234(男子)/137(女子)km 過酷なレース
text:Kumiko Kato(加藤久美子)
【画像】クルマ好きに大チャンス なかなか見れないオリンピック特殊仕様【限定車と比較】 全64枚
photo:Hiroto Kato(加藤博人)
editor:Taro Ueno(上野太朗)
東京オリンピック2020自転車競技「ロードレース」は、東京・武蔵野森公園(調布市)をスタートして、富士スピードウェイをゴールとしている。
静岡県公式サイトの説明では、男子のレース距離は約234km、獲得標高は約4865m、最高到達点約1451m(静岡県裾野市須山)。女子のレース距離は約137km、獲得標高は約2692m、最高到達点約1121m(山梨県南都留郡山中湖村)と公表されている。※獲得標高とは累積標高差のことでスタートからゴールまでの上った高さの総計のこと。
五輪自転車競技として史上最高に過酷なコースと評されるレースに、特別チューニングが施された「カローラ・ツーリング」が投入されているのをご存知だろうか?
各国のサポートカーとして、また国やチームに関係なく中立な「ニュートラルサポート」をおこなう車両としても大活躍しているのだ。
24日の男子ロードレースは、カローラ・ツーリングの雄姿が動画や写真でSNSに多数アップされている。
クルマ好きの間では「デザインがカッコいい!」「めちゃコーナー攻めてる!」などなど、自転車以上の? 盛り上がりになっている。
なお、25日女子のロードレースでは、強豪国として知られるオランダチームが他国チームにカローラ同士で追突する事故も発生してしまったが、バンパーがへこんだ程度でクルマの傷を確認したあとに即座にサポートに復帰した模様。
ロードレースに合わせて各国のサポートカーが集団になってかなり接近して追走する形をとるため、このような事故が起こるのも致し方ないかもしれない。
後ろに控える青いニュートラルサポート
ワクチン接種済みの筆者は25日、自転車ロードレースをサポートするカローラ・ツーリングの雄姿を撮影すべく東京都稲城市のコース沿線に出かけてみた。
競技の先頭を走る白バイや警察車両が過ぎたあと、メディア車両が数台通過し、自転車が集団で登場。スタートから10kmはパレードランとなり、筆者が見学したのはそのパレードランが終わって競技が開始されて間もないエリア。まだほとんど大きな差はついていない。
そして自転車集団のすぐあとをカローラ・ツーリングが走って来た。最初に姿を見せたのは「コントロールカー」であるオフィシャルのカローラ・ツーリング。
その後ろから青いカローラ・ツーリングが2台走って来た。鮮やかなブルーが印象的だ。
この青いカローラ・ツーリングは「Neutral Service」(ニュートラル・サービス)と呼ばれるもので、特定の国やチームを対象にしたサポートではなく、ニュートラル=中立の立場でサポートをおこなう。
オフィシャルのあとについてレース中に発生する選手の機材トラブルなどに対応し、ルーフに搭載した代替機材を提供してレースを続行させる役目を担っている。(チームのサポートカーが離れた場所にいる場合やサポートカーを持たないチームをサポートする目的もある)
ルーフキャリアに載っている代替機材の自転車には「SHIMANO」の文字。シマノはスポーツ自転車部品の世界最大手企業で1921年に島野鐵工所として創業いらい、今年でちょうど100周年となる。釣り具ブランドとしてもおなじみだ。
シマノはツール・ド・フランスを含む、欧州で開催される400以上の自転車レース競技をサポートしており、東京2020でもシマノカラーの青いニュートラルサポートカーが大活躍しているのだ。
各国チームの白いカローラ・ツーリング
青いニュートラルサポートカーのあとは、各国チームに貸与された白いカローラ・ツーリングが続く。
自転車ロードレースはテレビ放映がなかったが、ネットで配信されたり、沿道に駆け付けた人々がSNSなどに動画をあげたりして、カローラ・ツーリングの華麗な走りが拡散されたことで、クルマ好きからも一躍、注目される競技となった。
実際、各国チームのメンバーが運転するサポートカーは、過酷なレースの自転車集団につかず離れずの形で休む暇もなく後を追う形となるため、こちらもなかなか過酷だ。
ちなみに東京2020の自転車競技を率いているのは、元F1ドライバーである片山右京氏である。
自転車レースへの参戦経験も豊富な片山氏はスポーツマネージャーとして競技全般を取り仕切っており、サポートカーのチューニングにも深く関わっているとのこと。
トヨタ・カローラ・ツーリング特別仕様車2000リミテッド
今回サポートカーとして投入されたカローラ・ツーリングに近い仕様のモデルは昨年6月1日に「トヨタ・カローラ・ツーリング2000リミテッド」として500台限定で販売されている。価格は262万200円。
・直列4気筒2.0L「M20A-FKS」型
・ダイレクトシフトCVT(パドルシフト付10速スポーツシーケンシャルシフトマティック)
・2WD(FF)
カローラ・ツーリング以外にもいろいろ
自転車ロードレースにはカローラ・ツーリングの他、様々なクルマがそれぞれの任務を果たすべく参加している。
これらの中で最も偉い人が乗るクルマは恐らくUCI(国際自転車競技連合)のトップが乗るハリアーになるだろう。いっぽう、価格的に高額なのは審判責任者が乗るレクサスES 300hか。
いずれも、7月24日の男子ロードレース、25日の女子ロードレース合計で往復の移動含めて2日間で500km以上を休憩もなく、途中下車ももちろんなくひたすらレースの後を追って走行するわけだから運転する方も乗っている方もなかなかハードである。
カローラ・ツーリング以外の各車両と用途をご紹介しておこう。
トヨタ・ハリアー
UCI President(国際自転車競技連合会長車両)
トヨタ・ハイエース
Broom Wagon(脱落者を決める最後尾に位置する車両)
トヨタ・ハリアー
Finish Judge(ゴール審判用)
レクサスES 300h
President Commissaires(審判責任者用)
レクサスUX 250h
Commissaire4(審判用4号車)
レクサス IS Fスポーツ
Commissaire 3(審判用3号車)
レクサスNX 200h
Commissaire 2(審判用2号車)
トヨタ・ヤリス・クロス
Radio Assistance(無線係車両)
またこれらの車両の他、メディアの移動用、医師を乗せたドクターカー、人員輸送用のマイクロバスや各種警察車両や救急車など含めると車列は総勢70台以上。
参加国も参加選手の数も2倍近い男子レースの方がもう少し多かったであろう。
特別なクルマたち まだ見られる?
ところで東京2020の自転車競技やそれらを支える車両は今後、また見られる機会はあるのだろうか?
答えはYES。7月24~25日のロードレースは終わってしまったが、7月28日(水曜日)には個人タイムトライアル(男女)競技が予定されている。
富士スピードウェイを中心に周辺の道路で自転車競技やサポート車両の雄姿を見ることができるはずだ(まったく同一の車両かどうかは不明)
個人タイムトライアルの総走行距離は男子44.2km、女子22.1kmで富士スピードウェイの中には入れないが、周辺の公道では密を避けての観戦も可能だ。
さらに9月1日~3日に開催される「パラリンピックロードレース」は富士スピードウェイをスタート・ゴールとして小山町内の公道を含む約13.2kmのコースで競技がおこなわれる予定である。
いずれも沿道での観戦する場合は、密をさけてマスク着用、大声での応援を控えることなどがマスト事項だ。
クルマ好きは、ふだん見ることのない特別な車両に目を向けるのも、公道レースならではの楽しみだ。
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みんなのコメント
チームディレクター、ドライバー(ディレクター自ら運転する場合もある)メカニックの2〜3名乗車でルーフニは自転車満載、車内にはスペアホイールや大量の補給食と補給ボトル。
その状態で下りワインディングを100km/hにもなる選手達を追いかけ続け、自チーム選手がエスケープするなどレース展開によっては他のチームカーやメイン集団の選手達をごぼう抜きして前を追うことも。
他のチームカーとも数十センチくらいまで接近し、なるべく前で選手にボトルを渡したりするのでチームカー同士の軽い接触なんて当たり前。
今大会スポンサーのトヨタで、そのチームカートしての性能要求に応えられるクルマがカローラツーリングの2リッターだったということでしょう。