしろあるていど年齢を重ねてからかもしれないけれど、後席も視界がよくて4人とかで遠出する機会が増えるという点では、行動力のある若いひとにも勧めたい。当初はベストとしてレクサスGXをと考えたが、ナナマルの480万円に対してGXは1235万円なので、後者は大人になったらの楽しみとしてとっておきましょう。
嶋田智之が選ぶ今年の1台は「ミニ クーパー」<span>━━</span>【若者はこれに乗れ! KURU KURAカー・オブ・ザ・イヤー2024-25】
ドライブデートしたいクルマ
ミニ エースマン|MINI Aceman
運転席と助手席は近いのに、乗員の心情からすると何マイルにもおよぶギャップがあいだにある。というのは、助手席のひとは運転という楽しみがないから。
ドライブデートでのもてなしといえば、車中の時間はかなり重要。そこで最新世代のミニ・エースマンはいい。なにしろ、インテリアは凝りに凝っている。素材といいデザインといい、これクルマ? というぐらい、ぶっとんでる。
しかもオーディオは演出効果もばつぐん。音もいいが、それ以上にビジュアルがいい。円形のモニターにレコードがゆっくり(10rpmぐらいかな)まわっているディスプレイはおもしろがってもらえるはずだし、そこに指をあてて前後にこするとキュキュッとスクラッチ音まで。助手席も退屈させないクルマなのだ。
家族でお出かけしたいクルマ
プジョー リフター ロング|Peugeot Rifter Long
機能主義的なクルマを作らせると欧州はやっぱりすごい。マジメだ。7人乗れて、1.5リッターなのにディーゼルエンジンは力不足も感じさせず、どこへでも行けてしまう。
2列めシートも椅子のようにしっかりしたデザインだし、3列めのシートもけっして緊急用でなく、おとなが座っていられる。このクルマがあれば、市街地の移動も、ホームセンターへの買い出しも、キャンプだって楽しくこなせるはず。
本来は商用車なのだけれど、乗用車的な快適さをちゃんと実現している。デザインも適度にガイシャ感がありつつ、悪目立ちしなくて、そこも好感度ポイント。欧州の実力は、こういうクルマに発揮されうと思う。お父さんやお母さんや、おじいさんやおばあさんを乗せてあげて、家族でそれを味わってほしい。
運転が楽しいクルマ
トヨタ GR ヤリス|Toyota GR Yaris
自分が20代だった1980年代、憧れといえばホットハッチ(高性能ハッチバック)だった。とくにVWゴルフGTI、ルノー5アルピン、プジョー205GTI、フィアット・ウーノ・ターボ、アウトビアンキA112など、乗りたい! と思ったもの。
そのときの記憶を熱くかきたててくれるのが、GRヤリスだ。運転って楽しいと、気づかせてくれるはず。
若者は(幸いというべきか)デカいSUVにあまり食指を動かしてはいないようなので、そのまっすぐな気持ちのまま、純粋に運転が楽しめるGRヤリスに乗ってほしい。
iMTというシフトダウン時に回転合わせをクルマがやってくれる機構はサーキットとかではたいへん便利だけれど、ふだんならATでもじゅうぶん。ハンドリングのよさを味わうクルマなので、2ペダルで魅力が薄れるということもないですよ。
いま20代だったら欲しいクルマ
スズキ スーパーキャリイ|Suzuki Super Carry
スズキは、2024年もヒットをとばしてくれた。200万円台で買えるSUVのフロンクスもいいクルマだけれど、エアコンのないクルマにも嬉々として乗っていた20代のころの自分を思い返すと、クルマの魅力は装備でない、ダイレクトな楽しさにあると感じていた(ように記憶している)。
軽トラのキャリイをベースにすこし大きなキャビンをそなえ、室内空間を拡げて使い勝手をよくしたのがスーパーキャリイ。スズキではさまざまなスポーツやキャンプに出かけるイメージを押し出し、汎用性をアピールしている。硬めの足回りに、そこそこの直進安定性なので、高速道路をえんえん走っていくような使いかたはあんまり楽しくない。いや、まちがい。それをこなしたときのよろこびは、とても大きい。
なにか成し遂げるたびによろこびを感じるのが20代ではないだろうか。スーパーキャリイも、そんな20代の味方だと思う。価格もそれなりにこなれていて、20代に戻ったら、金貯めて買えると思う。
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みんなのコメント
発売の8ヶ月も前からディーラーに相談し続けたが、いざ発売となったらなしのつぶて
ディーラーに行くと常連の顧客のみ販売と
買いたくても売ってもらえなかった
売ってもない車に
乗れって言われてもね。
くだらない記事。