本誌『ベストカー』にて、毎号技術系の最新情報や気になる話題をお届けしている「近未来新聞」。
今回は中国が作ったレベル4自動運転車、ホンダが都内でレベル4自動運転実験開始、コスモ石油がEVに進出!! などの話題をお届けします!
コスモ石油がEV進出 中国EVがレベル4実現&ホンダが実験開始で日中自動運転対決勃発!!? クルマ界最新ニュース
※本稿は2022年7月のものです
文/角田伸幸、写真/ベストカー編集部、AdobeStock(トップ画像=Imaging L@AdobeStock)ほか
初出:『ベストカー』2022年8月10日号『近未来新聞』より
■本当に本当? 中国が作ったレベル4自動運転車両が400万円で来年市販開始?
ジードゥが発表したレベル4自動運転車両ROBO01。上品なCセグSUVといったいでたち
一台の中国製EVが話題を呼んでいる。ジードゥ(集度汽車)というベンチャー企業が作った「ROBO01」というクルマがそれだ。なぜ話題なのか。このクルマがレベル4自動運転機能を備え、来年から市販されるという噂だからだ。しかも3万ドル(約400万円)台という価格で!
ジードゥを調べてみると、この話が大ボラではないことがわかる。この会社、実はボルボなどを傘下に持つ浙江吉利控股集団と中国検索大手バイドゥ(百度)が出資元なのだ。
バイドゥはトヨタも参加する自動運転プラットフォーム「アポロ」の中核企業でもあり、中国各地で無人タクシーサービスを実施していることでも有名だ。
「ROBO01」だが、見たところCセグ相当のSUVといった雰囲気。エクステリアは未来的で、前ドアは斜め上、リアドアは後方に開く。ダッシュボード上には超横長のディスプレイが置かれ、ヨーク型ステアリングは格納も可能なようだ。
自動運転時のROBO01のインパネ。ステアリングは格納されワイドディスプレイに必要情報を表示
気になる自動運転システムだが、NVIDIAのSoC(※)を核として、2台のLiDAR、5台のミリ波レーダー、12台の超音波レーダーとカメラなどが搭載されるらしい。クルマを「起動」すると左右の前輪の上からLiDARがせり上がるあたりは、自動運転車ならではのギミックと言えよう。
※SoC=System on a Chip。センサーやAIの情報を統合する自動運転の脳みそ。ROBO01はNVIDIA「orin」を採用
この「ROBO01」、11月の広州自動車ショーで市販モデルを公開するという。本当ならば世界初のレベル4自動運転車両となるだけに注目だ。
■コスモ石油がEV進出!! ガソリンスタンドをシェアの拠点に
石油元売り会社がEVビジネスを本格化させている。
口火を切ったのは出光興産。2021年2月、タジマモーターコーポレーションとEV開発の新会社を設立し、まもなく車両の型式認定も取得できるというが、今度はコスモ石油が、軽&超小型EVのリース&シェアに乗り出すと発表した。
タッグを組むのはEVベンチャーのASF。聞きなれない名前だが、佐川急便が導入を予定している中国製商用軽EVの設計元と言えば、思い出す読者もいるだろう。
コスモ石油は、そのASFに資本参加しているのだが、ASFが開発中の軽EVに加えて超小型EVも導入し、企業向けリースや個人向けのカーシェアサービスを始める考え。カーシェアでは既存のガソリンスタンドの立地をフル活用し、中長期的に減少していくガソリン需要に代わるビジネスに育てるのが狙いだ。
「日産SAKURAやeKクロスEVがあるじゃないか」とも言われそうだが、圧倒的に違うのは導入コスト。ASFは自社で設計したクルマを中国で生産するファブレス企業のため、極めて廉価なEV製造が可能になるのだ。
このニュースとほぼ同時期に、出光興産が山口製油所の停止を発表し、ガソリン需要の減少が改めて浮き彫りとなった。元売り各社は水素やバイオ燃料など新たな事業領域を模索しているが、ガソリンスタンドが新たな賑わいの場所となることを願いたい。
■ホンダが都内でレベル4自動運転の実験を開始
日本では、ホンダが東京都内でレベル4自動運転の実証実験を始めるようだ。
これまで都内では多くのベンチャー企業やタクシー会社が無人タクシーや自動運転バスの実証実験を行ってきたが、大手自動車メーカーが参入するのは初。「いよいよ」と感じるのは筆者だけではないはずだ。
「レジェンドのレベル3自動運転をアップデートさせるのか?」と考える読者もいるかもしれないが、答えはノー。ホンダは乗用車と公共交通の自動運転システムを別々に開発していて、今回は後者を想定した実験となる。
読者もご承知のとおりホンダは米GMと提携関係にあるから、実証実験にはGMの自動運転部門であるクルーズの車両が使われる。将来的には、当欄でもたびたび取り上げているクルーズのカプセル型ロボタクシー「オリジン」を運行させることを想定しているようだ。
都内での実験に先駆けて、ホンダは栃木県の宇都宮市や芳賀町周辺で高精度地図作成を完了させ、すでに自動運転車両も走らせている。
そのシステムをそっくり都内に持ち込むわけだが、交通量や道路環境がはるかに複雑となるため、システムの負荷は圧倒的に高くなる。しっかりと鍛えて、安全なシステムを完成させてほしい。
■そのほかの近未来系ニュースを20秒でチェック
●国連の欧州経済委員会が、レベル3自動運転の制限速度を時速130kmに引き上げた。これまでは時速60kmに規制されていたため、高速道路の渋滞時しか出番がなかったが、これでレベル3によるクルージングが可能になる。
実施は2023年1月からだが、ドイツではすでにメルセデスベンツがSクラスとEQSにレベル3自動運転を実装しているため、新ルールの発効と同時にソフトウェアアップデートで対応するだろう。ホンダのレジェンドで先行した日本も制限を緩和するのか、注目したい。
●大阪にある町工場が「塗らない車体塗装」で注目を集めている。羽曳野市にある「布施真空」という会社がそれで、TOM成形という技術を使ってボディパネルに塗装フィルムを接着する。
カッティングシートのような手作業ではないので量産に向き、パネルとフィルムの間に部材を挟み込むことでハニカムやディンプルといった凹凸も出せる。特別仕様車などに活躍しそうだ。
●日本を代表する空飛ぶクルマの開発元「スカイドライブ」が、建設コンサルの長大やゼネコンの大林組と組んで、空飛ぶクルマの離着陸場設計に乗り出す。得られた知見をもとに近く発足する官民協議会「離着陸場ワーキンググループ」で提言を行い、離着陸場の標準化を目指すという。
離着陸場建設では時間貸し駐車場「タイムズ」を運営するパーク24も熱心だが、今後は協業が図られるだろう。2025年の大阪万博ではその成果が見られるはず。
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みんなのコメント
半導体、液晶ディスプレイ、家電、携帯電話と同じ負けパターンをEVは見事にトレースしている。
生死をわけるのはいつの時代もスピードなのよ。
「EVをやらなくていい理由」を考える国民にも責任があると自覚せよ。
そういうとこなんだよ!!
話変わって自動運転は高速など自動車専用道路に限っては、エンジン車全廃よりよっぽど現実的と思います。