■渋滞解消直後の中央道でヴェゼルが停止、なぜ? ホンダに聞いてみた!
2023年5月5日朝、中央道笹子トンネル(山梨県大月市)内で発生した9台の玉突き事故による大渋滞が解消した直後、高速道路の本線上で立ち往生しているホンダ「初代ヴェゼル」が2台、相次いで目撃されました。
なぜ突如としてヴェゼルが立ち往生してしまう事態となったのでしょうか。
2台のヴェゼルが立ち往生している際の様子について、たまたま近くを通りがかったカーシェアマニアこと朝倉明夫氏は次のように話しています。
「中央道の追越車線と走行車線、それぞれ完全に止まった状態のヴェゼルに2台遭遇しました。
ここを通る前は大渋滞で停止と発進を繰り返すような時速5キロ以下の状態が続く(、極めて遅い)ノロノロ走行をしばらく続けていました。
渋滞が解消して事故現場を通りましたが、周囲のクルマはそのヴェゼルを避けて走行していました。
立ち往生していたヴェゼルの車内まではわかりませんが、車外には人はおらず1台は三角板出ていましたが倒れていましたね。
私がその場所を通った際は時速50キロくらいでしたが、それ以上にスピード出しているクルマもいました。
本線上での立ち往生ですから、渋滞が解消され時速100kmキロぐらいで走るクルマが増えてくるとかなり危険だったと思います」
2022年11月の紅葉シーズンに栃木県日光市のいろは坂でホンダ車の立ち往生が複数発生しましたが、今回のヴェゼルと共通するのは、1モーター・ハイブリッドシステム「i-DCD」を搭載するモデルということで、同様の原因が考えられます。
i-DCDとは、エンジンとモーターを組み合わせたホンダ独自のハイブリッドシステムで、マニュアルトランスミッションのような構造を2つのクラッチと高出力モーターによって構成する7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)を採用しているのが特徴です。
そんな特徴を持つホンダのハイブリッド車(i-DCD)ですが、前述のような渋滞が長引く状況でトランスミッションのクラッチ部分に熱負荷がかかることで、安全機能が働いて止まることが理由だと言います。
なお、i-DCDを採用しているホンダ車は、「3代目フィット 型式:DAA-GP5, DAA-GP6」、「初代ヴェゼル 型式:DAA-RU3, DAA-RU4, 6AA-RU3, 6AA-RU4」、「グレイス 型式:DAA-GM4,DAA-GM5」、「ジェイド 型式:DAA-FR4」、「シャトル 型式:DAA-GP7,DAA-GP8,6AA-GP7,6AA-GP8」、「2代目フリード/フリード+ 型式:DAA-GB7, DAA-GB8, 6AA-GB7, 6AA-GB8」です。
―― 突然クルマが止まってしまうことの予防はできますか? どんなことに気を付けて運転すればよいでしょうか?
お客様には坂道発進、長時間の渋滞など時速4キロ前後で長い間走行している状況では、特にブレーキを確実に踏んで発進・停止をしていただくことに気を付けていただきたいと考えます。
理由としては、仮にお客様が停止時にブレーキではなく、アクセルのみで発進・停止を繰り返す(アクセルを緩く開け続ける状態= 半クラッチのような状態)と、車両のトランスミッションにかなり負荷がかかり高温になってしまうからです。
―― 立ち往生しそうになったらどのような対応をすればよいでしょうか?
(アクセルを緩く開け続ける状態=半クラッチ走行状態)が長く続くと徐々にクラッチ温度が上昇し、温度が高くなると、 ディスプレーに「トランスミッション高温:安全な場所に車両を停車してください」という警告が出る設計になっています。
このような警告が出たらまずは、車両を安全な場所に停車してください。
■もしクルマが止まった場合は? どうすれば回復できるの?
―― クルマが止まってしまった場合、どうすれば回復できますか?
安全な場所に停車した後に時間を置いていただき、高温になってしまったトランスミッションが冷却されれば、警告は自動的に消えます。そのあとは走行可能となります。
ただし一度負荷がかかったトランスミッションの状況確認のため、お客様にはお近くのホンダ販売店で点検を受けていただくことを推奨しております。
―― 警告が出たら要注意ということですね。まず何をすべきですか?
警告表示は二段階となります。
●一段階目の警告
「トランスミッション高温」
車速(時速7キロ以上)を上げられる場合はそのまま走行を続けていただくとトランスミッションが冷えますので高温が解消され警告も消えます。車速を上げられない場合は、早めに安全な場所に停止してください。
●二段階目の警告
「トランスミッション高温:安全な場所に車両を停車してください」
このメッセージが出たら、すみやかに安全な場所に停止してください。警告を無視してノロノロと走行を続けてしまうとトランスミッションに負荷がかかる可能性があります。
※ ※ ※
オーナーでなければ注意することも少ないかもしれませんが、カーシェアやレンタカー使用時にも対象車種であれば立ち往生が発生する可能性があります。
もし対象車種に乗って上り坂での長時間の渋滞にはまってしまった際には、特に注意してください。
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みんなのコメント
やっぱホンダ車は信用できないわ