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ARTA NSXの猛攻防いだ安田/平中組GAINER GT-Rが雷雨中断挟んだ500km戦を制す【第2戦富士GT300決勝】

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ARTA NSXの猛攻防いだ安田/平中組GAINER GT-Rが雷雨中断挟んだ500km戦を制す【第2戦富士GT300決勝】

 2019年のスーパーGTは5月4日、富士スピードウェイで第2戦の決勝レースが行われ、スーパーGT GT300クラスは最終ラップの攻防を戦い抜いたGAINER TANAX GT-Rが優勝を飾った。

 通常大会より200km長い、500kmで争われる第2戦富士。前日の予選日は好天に恵まれたが、決勝日は午後のウォームアップ走行直前に灰色の空が広がると、グリッドウォーク中に雨が降り出してしまう。

【順位結果】2019スーパーGT第2戦富士 決勝

 雨粒も大きく、路面はあっという間にウエットに。グリッド上ではタイヤを交換する車両も見られれるなか、路面コンディションが変化したこともあり、開幕戦岡山同様、この第2戦もセーフティカー先導のもとスタートを迎えることになった。

■“ちょい濡れ”に強いダンロップ履くGAINER TANAX GT-Rが快走も、2戦連続の赤旗中断に

 定刻の14時30分にセーフティカー先導でレースがスタート。セーフティカーランは2周続き、レースは3周目にスタートを迎えた。

 このスタートではポールシッターの平峰一貴が操るリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rがマージンを広げてTGRコーナー(1コーナー)をクリアしたのに対し、後方では松井孝允のHOPPY 86 MCと坂口夏月のADVICS マッハ車検 MC86 マッハ号がサイド・バイ・サイドでTGRコーナーへ飛び込んでいく。

 マッハ車検MC86はHOPPY 86のアウトからオーバーテイクを仕掛けようとしたものの、TGRコーナーでは交わせず。逆にインをついてきた安田裕信のGAINER TANAX GT-Rに交わされて4番手に後退してしまう。

 ポジションをひとつ上げたGAINER TANAX GT-Rは続くコカコーラ・コーナー~トヨペット100RでHOPPY 86の背後に迫ると、アドバンコーナーの進入でオーバーテイク。2番手に浮上して、ニッサンGT-R GT3がワン・ツー体制を構築していった。

“ちょい濡れウエット”に強いと言われるダンロップタイヤを履くGAINER TANAX GT-Rは、逃げるリアライズGT-Rを猛追すると5周目にはテール・トゥ・ノーズに持ち込んでいく。

 その周のセクター3でリアライズGT-Rの背後につけたGAINER TANAX GT-Rは、最終コーナーのパナソニックコーナーでリアライズGT-Rを攻略してトップに。交わされたリアライズGT-Rも直後のホームストレートでサイド・バイ・サイドのバトルに持ち込んだが、TGRコーナーに向けてイン側ラインをキープしていたGAINER TANAX GT-Rがポジションを守っていった。

 このころから富士スピードウェイには稲光や雷鳴が轟くように。雨量も増え始め、完全なウエットコンディションへと変化していくと、GT300の周回で11周目にセーフティカーが導入され、GAINER TANAX GT-Rが築いていた約2秒のマージンは一度リセットされることとなった。

 セーフティカー導入中も雨量は強くなり、15周目には強くなった雨に足元をすくわれたかスピンしてしまう車両も現れるなど、コンディションは悪化の一途をたどる。そして16周目を迎えた15時4分、赤旗が掲示され、レースは一時中断された。

 この時点のポジションは、トップがGAINER TANAX GT-R、2番手にリアライズGT-R、3番手ARTA NSX GT3、4番手Modulo KENWOOD NSX GT3、5番手グッドスマイル 初音ミク AMGだった。

■約30分後にレース再開。一転してドライコンディションでの争いに
 強く降り続いた雨も小康状態となり、15時33分にレース再開。ふたたびセーフティカー先導のもと、隊列が動き出す。セーフティカーランは15時41分に終わり、18周目からレースが再開された。

 このリスタートで3番手につけていたARTA NSX GT3がTGRコーナーで止まりきれずにオーバーシュートし、Modulo NSX GT3に交わされて、4番手に後退。また、その後方ではMcLaren 720Sがポジションを上げると、19周目にはK-tunes RC F GT3、ARTA NSX GT3を相次いで攻略。4番手まで浮上している。

 McLaren 720Sをドライブするアレックス・パロウは、21周目終わりにModulo NSX GT3の大津弘樹に接近、テール・トゥ・ノーズに持ち込むが、その背後にはK-tunes RC F、ARTA NSX GT3、さらにはLEON PYRAMID AMGも迫り、3位争いは5台のバトルに発展していく。

 このなかで驚異的なペースを発揮したのがLEON AMGの蒲生尚弥。この5台のなかでひとり1分47秒台のペースを刻むと、1周でARTA NSX GT3、K-tunes RC F、McLaren 720S、Modulo NSX GT3を攻略し、26周目に3番手へ浮上する。

 さらには先行するリアライズGT-Rを27周目のTGRコーナーで交わし、クラス2番手までポジションを上げ、10秒近く先行するトップのGAINER TANAX GT-Rを追いかけていく。

 先行するGAINER TANAX GT-Rより3秒近く速いペースで周回するLEON AMGは、30周目に追いつくと、トヨペット100RでアウトからGAINER TANAX GT-Rを一撃で抜き去り、トップを奪っていった。

 33周を経過したころから、GT300ではピットインタイミングを迎える車両も出始める。35周目には2番手を走行していたGAINER TANAX GT-Rがピットイン、路面が乾き始めていたころから、いち早くタイヤをスリックに変えて暫定16番手でコースへ復帰した。その翌周にはリアライズGT-R、ARTA NSX GT3なども相次いでピットインしている。

 トップのLEON AMGは、39周目にピットインし、暫定4番手でコースへ。しかし、先にピットを済ませていたGAINER TANAX GT-Rに先行を許したほか、42周目にはリアライズGT-Rのサッシャ・フェネストラズにも交わされてしまった。

 全車が1回目のピットを終えて、トップはGAINER TANAX GT-R。2番手にリアライズGT-R、3番手にLEON AMGと続くと、その後方にはARTA NSX GT3とマネパ ランボルギーニ GT3が接近。なかでも小暮卓史がドライブするマネパ ランボルギーニはペースを上げ、62周目にはLEON AMG、ARTA NSX GT3を交わして3番手に浮上してみせた。

 交わされたARTA NSX GT3をドライブする福住仁嶺も小暮を追いかけていくが、じわじわとギャップを広げられ、69周目時点では1.517秒まで差が開く。小暮に引き離されてしまった福住は、71周目にピットイン。ステアリングをふたたび高木へと託した。

 リードを11秒以上まで広げ、トップを快走していたGAINER TANAX GT-Rは73周目に2度目のピットへ向かい、平中克幸から安田にドライバー交代。タイヤを交換し、51.4秒の静止時間でコースへ復帰していく。トップと同じタイミングでは4番手を走行していたLEON AMGもピットへ向かっている。

 74周目終わりにはリアライズGT-R、マネパ ランボルギーニも揃ってピットイン。2台は連なってコースへ復帰していったが、先にピットを済ませていたARTA NSX GT3がTGRコーナーで2台をまとめて交わしていった。

■優勝争いは最終周に激化もGAINR安田が鉄壁の守り
 暫定トップだったエヴァRT初号機 X Works GT-Rが81周目にピットへ向かうと、GAINER TANAX GT-Rがクラス首位に再浮上。約7秒後方の2番手にARTA NSX GT3、約9秒後方の3番手にリアライズGT-Rが続いていく。

 トップを走るGAINER TANAX GT-Rの安田は6秒前後のマージンを維持して周回を重ねていたが、97周を過ぎたころからペースが落ち始め、徐々に2番手ARTA NSX GT3とのギャップが縮まっていくと、99周目には2.5秒まで接近する。

 また、後方では3番手リアライズGT-Rと4番手マネパ ランボルギーニも接近。100周目のTGRコ―ナーでインに飛び込んだマネパ ランボルギーニの元嶋佑弥がリアライズGT-Rの平峰を交わし、3番手に浮上した。

 GAINER TANAX GT-RとARTA NSX GT3のトップ争いは、チェッカーまで3周の時点で2.1秒差まで接近。翌周には1.1秒差、そしてファイナルラップには0.2秒差のテール・トゥ・ノーズに発展する。

 トヨペット100Rでは、安田が操るGAINER TANAX GT-Rの背後に高木のARTA NSX GT3がピタリとつけるが、先行する安田は前にいたGT500のKeePer TOM’S LC500を高木との間に入れてギャップを確保。

 ダンロップコーナーから最終セクターでも高木が安田の隙をうかがうが、安田はブロックラインで防御すると、最終コーナーでもイン側ラインを占めて立ち上がるとトップチェッカー。2位ARTA NSX GT3とは、わずか0.239秒差だった。

 ARTA NSX GT3は2戦連続の2位表彰台、3位にはマネパ ランボルギーニが入り、小暮卓史がGT300参戦2戦目で表彰台を獲得。ウエットからドライへ路面コンディションが変化するなか、ダンロップ、ブリヂストン、ヨコハマの3タイヤメーカーが表彰台を分け合う形となった。

4位以下は、ポールシッターのリアライズGT-R、追い上げをみせたLEON AMG、初音ミクAMG、エヴァRT初号機 X Works GT-R、Hitotsuyama Audi R8 LMS、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3、GAINER TANAX triple a GT-Rと続いている。

 次戦の第3戦は5月25~26日に鈴鹿サーキットで行われる。

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