2023年1月に第5世代となるトヨタの新型「プリウス」が発売開始となりました。最新モデルの「プリウス」に搭載されるパワートレインは、どのようなものか。また、走りに関する特徴などもあわせて解説します。文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
2つのハイブリッド・システムとFFと4WD
4WDと4輪操舵を使った安定感溢れる走りを実現 トヨタ クラウン(クロスオーバー)のパワートレインと走行性能【プロ徹底解説】
新型「プリウス」には、2種類のパワートレインが用意されています。ひとつは、2リッターのガソリン・エンジンを使うハイブリッド・システム。もうひとつが1.8リッターのエンジンを使ったハイブリッド・システムです。どちらも、最新の第5世代ハイブリッド・システムを搭載しています。
駆動方式はFFと4WDが、2リッターと1.8リッターの両方のハイブリッドに用意されています。4WDはどちらも後輪をモーター駆動するE-Four方式となります。
駆動用の二次バッテリーは、すべてリチウムイオン電池を採用します。ちなみに、1.8リッターのハイブリッドは、法人向けグレード「X」と、サブスクリプションの「KINTO」向けのグレードとなります。
2つのシステム最高出力と燃費性能は
新型「プリウス」の2つのパワートレインの性能は、2リッターのハイブリッドで、システム最高出力がFFで144kW(196PS)、4WDで146kW(199PS)となります。1.8リッターのハイブリッドは、FFと4WDのスペックは同じで、どちらもシステム最高出力103kW(140PS)となります。0-100km/h加速は2リッターで7.5秒、1.8リッターで9.3秒と発表されています。
燃費性能は、装着するタイヤのサイズによって異なります。2リッターのハイブリッドの場合、19インチと17インチのタイヤが用意されています。そのため、19インチ・タイヤを装着した場合は、FFモデルの燃費は28.6km/l(WLTCモード)、4WDは26.7km/l(WLTCモード)となります。17インチ・タイヤ装着の場合は、FFで31.5km/l(WLTCモード)、4WDで29.2km/l(WLTCモード)となります。
1.8リッターのハイブリッドはタイヤが17インチなので燃費は1パターン。FFで32.6km/l(WLTCモード)、4WDで30.7km/l(WLTCモード)となります。
従来型の「プリウス」は、1.8リッターのハイブリッドの17インチ・タイヤ装着の場合、システム最高出力122PSで燃費が27.2km/l(WLTCモード)でした。それと比べると2リッターのハイブリッドは、先代比で約1.6倍ものパワーを実現。燃費性能でも上回っています。
走りを支える第2世代のTNGAプラットフォーム
新型「プリウス」の走りを支える重要な部分がプラットフォームです。フルモデルチェンジにあたり、先代でも使われていたTNGAプラットフォームは改良されました。より高度なボディの結合技術を採用することで、ボディをより高剛性化。また、先代よりも大きな19インチの大径タイヤを採用することでトレッドをワイド化。乗員の座る位置も低くなっています。さらに走行用の二次電池の搭載位置を、従来のラゲッジ下から後席下に移動。ラゲッジ床を低くするだけでなく、低重心化することで、走行性能向上に貢献しています。
また、ブレーキユニットを改良することで、回生ブレーキと摩擦ブレーキの協調がより高度化され、ブレーキペダル操作に対する、より自然なブレーキフィーリングが実現しています。
サスペンションは先代と同じく、フロントがストラット、リヤがダブルウィッシュボーンです。ただし、スタビライザーは、2リッターのハイブリッドでは前後装着に対して、1.8リッターはフロントのみの装着となります。
新型「プリウス」には、2つのハイブリッド・システムが搭載されています。また、駆動方式もFFと4WDが、それぞれに用意されています。ただし、新型「プリウス」では、排気量の小さな1.8リッターのモデルは、法人向け、またはサブスクリプションの「KINTO」向けになっています。普通に購入するのであれば、基本的に2リッターのハイブリッドになることになります。
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