現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 名車揃いの「いすゞ」!「ピアッツァ」「ジェミニ」「117クーペ」が今なお人気を集めるワケ

ここから本文です

名車揃いの「いすゞ」!「ピアッツァ」「ジェミニ」「117クーペ」が今なお人気を集めるワケ

掲載 13
名車揃いの「いすゞ」!「ピアッツァ」「ジェミニ」「117クーペ」が今なお人気を集めるワケ

どうしていすゞ車は僕らの心を捉えて離さないのか

  いすゞと言えば、国内では大型トラック・バスの専業メーカーだが、その昔は乗用車も作っていたのはご存知だろう。その歴史はかなり長く、現在のIHIのルーツとなる東京石川島造船所が自動車製造のために研究を開始したのが始まりで、これは1916年(大正5年)のこと。1918年(大正7年)にはイギリスのウーズレーと契約を結んで、1922年(大正11年)にA9型という乗用車を完成させている。これは日本の自動車メーカーのなかでもかなり古い部類に入る。

いすゞ「最初で最後」の乗用車!「イルムシャー」にも心躍ったセダン「アスカ」を振り返る

とにかく名車揃いの歴史

 その後、日産のルーツにもなりつつ、昭和に入ってからは軍用向けにトラックを手掛けたりして、ディーゼルのいすゞとして地位を確立した。1953年(昭和28年)に、イギリスのルーツ社と提携して、ヒルマンミンクスをノックダウン生産して乗用車への進出を果たしている。 ここまで見ても他メーカーとは一線を画す流れではあるが、ウーズレー以降のモデルも個性派揃いで、現在も人気が高いものもあるし、名車と言われるものも多い。その背景にある理由について探ってみた。

デザインがユニーク

  乗用車作りが英国車のノックダウンだっただけに、最初からアカ抜けていたいすゞ。ヒルマンマンクス、その後継車であるベレルと来て、フローリアンは犬のようなユニークな顔つきのが特徴だった。

 ここまでは重厚感もあり、派手さはなかったものの、1963年のベレットはイタリアンデザイン全開。その姿は和製アルファロメオと言われたほど。

 そして真骨頂は117クーペで、ギア時代のジウジアーロがデザインを担当したものだ。登場時と後期ではライトが丸目から角目に変わっていたり、全体のラインも微妙に異なっているが、それはそれで魅力があるというのはさすがと言っていい。

 その後もデザイン面での快進撃は続く。GMとの共同ではあったが、FFとなった2代目はジウジアーロデザインをベースとしたユニークなもので、ペパーミントグリーンやショッキングピンクのボディカラーも話題になった。さらにかの中村史郎氏が手掛けた3代目は、ミニピアッツァ的な不思議なスタイルをしていた。

 そのピアッツァもジウジアーロがデザインを手掛けただけに、強烈な存在感を放つスタイル。インパネに並ぶスイッチ類は手をステアリングから離すことなく操作できるのがウリで、見た目はまるで飛行機のようだった。

 そして、ユニークデザインの仕上げ的な存在がアスカだ。GMと協業で開発しつつも独自の角張ったデザインをまとっていたし、ホイールキャップは史上最高にユニークなものと言っていい。また日本語車名というのも特異だった。

 SUVでもデザイン性は発揮され、ビッグホーンのみならず、ポップな2ドアスタイルのミューや、それをベースにしたビークロスはショーモデルそのままとして大きな話題となった(実際はリデザインされているが)。

メカも特異でユニーク

 ディーゼルエンジンを得意として乗用車用も力を入れていて、117クーペにも搭載されていた。そのほか、SOHC、DOHCも早い時期にベレットに採用しているのも注目だ。エンジン以外でもベレットを例に取ると、4輪独立懸架やダブルウイッシュボーン、ラック&ピニオンを、他社に先駆けて積極採用している。

 トランスミッションでは現在の2ペダルMTの先駆けであるNAVI5や、4WSのニシボリックサスなど、あらゆるところに独自の技術が投入されている。

チューナーとコラボ

 サスペンションに独自のチューニングを施したハンドリング・バイ・ロータスはジェミニだけでなく、ビッグホーンなど、幅広い車種に設定されて人気を博した。またドイツのチューナー、イルムシャー仕様もジェミニやビッグホーン、さらにはアスカにも用意。どちらも当時提携していたGMつながりと言ってしまえばそれまでだが、いすゞならではのアピールとなったのは事実だ。 人気にあやかって、ディーラーが独自に仕立てたカゲムシャーやワカムシャー、アラムシャーなど、武者シリーズが続々と登場したが、やんちゃな感じもいすゞならではといったところか。

  そして、チューナーではないが、Rを好んだメーカーと言っていい。日本初のタイプR、ベレットのGTタイプRをはじめとして、イルムシャーRやZZなど、グレード名の付け方も心くすぐるものがあった。

レースなどでも活躍

 ベレットGT、通称ベレGはレースでも大活躍したし、FR時代のジェミニはチームいすゞとして国内ラリーを席巻したほど。またアスカはWRCにも参戦してRACラリーでクラス優勝するなど、マニアックな活動をしていただけに、クルマ好きの心を大きく掴んだ。アスカに関してはディーゼルターボが24時間のスピードトライアルで平均速度205.35km/hを達成している。

 以上のように、ユニークなデザインと高い技術力。そしてそれを証明するかのように、さまざま活動を行うなど、超が付くほどの独自路線を歩んだいすゞ。乗用車に関しては最後、スバルやホンダからのOEMでしのいだ感じだったが、全盛期の盛り上がりは今でもクルマ好きの心のなかに残っているだけに、今でも人気があると言っていいだろう。

こんな記事も読まれています

先代「695」と乗り比べ アバルト500e 長期テスト(5) 魅力はそのまま 未来感が凄い!
先代「695」と乗り比べ アバルト500e 長期テスト(5) 魅力はそのまま 未来感が凄い!
AUTOCAR JAPAN
「なんで!? スマートキーが作動しない!?」焦るクルマのトラブル 便利だけど大きな弱点もある理由とは
「なんで!? スマートキーが作動しない!?」焦るクルマのトラブル 便利だけど大きな弱点もある理由とは
乗りものニュース
2列目シートも快適でフラットスペースも広いトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
2列目シートも快適でフラットスペースも広いトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
なつかしすぎて涙。タミヤのRCバギー「グラスホッパー」が誕生40周年を記念し“トミカ”&“ミニ四駆”になった!
なつかしすぎて涙。タミヤのRCバギー「グラスホッパー」が誕生40周年を記念し“トミカ”&“ミニ四駆”になった!
くるくら
タナクがまさかのクラッシュ。ヌービルが悲願のタイトル獲得。トヨタが逆転ランキングトップ/ラリージャパン最終日
タナクがまさかのクラッシュ。ヌービルが悲願のタイトル獲得。トヨタが逆転ランキングトップ/ラリージャパン最終日
AUTOSPORT web
アルピーヌのガスリーが驚きの予選3番手「アグレッシブな低ダウンフォースパッケージを選択。予想外の結果を出せた」
アルピーヌのガスリーが驚きの予選3番手「アグレッシブな低ダウンフォースパッケージを選択。予想外の結果を出せた」
AUTOSPORT web
トヨタ「“2階建て”車中泊仕様」がスゴイ! 大人5人が寝られる「豪華ホテル」風内装! 広さ2倍になる“マル秘機能”も搭載する「謎のハイラックス」とは?
トヨタ「“2階建て”車中泊仕様」がスゴイ! 大人5人が寝られる「豪華ホテル」風内装! 広さ2倍になる“マル秘機能”も搭載する「謎のハイラックス」とは?
くるまのニュース
レクサス『LBX MORIZO RR』やマツダ『CX-80』、最新4車種にブリッツ「OBDモニター」が適合
レクサス『LBX MORIZO RR』やマツダ『CX-80』、最新4車種にブリッツ「OBDモニター」が適合
レスポンス
マジ!? 今が[ベストタイミング]!? 新車は買えなくなったホンダ[S660]を中古で探すぞ!!
マジ!? 今が[ベストタイミング]!? 新車は買えなくなったホンダ[S660]を中古で探すぞ!!
ベストカーWeb
トヨタWRC代表、タイトル獲得に向けラリージャパンで“チームプレー”徹した勝田貴元の「マネジメント力を見ていた」
トヨタWRC代表、タイトル獲得に向けラリージャパンで“チームプレー”徹した勝田貴元の「マネジメント力を見ていた」
motorsport.com 日本版
みなとみらいのヤマハ発信拠点で“外に繰り出したくなる”イラスト展開催 12月11日~15日
みなとみらいのヤマハ発信拠点で“外に繰り出したくなる”イラスト展開催 12月11日~15日
レスポンス
ルクレール、”チームオーダー無視”のサインツJr.を批判「優しくすると、いつも損をするんだ!」
ルクレール、”チームオーダー無視”のサインツJr.を批判「優しくすると、いつも損をするんだ!」
motorsport.com 日本版
F1 Topic:ホテルでも空港でも遊べる“ギャンブルの街”ラスベガス。気になる賭け率とガスリーの躍進
F1 Topic:ホテルでも空港でも遊べる“ギャンブルの街”ラスベガス。気になる賭け率とガスリーの躍進
AUTOSPORT web
異形の「センチュリーロイヤル」!? 唯一無二の“Sワゴン型”なぜ存在?
異形の「センチュリーロイヤル」!? 唯一無二の“Sワゴン型”なぜ存在?
乗りものニュース
クルマはいまやボディだけじゃなくてシートもコーティングが基本! 車内で飲食するなら「布シートコーティング」は必須だった
クルマはいまやボディだけじゃなくてシートもコーティングが基本! 車内で飲食するなら「布シートコーティング」は必須だった
WEB CARTOP
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
エンブレムが立ち上がった! メルセデスベンツ『EQS』が「電気自動車のSクラス」らしく進化 1535万円から
レスポンス
4連覇達成のフェルスタッペン、レッドブル離脱は考えていたのか? 内紛とライバル猛追に苦しんだ2024年を回顧
4連覇達成のフェルスタッペン、レッドブル離脱は考えていたのか? 内紛とライバル猛追に苦しんだ2024年を回顧
motorsport.com 日本版
もう“永遠の2番手”じゃない。ヌービル、悲願のWRC初タイトルは「諦めず頑張り続けたご褒美。残る全てはオマケだ!」
もう“永遠の2番手”じゃない。ヌービル、悲願のWRC初タイトルは「諦めず頑張り続けたご褒美。残る全てはオマケだ!」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

13件
  • いすゞの凄いところは待てばパーツが出てくる
    外装パーツすらペレットが出たし
    ジェミニなんかも出る
    高くない
    トヨタや日産が霞んでしまうほど手厚い供給体制がね
    すごいなと
  • いすゞは、V12 エンジン作って F1 に積んでテストした映像も残されてるよ。
    別に F1 参戦用に作ったわけじゃなく、自社の技術力の確認のためだけに作ったものだったみたいだけど、ロータス102C に搭載して実際に走行している姿が YouTube なんかでも見られる。
    パトロン(スポンサー)さえ付いていれば、参戦参加にまで至った可能性はあったかもしれない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

189.9234.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

158.0279.0万円

中古車を検索
ピアッツァの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

189.9234.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

158.0279.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村