フェラーリのカルロス・サインツは、自身が第16戦シンガポールGPでメルセデスのルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルからポジションを守るために行ったDRS作戦を、第17戦日本GPでメルセデスが行おうとしたのを見て「マシンのなかで笑った」と述べている。
サインツは日本GPのレース終盤にメルセデスのふたりに追いついたが、その時点でラッセルは5番手、ハミルトンは6番手を走行していた。1ストップ戦略を選択したラッセルのタイヤははるかに傷んでおり、メルセデスはドライバーたちの順位を入れ替えることを余儀なくされた。
サインツ6位「ハミルトンにフレッシュタイヤで挑もうとしたが、時間切れになった」フェラーリ/F1日本GP
その後ラッセルはサインツをかわすために、DRSを使わせるようハミルトンに要求した。サインツはこの策略に気づき、チームに「彼らは僕の作戦を僕に対して使っているよ!」と伝えた。
だがラッセルがタイヤにハンデを抱えていたことから、サインツは一気に彼を抜き去った。サインツはその状況を面白がっていたことを認めた。
「実際に面白いと思ったよ」とサインツは語った。
「僕はマシンのなかで笑っていた。ジョージがDRSを使えるようにルイスが130Rのところで減速したのが見えたからね」
「僕の方は、シケインに入るところで確実にジョージをアタックする必要があった。彼に対処しなければ、彼らを追い抜くのは不可能だ。シケインに深く入り、なんとか少しスイッチバックしてDRSを使った。すべてのスリップストリームを使って彼を追い抜いた。とても楽しかったよ。自分の作戦で自分の順位を失うところだったけれどね」
サインツは、メルセデスはラッセルにハミルトンの前を走らせておけば、彼らのポジションを守ることに成功していたかもしれないと述べた。
「正直なところ、ルイスが後ろのままだったら彼らにはもっといいチャンスがあったかもしれない。でも同時に僕はルイスに仕掛けていっただろうね。ジョージはS字とターン8、ターン9ではとても遅かったからだ」
「ターン11かターン13に進入するところで試しただろう。両方とも超低速コーナーだ。今ではわからないことだけどね。ルイスの次にはジョージがいたから、ルイスを後ろに抑えてもリスクがあっただろう」
終盤の無線では、サインツはハミルトンを「追いかける」と明言していた。しかし7度の世界チャンピオンにサインツは手が届かなかった。
「鈴鹿はオーバーテイクがかなり難しいことが今日わかったと思う。そしてトラックポジションが基本になる。僕はルイスに近づいていった時、彼よりコンマ4秒から5秒速かったと思う」
「それは追い抜くのに十分な差分とは思えない。ただ、最後の2周は僕の方が速かった。1秒速くなければ、追い抜けないということだ。また、シャルル(・ルクレール)はジョージに手こずっていて、彼を追い抜くのにかなり長い時間がかかっていた」
「トラックポジションが重要であることが今日証明されたが、僕たちはピットストップでポジションを失ってしまった。僕たちはルイスと4秒差で前にいたけれど、戻った時は8秒の差がついていた」
前方では、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が4番手のポジションをキープしており、サインツは6位より上の順位になれた可能性もあった。
「僕たちは結果が示しているよりもいいペースを出していたと思うよ」とサインツは語った。
「スタート直後からすごく速かったと思う。とてもいいスタートを切ることができた。そして第1スティントでは、前方のドライバーたちよりもペースが出ていると感じた。タイヤマネジメントもうまくいった」
「当然ながら、後方のトラックポジションにいることの影響は常にある。特に、暑い鈴鹿でオーバーテイクするのは難しい」
「でも正直なところ、今日は通常の状態に戻れたと思った。リズムを掴むとすぐに、マシンをよく理解してうまくドライブすることができた。最後のピットストップは残念だった。あれがレースタイムにかなり響いたけれど、しょうがないことだ」
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