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メルセデスから25台の浮気? ブラバス900 ロケットRへ試乗 70mmワイドで900馬力の911

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メルセデスから25台の浮気? ブラバス900 ロケットRへ試乗 70mmワイドで900馬力の911

同社歴代で最もダイナミックなクルマ

ドイツのブラバスが、ポルシェ911を選んだ。このチューナーはメルセデス・ベンツと手を組み、スーパーカーを圧倒するパワーをサルーンやクーペに与えてきた。スマート・ブラバスという、小粒な例も存在したが。

【画像】メルセデスから25台の浮気? 900 ロケットR 競合のスーパーカー 電動SUVのブラバスも 全121枚

これまでをご存知なら、浮気したように聞こえるかもしれない。だが、911 ターボSをベースにした900 ロケットRは、軽率な考えで作られたわけではない。25台の限定数や、54万9130ユーロ(約9116万円)という桁違いの金額も。

むしろ、以前からポルシェをベースにしたいと考えてきたらしい。特別な911の誕生は、時間の問題だったといえるだろう。

一方で、ドイツ北西部のボトロップへ構えたワークショップには、作業待ちのAMG GT 4ドアクーペやSクラス、Eクラスが所狭しと並んでいた。ブランドの軸が、メルセデス・ベンツにあることは変わりない。

チューブラーシャシーにGクラス風のカーボンファイバー製ボディを被せた、シリアスなクローラーも仕上げを待っていた。ブランドのユーモアが垣間見れる。

911が選ばれた理由は、複雑ではない。シャシーの敏捷性やグリップ力で、ポルシェが優れるとブラバスは判断していた。同社歴代で、最もダイナミックなクルマを作ろうと考えたからだ。

ターボSがベースになった理由も明瞭。カレラは、ワイルドさが足りない。GT3は、サーキット志向過ぎる。どちらも、片手運転しながら300km/hで走れるという、ブランドのコンセプトには適さない。

しかし、ターボSなら合致する。強力で安定性が高く、高級感も不足ない。

全幅は70mmワイド 最高出力は900ps

最も大胆に改造され、強力に仕上げられたモデルに、ブラバスは「ロケット」という名前を与える。その最新作が、この900 ロケットRだ。

チューニングは、内外の広範囲に及ぶ。911 ターボSのボディパネルは剥がされ、全幅が70mm広がるカーボン製ボディキットが組み付けられる。鍛造ホイールのオフセット値で、タイヤは外に張り出される。

ボディサイドには巨大なエアインテークとエアアウトレットが開けられ、大量の空気が流される。リア側には、滑らかな曲線のダックテール・スポイラーが載る。かなり目立つ容姿なことは間違いない。

ブラバスは、美しさが多くの顧客の重視するポイントだと認めている。だが同時に、空力性能もしっかり検証されている。ドイツ・ケルンにあるトヨタの風洞実験施設を利用し、ダウンフォースを若干減らしつつ、高速安定性を高めたという。

3745ccの水平対向エンジンには、インコネル製エグゾーストと大径ターボ、専用ECUなどが与えられる。最高出力は、モデル名の通り900ps。最大トルクは101.8kg-mへ引き上げられる。

そもそも、911 ターボSは公道で最も速く目的地へ辿り着ける1台だったが、ブラバスは以前から呆れるほどのパワフルさを追求してきた。ちなみに通常の911 ターボSは、650psと81.4kg-mだ。

ビルシュタイン社製のダンパー・レートは、若干引き締められている。オリジナルのドライブモードは、完全に機能するという。

運転体験はターボSの延長 素晴らしい乗り心地

最高速度は339km/hが主張されるが、これはタイヤのコンチネンタル・スポーツコンタクト7が許す限界だから。もっと許容値の高いタイヤへ組み替えれば、386km/hに達するらしい。8速PDKのギア比的には、531km/hへ届く。

900 ロケットRの運転体験は、通常の911 ターボSの延長上にある。車高が落とされ、垂直方向の姿勢制御がタイトになっているから、シャシーのレスポンスは一層鋭い。

ステアリングホイールの感触は、意外なことに、ノーマルより軽め。速度が上昇すれば、指先で回せるくらい。ただし、路面の起伏で左右に進路が乱れる、ワンダリングも小さくない。これは、指先では修正が難しい。

ステアリングの反応は、極めて正確。扱いやすさの表れだろう。シュッと鳴くターボのブローオフバルブが、少しうるさい。

乗り心地は素晴らしい。ブラバスといえば速さが最大の強みかもしれないが、長距離ドライブの快適性も重視されている。メルセデス・ベンツとの親和性が高いことにも、納得できる。

穏やかな気持ちで、長時間を過ごせるとは表現しにくい。それでも、足さばきは驚くほどしなやかだ。

ブースト圧が高められた結果、エンジンの第一印象は少し穏やか。とはいえ、加速は極めてスムーズでリニア。240km/hくらいまでは、永遠に速度が上昇していきそうに思える。アスファルトが乾いている限り、トラクションにも不足はない。

911 ターボS級に安定 RS風のドラマチックさ

911 ターボS以上にエネルギッシュだと実感するのは、高回転域までアクセル全開で引っ張った時。それ以外は、通常のポルシェと同じくらい速く安定している。見た目と裏腹に、乗りやすい。

メルセデス・ベンツの一部の役員が、社用車のエンジンをブラバスにチューニングしてもらっていた時代があった。フォルクスワーゲン・ブループのCEO、オリバー・ブルーメ氏が900 ロケットRに乗ることはないかもしれないが、きっと気に入るはず。

992型の秀でた素性はそのままに、GT3 RS風のドラマチックさが追加されている。視線を釘付けにするような、ド派手な出で立ちも。

ブラバス900 ロケットR(欧州仕様)のスペック

英国価格:54万9130ユーロ(約9116万円)
全長:−mm
全幅:−mm
全高:−mm
最高速度:339km/h
0-100km/h加速:2.5秒
燃費:8.1km/L
CO2排出量:278g/km
車両重量:1640kg
パワートレイン:水平対向6気筒3745cc ツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:900ps/7200rpm
最大トルク:101.8kg-m/5100rpm
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック(四輪駆動)

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みんなのコメント

3件
  • oke********
    このブラバス900ロケットRやマンソリーのコンプリートカーも一体幾らするんだろう?という興味がありましたが、やっぱり1億はするんですね。
    まぁ絶対買えませんが。
  • kmq********
    中江滋樹が死ぬ間際まで言っていた、セミコンダクタ株を買っておけば所有できたのにな〜
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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