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福祉車両だってマイナーチェンジします! 国際福祉機器展H.C.R.2018

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福祉車両だってマイナーチェンジします! 国際福祉機器展H.C.R.2018

10月10日から12日に東京ビッグサイトで開催された、国際福祉機器展 H.C.R.2018。その展示車両の中から、最近改良などが施された車種とそのポイントを紹介します。紹介するのは2台。トヨタのウェルキャブからシエンタ、そして日産のライフケアビークルからセレナです。

スロープのフラップのサイズが変わりました

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<h3 id="toc_3">トヨタ自動車・シエンタ 車いす仕様車(スロープタイプ)タイプIII 助手席側セカンドシート付車</h3>

トヨタ・ダイハツのブースに展示されていたシエンタ 車いす仕様車(スロープタイプ)タイプIII 助手席側セカンドシート付車。
この仕様は、おもに子供向けの車いすをターゲットにしており、助手席を前にスライドさせることで、後部ハッチから車いすのまま乗り込んで、セカンドシートよりも運転席に近い距離(1.5列目と称しています)に固定できる仕様です。
これによって、運転者の車いす利用者へのリーチを含めて、運転席とのコミュニケーションが取りやすいレイアウトを実現しています。
さらにこの仕様は、3列シートをもつスライドドア付きミニバンの中でも小型のサイズながら、セカンドシート位置に1名分のシートを配しているので、介助者や家族が車いす利用者の隣に座ることができるようになっているのも特筆すべきポイントです。
一緒に移動できるとはいえ、サードシート位置に独りで座る(そのほうが落ち着くという場合もありますが)という状況から、まさに前進してきた集大成ともいえる1台です。

さて、ベースとなるシエンタのマイナーチェンジとともにトヨタの福祉車両であるウェルキャブシリーズもリニューアルされているのですが、マイナー前の装備をそのまま引き継いだかとおもえばさにあらず、実は細やかな変更がされているのです。

近づいてみると、スロープの端のあたりを指し示していますが、従来仕様からこの付近のスロープ板の幅が変更になったとのこと。 部位の名前はスロープフラッパーと呼ばれるもので、スロープと車両のフロアの間にあるパーツです。 この部分の幅が620ミリに拡幅されたことにより、乗車可能な車いすの車輪間の最大幅(前輪が回転するシチュエーションではないので、おもに後輪間の幅)が従来車よりも広くなったそうです。

スロープ自体は640ミリの幅がありますが、このフラップの部分の幅で乗せられる車いすのサイズが決まってくるということなので、この拡幅が朗報という層も確実にいそうです。

また今回、車いす仕様車のすべての仕様について、手動スロープ前倒し機能が標準装備になっています。 従来のものは、リアハッチ直近にスロープが立ててある状態だったため、壁のような状態になり、荷物がおきにくい荷室となっていました。今回はスロープを倒しておけるため、荷室へのアプローチがしやすくなります。

背の高い車いすでも乗降できます

<h3 id="toc_5">日産・セレナ アドベンチャー ログ キャビン </h3>

日産ブースでは、ブルーのボディカラーも鮮やかな、セレナ チェアキャブ スロープタイプをベースとしたコンセプトカー、アドベンチャー ログ キャビンが展示されていました。

アドベンチャー ログ キャビンは日産のライフケアビークル全体のテーマでもある「出かける喜びを、一人でも多くの方へ」という想いに、アウトドアアクティビティの楽しさをプラスしたコンセプトモデルです。 出展車両は、2018年9月のマイナーチェンジ後の車両。先代の展示車両は、マルーンレッド/ダイヤモンドブラックにボンネットなどにも配色を施したボディカラーだったのですが、架装を担当するオーテックのイメージカラーの設定に合わせて通称「湘南ブルー」と呼ばれるブルーを基調としたカラーに変更されています。 展示車両を確認すると、デモに使用されている車いすがハイトの高いものになっており、その室内空間の広さをアピールしていました。これは固定位置の室内高も必要ですが、アプローチ部分となるリアゲート開口部にも対応する高さが必要されるだけに、ユーティリティの高さを感じさせるディスプレイです。

さらにフロア部分の車いすスペース専用フロアマットも、ホーム・インテリアでも流行っている白木調のパターンが使われており明るい印象で仕上げられ、車いす固定用のフックなどの蓋まで丁寧に処理がされていました(写真はサードシート位置の固定部分)。

ちなみに、ベースとなる車いす2名仕様と、車いす1名セカンド仕様ではセカンドシート位置に車いす乗車することが可能となっています。 現行モデルになって、セレナはセカンドシート位置の車いすの固定位置が左側になりました。従来は車いすが右側でしたが、これは車いす以外の乗員の乗り降りするスペースを車いすの周囲に確保できなかったため。左側通行の日本で右側ドアメインの乗降になってしまうことのないように配慮した結果でした。現行型は車いす固定位置が前方に進んだため、多くの車いすで、シートバックをリクライングしてもサードシートにも乗員が座ることができるくらいの前後関係になっています。 また、マイナーチェンジ前からの変更点ではありませんが、リアゲート近くにある車いす乗降アシスト装置のコントローラー部分が、歴代のモデルを経るごとに小型のものへと変更されていきているそうです。

実際の使用の中で、より使いやすくするために、いずれのメーカーも細やかな仕様変更の繰り返しで使用者の側に立った使い勝手の向上が施されているのがわかりました。



著者紹介:古川教夫 クルマとバリアフリー研究家。基本は自動車雑誌編集&ライター&DTP/WEBレイアウター。かつてはいわゆる徹夜続きの毎日だったが、現在は娘さんの介護をしながら9割9分の在宅ワーク。『ドレスアップナビ』(https://dressup-navi.net/)のアンカーや、ライフワークであるロータリー関連の執筆活動等を行いながら、介護経験から見る福祉制度と福祉車両の世界をつづる。2017年2月に福祉車輌取扱士の資格を取得。

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