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わがままを叶えてくれるプレミアムSUV──新型レクサスNX350“F SPORT”試乗記

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わがままを叶えてくれるプレミアムSUV──新型レクサスNX350“F SPORT”試乗記

一部改良を受けたレクサスの新しい「NX」に小川フミオが試乗した。

よくまわるスポーティなエンジン

愛車の履歴書──Vol41. 大黒摩季さん(前編)

おとな4人が乗っていられるサイズのプレミアムSUVで、運転が楽しめて、しかも価格が手頃……そんなクルマを探している人には、レクサスの新しいNX350“F SPORT”を勧めたい。今のNXシリーズは、2024年2月に改良が施された。

改良されたNXシリーズのみどころのひとつは、ボディ剛性の強化だ。リヤボディの変形を抑えるブレース等を追加することで、ハンドル操作のダイレクト感を上げ、“意のままの走り”を、さらに向上したとされる。「併せて、走り込みを通じてサスペンションのチューニングを熟成し、乗り心地も高い次元で両立した」とは、レクサスの言。

新しいNX350“F SPORT”は、NXシリーズのなかでもスポーティなドライビングを好む人に向けたモデルだ。2.4リッター直列4気筒ガソリンターボエンジンは、個人的には、レクサスとトヨタが有する4気筒のなかでもっとも好感の持てるユニット。

今回の改良で、スムーズな発進やアクセル操作に対するリニアな車速コントロールを実現して、ドライバーがクルマとの一体感をより強く感じるようにしたという。走り始めの前後トルク配分の見直しもおこなれた。

実際に、新しいNX350“F SPORT”に乗ると、アクセルペダルを軽く踏み込んだだけで、車体がグイっと前へと出ていく。出足の力強さはけっこう印象的で、その気になればかなり速い。

その先の、中間加速もNX350“F SPORT”の得意とする領域だ。このエンジンはよくまわるうえに、回転とともにもりもりとトルクが湧き上がる感じが気持ちいい。このエンジン、NXでは350シリーズ(Fスポーツとオーバートレイル)にのみ搭載されている。

NXにおけるICE(エンジンのみ搭載モデル)は、この350シリーズと250シリーズに限られる。後者では前輪駆動と4輪駆動が選べるが、NX350シリーズは4輪駆動のみ。アクセルペダルを強めに踏み込むと、前輪が車体を引っ張り、同時に後輪が力強く前へと押す。そんな印象だ。

ハンドリングは“F SPORT”だけあって、車体のロールが抑えられ、乗り心地はやや硬め。車体のフラット感が強く、そして静粛性も高く、よく出来たグランドツアラーと感じられた。20インチ径ロードホイールと組み合わされたライフラットタイヤもうまく使いこなしている。今回の改良において、ボディ系とエンジン懸架系をノイズとバイブレーション低減のために見直したというだけある。

ただ、個人的な印象では、ステアリングスピードがややゆっくりめで、小さなコーナーなどでは思っていたより多めにハンドルを切る必要があった。場合によっては切り増しが必要。これが意外。もうすこしシャープだと、運動性能とのマッチングがよりよくなるだろう。

もうひとつ、これはおなじ硬貨の表裏といえるのかもしれないが、発進時のトルクがやや強すぎると感じたのも事実。ジェントルな発進のときにはアクセルペダルの踏み込みに気をつかう必要がある。私はそういうときのためにドライブモードで「エコ」モードを使っていた。自分の気分に合わせてドライブモードを切り替えることで、期待以降にキャラクターの変化を楽しめる。こっちは硬貨の表面といっていいだろうか。

欲張りな人にぴったり“F SPORT”のインテリアは、ショルダー部分が張りだした、専用シートが用意される。見た目はやや圧迫感がありすぎるようにも思えるものの、からだをしっかり支えてくれる。後席もサイドサポートが適度にあって、居心地がよい。

さらにNX350“F SPORT”では、ヘッドランプユニットが、三眼フルLEDヘッドランプ+アダプティブハイビームシステムへ変更された。「Advanced Park(リモート機能なし)+パーキングサポートブレーキ(周囲静止物)」機能追加も、同モデルの特徴だ。

さらに、NXシリーズ全車では前席にふたつの充電用USBタイプCソケット、後席用アウトサイドハンドルへの照明、盗難・不正売買防止策としてウインドシールド下の助手席側にVINナンバーなどが追加された。

かたまり感のある、まとまりがいいボディデザインは、NXの最大の魅力のひとつ。その印象は、いまも衰えていない。運転が好きで、汎用性の高さも大事……という人には新しいNX350“F SPORT”、いいと思う。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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