2020年9月の発売以来、数多くのモータースポーツで鍛え上げられたトヨタ GRヤリスが大幅改良を実施。エクステリアこそ小変更だが、中身はEVOモデルと呼びたいほどの大きな進化を遂げた。発売は2024年春予定。オーダーするなら急ぐべし!!
※本稿は2024年1月のものです
文/国沢光宏、写真/西尾タクト、トヨタ
初出:『ベストカー』2024年2月26日号
アンチラグ制御搭載でゴキゲンに!! プロドライバー以外は8ATモデル一択か!? GRヤリス大幅改良モデル試乗
■モータースポーツで鍛え上げフィードバック
サイドロアグリル部分は冷却性能向上のため、開口部を大きくデザインを変更。ロアグリルはスチール製のメッシュになり割れなくなった
新型GRヤリスの試乗レポート、どれも絶賛の内容になると思う。まったく異論はないのだけれど、スポーツモデルってそう簡単じゃない。
現行のヤリスGRと比べ圧倒的にいいかとなれば「もちろんです!」と答えるほど簡単じゃないのだった。ポルシェ911だってデビューから59年経っても改良を続けています。以下そんなことをイメージして読んでいただきたい。
今回変更された点の大半はモータースポーツに出場した時の課題の解消。
よく言われるようにエンジンの冷却性能はもちろんだが、例えば全日本ラリーだと、パワステのモーターすらオーバーヒートしちゃうのだった。そんな課題を克服すべく今回のマイナーチェンジとなった。
■シフトフィールにブレーキフィールも大幅アップ!!
パワーアップの効果はもちろんだが、MTモデルはシフトフィールやブレーキのタッチがよくなり、ドライビングが楽しくなった。さらにサーキットではアンチラグ制御が入り、サウンドでも楽しめる
それでは試乗といきましょう。まず現行のGRヤリスに乗って再確認する。袖ケ浦サーキットを全開で3ラップしただけだと何ら不満なし。
30馬力ほど上がったパワーに魅力を感じるのなら、20万円も出せば300馬力を余裕で超えるロムチューンキットが多数出ている。現行のGRヤリス、今でもいいクルマです。
続いて新型に乗り換える。アクセル全開でコースインすると、なるほど改良を受けた点はしっかりと効果を出せている。
例えばシフトフィールがよくなった。現行モデル、少しばかりゲートが甘く、左右方向の重さも課題を抱えており、サーキット走行などで強い横Gが掛かった状態ではシフトミスを招いた。
ステアリングフィールも向上しており、現行より微細な路面感覚をつかめる。
ブレーキフィールは一段とカッチリしており、これまた荷重コントールをしやすくなっている。
大いに感動して「素晴らしい!」とペースアップしていくと、ここがスポーツモデルの面白さで、次なる課題も見えてくるのだった。
それはタイヤ性能ですね! サスペンションの受け止め能力を高めたため、さらに高い速度でコーナーを曲がれるポテンシャルを得た。
当然ながらタイヤ性能を上げないと、ドライバーの期待値より早いタイミングでアンダーステアが出てしまう。
本来ならワンサイズ大きくするか、食いつきのいいコンパウンドにしたいところ。されど今や騒音規制などあるため、そうもいかない。
だとすれば大型のエアロパーツなど装着してダウンフォースで対応すればいい!? といった「欲望」がムラムラと湧き出してくる。
このあたり、GRヤリスのテストドライバーでもある大嶋和也選手に聞いたら「そうなんです。このレベルのクルマになるとサーキット毎のベストセットが違ってきます。もちろん袖ケ浦サーキット用のベストセットもありますよ~!」だって。
次回、試乗会をやるなら、市販車ベースでベストのアライメントにした車両を用意してほしいとリクエストしておきました。これだからクルマは面白い!
■オヤジ殺しになりそうな8ATモデル
オフロード走行ではステアリングとブレーキ操作に集中できる8ATのほうがMTよりも速いし楽しいと納得
続いてGR-DATを試す。
ナニを隠そう走り出す前まで興味ありませんでした。8速のトルコンATをスポーツモデル用にセットアップしただけと聞いたからだ。
AT免許の人も乗れるGRヤリスくらいのイメージで走り出すと、ナニコレ! 猛烈に速くて楽しいじゃありませんか!
そういえばモリゾウさんが「プロのレーシングドライバーでなければATのほうが速い」と言っていましたね。
その言葉を100%納得できた。簡単に言えば、ステアリング操作と、前後の荷重移動にすべての神経を集中できるのだった。
シフト操作をすることで荷重移動は少しルーズになるし、ステアリング操作だって甘くなる。
ところがDレンジのまま走れると、自分で考えられるような荷重のかけ方や、ラインのコントロールができてしまう。目からウロコがばりばり落ちるような発見でございました。
サーキットの後、グラベルコースでもATに試乗したのだけれど、一段と驚く!
グラベルラリーはさまざまなコーナーがあるため、どのギアにしたらいいのか迷う。もちろんプロドライバーならベストチョイスができる。
私らのレベルだと成功率80%といったイメージ。しかしATだと成功率95%くらいに上がるから素晴らしい。ドライバーは狙ったラインをトレースして荷重移動すればOK!
ATのGRヤリスならラリーに出てもマニュアルよりずっと速く走れる“気”がしてきた。
このクルマでニュージーランドやタイの高速グラベルラリーなんか走ったら、どんなに楽しいことか! 新しいクルマの楽しさが見えてきちゃった感じ。
困ったことにお正月にGRヤリスのATでラリーに出た夢まで見てしまいました。それくらい楽しくてインパクトは特大! 今春の発売が待ち遠しい!
この歳になって新しいクルマの世界を見せられてしまいました。
GRヤリススペック比較(GR-DATのエンジンスペックはMTと同じ)※GR-DAT(8AT)の車重は1300kg
現行を10点にすると新型は何点?
・加速性能:12点
・ブレーキ性能:12点
・ハンドリング:12点
・シフトフィール:14点
・モータースポーツお勧め度:30点
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
発表5日で受注停止! 瞬時に5万台のバックオーダーを抱えたスズキ新型「ジムニーノマド」はいつ買える? じつは“意外や早く受注再開”されるかもしれない その理由とは
日産復活のカギはやっぱり[新型マーチ]!? ヤリスやフィットを超えるコンパクトカー誕生なるか!? 2025年度に発売確定!
トヨタ新「ハイエース」発売! “GRパーツ仕様”も発表! タフ感すごい「最強ゴツ顔」が激カッコイイ! 大人気のTRDエアロが「GRブランド」化して新登場!
“予約殺到”で5万台のバックオーダーを抱えたスズキ新型「ジムニーノマド」が発表5日で受注停止! ネットではどんな反響が集まっている?
怖すぎ!? 高さ4m「巨大つらら」発生でクレーン車が出動 国道の「ループ橋」で緊急除去作業へ SNSでは「作業ありがとうございます」感謝の声も
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
高速道路を「トラック横並び完全封鎖」で渋滞…むかつく風景が日常茶飯事な「意外な理由」とは? 逆に嫌がらせしたら「免許返納」レベル! 思わぬ「うっかり交通違反」にも注意
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
日産復活のカギはやっぱり[新型マーチ]!? ヤリスやフィットを超えるコンパクトカー誕生なるか!? 2025年度に発売確定!
インテグラなのにおっさんセダン! マークXなのにFF!! 名前は「名車」中身は「迷車」なクルマ4選
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント