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「出っ歯、竹ヤリ」暴走族の定番… 見た目スゴい過激カスタムなぜ誕生? ルーツはどこに

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「出っ歯、竹ヤリ」暴走族の定番… 見た目スゴい過激カスタムなぜ誕生? ルーツはどこに

■「出っ歯」のルーツは?

 1970年代から1980年代にかけては、「出っ歯」や「竹ヤリ」と呼ばれるカスタムが多く見られました。
 
 あまりに過激なこのカスタムのルーツはどこにあるのでしょうか。

【画像】「えっ…!」これはスゴい! 過激なスカイラインの画像を見る!

 昭和の時代には、「出っ歯」や「竹ヤリ」と呼ばれるカスタムがしばしば見られました。

「出っ歯」は極端に長いフロントスポイラーを、「竹ヤリ」は天高く伸びるマフラーをそれぞれ意味しますが、そのどちらも目立つことが主眼に置かれており、それ以外の実用性は皆無です。

 また、そうしたカスタムは多くの場合で違法改造に該当します。

 それでも、「出っ歯」や「竹ヤリ」を主軸においたカスタムスタイルはいまでも根強い人気があるのも事実です。

 では、そんな「出っ歯」や「竹ヤリ」はなぜ生まれたのでしょうか。

 まず、「出っ歯」のルーツは、1971年から1989年にかけて開催されていた「富士グランチャンピオンレース」、通称「グラチャン」にあると言われています。

 グラチャンのサポートレースのひとつに、「シルエット・フォーミュラ」と呼ばれるレーシングカーによるレースがあり、そこに参戦していたレーシングカーの多くが「出っ歯」を備えていました。

 もちろん、シルエット・フォーミュラにおける「出っ歯」は目立つことを目的にしているわけではなく、ボディ下部に空気が流れることを防いだり、アンダーステアを防いだりするためのものでした。

 一方、日産「スカイライン」やトヨタ「セリカ」などの面影を残しつつも、市販車とは明らかに異なるそのルックスは多くのユーザーを惹きつけ、「街道レーサー」や「グラチャン仕様」などと呼ばれるカスタムスタイルを生み出しました。

 しかし、これらのカスタムスタイルは、あくまでレーシングカーをモチーフにしているため、フロントスポイラーが極端に長くなることはまずありません。

 そう考えると、「出っ歯」は、単にシルエット・フォーミュラだけに由来しているとは言えず、また別の文化がミックスされたものと考えられます。

■「竹ヤリ」のルーツとなったとされる名作映画とは?

 一方の「竹ヤリ」は、レーシングカーに由来しているわけではないようです。

 そのルーツにはさまざまな説があるとされていますが、そのなかでももっとも有力なもののひとつが、当時の暴走族文化です。

 日本の暴走族の歴史は、1960年代の「カミナリ族」にはじまるとされています。

 ただ、彼らの多くはスピードを追求した「走り屋」であり、いまでいう暴走族のようなものとは少し異なっていました。

 しかし、1970年代になると、暴走族という言葉は反体制的な要素を含むようになっていきます。

 そのきっかけのひとつが、1970年に公開された映画「イージー・ライダー」です。

 この映画では、ふたりの「ヒッピー」たちが、「チョッパー」スタイルのバイクとともにアメリカを駆け巡るようすが描かれており、当時の反体制主義的な文化(カウンター・カルチャー)を代表する名作として知られています。

 この映画に登場するバイクはどれも過激なルックスをしており、その多くは「竹ヤリ」のようなマフラーも備えています。

 このスタイルが日本の暴走族たちへと伝わり、そしてクルマのカスタムへとつながったものと考えられます。

 イージー・ライダーの影響もあり、1970年代以降の暴走族は「走り屋」からカウンター・カルチャーの象徴へと変化していくことになります。

 そうなると、カスタムの方向性も、速さを追い求めるものではなく、いかに反体制的であることを主張できるかという点がポイントとなります。

 反体制的であることは、多くの場合で非合理的なことでもあります。

 つまり、常識に縛られないことこそが反体制的であるというわけです。

 そう考えると、「出っ歯」はシルエット・フォーミュラにインスピレーションを受けたものではあるかもしれませんが、その非合理さはむしろ暴走族文化のほうが色濃いと言えそうです。

 また、「竹ヤリ」については、そもそも合理的なメリットがほとんどないという点で、暴走族文化の代名詞的存在であると言えます。

 ただ、こうした非合理的なカスタムスタイルは、現在ではかつてほど多く見ることはあまりなく、カスタムカーイベントなどで展示されるくらいです。

 これは、警察による取り締まりが強化されたことが最大の理由ですが、社会全体が合理性を求めるようになったこともそのひとつの要因なのかもしれません。

※ ※ ※

「出っ歯」や「竹ヤリ」に代表される暴走族風のカスタムスタイルは、アメリカでもそのまま「Bosozoku car」として一部のユーザーの注目を集めているようです。

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みんなのコメント

29件
  • ちーぴん
    当時を知る者としては現在の痛車ブームに近いものを感じるが、社会的迷惑度は竹やり出っ歯の方がはるかにひどかった。
    博物館の倉庫にでもしまっておくならともかく、今でも生き残りが大黒や旧車イベントに乗りつけてきたりするが、恥ずかしいのでやめて欲しい。
  • SK-trust
    当時の雑誌は千葉や茨城が主体だったように思います。
    雑誌を見るにつけ「何コレ?」って正直思ってました。
    目立ちたいにしても、ただただ恥ずかしいクルマ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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