北米事業の低迷 後任は来年上半期中に選出
自動車メーカー大手ステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)が12月1日、同日付で退任を発表した。これまで予定されていた2026年初めの任期満了より1年以上も早く同社を去ることになった。
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66歳のタバレス氏は、2021年の同社設立以来、傘下のジープ、フィアット、プジョーなど14ブランドをまとめてきた。それ以前は7年間、PSAグループのトップを務めていた。
ステランティスは最近、不安定な財務状況を立て直すことを目的とした大規模な経営陣刷新の一環として、タバレス氏が2026年初めに退任すると発表し、後任者の選定が始まっていた。
しかし、タバレス氏は予定よりも前倒しでジョン・エルカン会長に辞表を提出し、1日の発表と同時に「即時」退任した。
ステランティスは、2025年上半期中に後任を選出するとしている。
上級独立取締役であるアンリ・ド・カストリエ氏は公式声明で、「ステランティスは設立以来、株主、取締役会、CEOの完璧な連携により成功を収めてきた。しかし、ここ数週間、さまざまな見解が浮上し、その結果、取締役会とCEOは今日の決定に至った」と述べた。
これ以上の詳細は明らかにされていないが、タバレス氏の退任は、ステランティスが今年度の利益予測を大幅に引き下げ、株式配当の減額を警告した直後のことである。重要な北米市場で売上が低迷し、その他の地域の業績もEV需要の低迷と中国との競争の影響を受けている。
当初、2024年の営業利益率を2桁と予測していたステランティスは、9月にその予測を5.5~7.0%に下方修正した。
この発表の後、タバレス氏はステランティス経営陣のほぼ全面的な刷新に乗り出した。マセラティとアルファ・ロメオのブランドCEOを交代させ、北米事業の最高執行責任者(COO)を入れ替え、新たな最高財務責任者(CFO)を任命し、中国事業に新しい責任者を据えた。
「自動車業界にとってダーウィン的なこの時期において、競合他社よりも優れ、より迅速に未来に適応し、備え、クリーンで安全かつ手頃な価格のモビリティを提供することが、我々の義務と倫理的責任である」と当時のタバレス氏は語っている。
また、欧州の電動化政策についてもたびたび持論を展開しており、例えば今年は英国政府のゼロ・エミッション車規制を痛烈に批判し、国内の自動車産業を「殺す」可能性のある「ひどい」政策だと非難して話題となった。
エルカン会長はタバレス氏の退任に際し、次のように述べた。
「カルロスの長年にわたる貢献と、PSAとオペルの再建に加え、ステランティス設立で果たした役割に感謝する。これにより、当社は業界のグローバルリーダーとなる道筋をつけることができた」
「ステランティスの全社員に支えられ、新しい暫定委員会とともに、新CEOの任命プロセスを完了させることを楽しみにしている。我々は力を合わせて、ステランティスとすべてのステークホルダーの長期的な利益のために、当社の戦略を継続的に展開していくつもりだ」
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