世界的有名デザイナーが若き日に手がけた3台
4月5日(金)から7日(日)まで幕張メッセ(千葉県)で開催されている「オートモビル カウンシル 2019」の来場者を出迎える主催者展示は、「ランボルギーニ・ミウラ P400S」と「マセラティ・ギブリ」、そして「フェラーリ365GTB/4 デイトナ」という3台のスーパーカー。
フェラーリ デイトナやランボルギーニ ミウラなど100台以上! オートモビルカウンシル開催へ
「自動車文化と大人のライフスタイルを日本に創生すること」を目的に、2016年から開催されているオートモビル カウンシル。Auto Messe Webもこの趣旨に賛同し、第4回目となる今年よりオフィシャルメディアとして多くの情報を発信している。
会場のエントランス部分に、主催者展示として並べられたのが冒頭の3台。「自動車が与える夢、自動車が持つタイムレスな美」をテーマに、1960年代から70年代にかけて生産された珠玉のイタリアンスポーツトリオが選ばれた。
ランボルギーニ・ミウラ P400S
ランボルギーニといえば、もともとフェラーリのオーナーだった実業家、フェルッチョ・ランボルギーニがエンツォ・フェラーリに謁見した際の彼の態度に立腹し、対抗すべく自らが創業したエピソードは有名。 そのアウトモビル・ランボルギーニにとって、初めての量産車と言える黎明期のモデルが、ランボルギーニ・ミウラ P400Sだ。当時まだFR(フロントエンジン・後輪駆動)のレイアウトだったフェラーリに先駆けて3.9リッターV12エンジンを横置きにミッドマウントし、1966年から1973年までに約750台が生産された。
流麗なボディデザインはカロッツェリア・ベルトーネが担当。ヌッチョ・ベルトーネの指示で原案を仕上げたのは、当時チーフを務めていたジョルジェット・ジウジアーロで、生産型に仕上げたのはマルチェロ・ガンディーニだと言われている。すなわちミウラは、若き日のイタリアン・オールスターズが揃って手がけたマイルストーン的な1台なのだ。展示車は鮮やかなグリーンボディを纏っていた。
マセラティ・ギブリ
新参者のランボルギーニや1947年をルーツと定めたというフェラーリと比べても、マセラティは1914年創業という名門中の名門だ。そんな同社が初めてジウジアーロとタッグを組んだのが、このギブリ。1966年のトリノショーでお披露目されると大いに話題を呼び、当初100台のみだった生産計画が400台に変更され、さらに1972年までに1295台が世に送り出されることになった。
長いノーズの下に収められているのは4.7リッターのV8ユニット。V12でもミッドシップでもないが、デビュー当時はミウラと世界最速の座を争ったという。発表当時すでに歴史ある名門ゆえに、一過性の流行に惑わされないクラシカルな佇まいではあるが、タイムレスな美を備えていることは確か。まさにジウジアーロの才能を示す傑作の一台だろう。
フェラーリ365GTB/4 デイトナ
最後に紹介するのがフェラーリ365GTB/4 デイトナ。1968年のパリサロンでデビューして、1973年までに約1400台が生産されている。エンツォ存命中にマラネロが生み出した最後のFR2シーターモデルで、エンジンは4.4リッターV12。投入直後の英誌「Autocar」のテストで最高速度280km/hを実測。当時ランボルギーニやマセラティなどに奪われていた世界最速の座を取り戻す使命を見事に果たした。
どこから見ても美しい均整の取れたプロポーションを実現したのはピニンファリーナ。当時チーフデザイナーだったレオナルド・フィオラバンティによるものだった。モダン・フェラーリの礎ともなった、史上もっとも美しいフロントエンジン・スポーツカーの1台だろう。今回の展示車はリトラクタブルの後期型だが、初期型は透明なプレクシグラス(アクリル樹脂)内に4灯式ヘッドライトを備えていた。
今回の展示について、実行委員会の加藤哲也さんにお話をうかがった。「古くからのCG読者なら、1972年1月号の巻頭特集を飾った3台だということに気づかれたと思います。実はまだ120年余りという自動車の歴史の中で、その美しいデザインで黄金期を支えてくれたイタリアのカロッツェリアをオマージュしようというのが、今回の展示の趣旨です。今年から4月開催となり、来年以降もこの時期に開催します。ぜひ皆さんの来場をお待ち申し上げます」とのことだった。
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