入出庫から充電までを全自動化した未来の駐車場

独フォルクスワーゲンは14日、新しい自動パーキングシステム“V-Charge（Vチャージ）”の概要を発表した。大規模パーキングエリアへの入庫や出庫を自動化する概念で、電気自動車への充電までも自動で行う。しかも駐車場へのインフラ整備は小規模で済むという。

フォルクスワーゲンが発表した自動パーキングシステム“V-Charge”は、ドイツ内外の6つの企業や研究機関が実用化を目指し共同で開発を進めているもの。駐車場の空きスペースの探しからそこへの入庫、電気自動車の充電、出庫までをすべて自動で行う。しかも充電完了後は、一般スペースへの移動も自動で行うという。全自動のヴァレットパーキングと考えるとわかりやすいだろうか。クルマを引き上げる際はスマフォから指示を出すだけという簡単さだ。

日本ではそれほど一般的ではないが、アメリカなどでは駐車を第三者へ委ねてしまうヴェレットパーキングが浸透している。V-Chargeでは、その際の空きスペースを探す手間や時間を省けるほか、先を急ぐユーザーが駐車時間を短縮できるメリットをうたっている。

またV-Chargeは、施設を自動運転専用に限定することなく運営できることも大きなメリットとなる。自動車に搭載されるカメラやセンサーのほか、駐車場内にも歩行者や自転車を捉えるカメラなどが設置され、それらが車載システムと連携して事故を未然に防ぐからだ。

夢物語的なシステムのように感じるが、フォルクスワーゲンによれば、Vチャージは車載のカメラやセンサー、および運転アシスト装置など、現時点ですでに実用化されている技術の組み合わせで実現できるという。そのため駐車場への大きなインフラ設備も必要としないとか。実用化に向けた今後の動向を見守りたい。