昨今、三菱自動車がおかれた状況は厳しいものがある。不正発覚に端を発し、日産との連携が決まった矢先のゴーンショックなど、かつての栄光を取り戻すにはやや時間がかかりそうだ。
三菱といえば2019年8月いっぱいでの国内向け製造終了が発表されているパジェロと、WRCなどで活躍したランサーエボリューションが二大役者だ。
ミニバンブームに敗れた最強ワゴン!! 三菱 レグナムの残光 【偉大な生産終了車】
ランエボ待望論も多いなか、ベストカーはかねてより「次期エボ」がSUVとしてまず復活すると報じてきた。
今回ベストカースクープ班がキャッチした最新情報、そしてタイで発表されたパジェロスポーツの国内導入についても迫ろう。
文/写真:ベストカー編集部
ベストカー2019年9月10日号
■2020年市販化を目指す次期エボはSUVだ
三菱自動車の目玉として期待したいのがe-エボリューションだ。「エボリューション」という名のとおり、三菱としてはかなり力を入れたモデルとなる。
前回、2017年の東京モーターショーにコンセプトモデルとして出展されたe-エボリューションが、市販モデルに向けてブラッシュアップされるとの情報が入ってきた。
ブラッシュアップされた市販バージョンのe-エボリューション(ベストカー予想CG)。スポーティSUVとなるが完全なるピュアEVだ
2017年の東京モーターショーでは「e-エボリューションは今後、三菱自動車が目指すべき道筋を示すコンセプトモデルである」という趣旨の説明がなされた。
つまり、このままの姿、搭載技術がフルに搭載された市販モデルが登場するということではない。
しかしこのモデルで示されたデザインコンセプトであるとか、電動化技術などが今後の三菱車に活かされていくことを示唆した、コンセプトモデルということだ。
アウトランダーPHEVですでに採用している前後2モーターのS-AWC制御は引き続き採用されるが、このe-エボリューションは完全なるピュアEVになる。
「エボリューション」という名からランエボの後継かと思われるかもしれないが、実際はそうではない。
2017年東京モーターショーに出展されたe-エボリューションコンセプト。低く構えたキャビンはスポーツを予感させるが大径タイヤと車高でSUVということはすぐわかる
当面SUV開発に特化する三菱自動車の方針は変わらず、まずはSUVで「エボリューション」を復活させることになる。
2020年冬の市販化を目指して開発が進むe-エボリューションは、三菱の方針を象徴する存在であり、いわば「EV版ランエボSUV」。
もちろん「エボリューション」の名に恥じない走りを魅せる仕上がりになるはずで、その姿を1日でも早く見たいものだ。
2019年東京モーターショーではこのe-エボリューションの新たなコンセプトモデルも登場する可能性も高く、今後の続報に大いに期待したい。
■ハイラックスが売れるならパジェロスポーツも売れるはず??
パジェロの国内販売は2019年8月をもって終了する。そのいっぽうでタイで生産される新型パジェロスポーツが2019年7月25日に発表された。
今後、タイをはじめフィリピン、オーストラリアなど世界90カ国で販売される計画だ。
キリっとしたパジェロスポーツのエクステリア。デリカと似たライト処理など、コンパクトなSUVとして売れそうにも思えるが……
パジェロの名は付いているが、フレーム構造はチャレンジャーがベース。2.4Lのディーゼルエンジンでパワフルな走りも特徴的だ。
もちろん4WD性能は本家パジェロ譲りで、全体的にヘビーデューティでタフなクルマ。現段階では残念ながら日本導入の発表はまだない。
かつて三菱はタイ生産のトライトンを国内展開していた。とはいえ、ガソリンエンジン+ATのみの設定などもあり販売面では苦戦した
しかしながらかつては同じくタイで生産されているトライトンを国内展開していた実績もあり(ガソリン+ATのモノグレードだけの展開で販売は苦戦)、パジェロスポーツについても決して夢物語ではない。
トヨタのハイラックスも日本に上陸したし、個性が必要になる日本市場ではパジェロスポーツという存在が必要ではないだろうか?
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