令和も2年を目前に、すでに平成も遠くなった感があるが、平成時代は自動車メーカーがその時々の技術の粋を集めて、走行性能、安全性能を高めた時代といえる。ここでは平成生まれのテクノロジーを7回にわたって見ていこう(タイトル画像はINVECS-IIを搭載した三菱FTO)。
平成6年(1994年)
INVECS-II ●搭載車種:三菱FTO
基本的な機構はコンベンショナルなトルクコンバーターとプラネタリーギアを仕様した4速ATだが、シフト制御内容を高度化、高精度化して、最適制御をするとともに、個々のドライバーの好みや習性を判断し、それに合わせてシフトタイミングを修正する学習制御を導入した。同時にMT感覚の運転が楽しめる日本初の「スポーツモード」機能を搭載した。スポーツモードとしてシフトセレクターを左に倒し、押すとアップ、引くとダウンというシーケンシャルMT的な操作を可能とし、高回転まで引っ張ってのシフトアップや、コーナー手前でのシフトダウンが任意で可能になったのだ。MT的(レーシングカー的)に使えるATとしてもINVECS-IIは好評を得た。
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平成7年(1995年)
VSC(Vehicle Stability Control) ●搭載車:トヨタ クラウンマジェスタ
障害物回避などの急激なハンドル操作をした時や滑りやすい路面に進入したときなど、ドライバーのコントロール能力を超えた横滑りが発生した場合、自動的に各車輪のブレーキ力とエンジン出力を最適化する車両安定制御システム。ドライビングミスによるアンダーステアやオーバーステアをクルマがリカバリーするデバイスともいえる。
平成8年(1996年)
GDIエンジン ●搭載車種:三菱ギャラン
低燃費、低公害が重要視される中で出てきたシステムだ。混合気ではなく、空気のみをシリンダー内に送り込み、ガソリンを直接噴射してスパークプラグによって点火するもの。こうすることによって、当時不可能だったレベルの緻密な燃料供給と超希薄燃焼を狙った。低燃費と高出力、CO2の排出量の削減を謳い、現在、当たり前に行われるようになったガソリンエンジンの直噴の先駆けという面では画期的な技術だった。ただし、当時の技術では限界もありモード燃費は良好でも、実燃費はイマイチだったことや、PM(黒煙)の発生によるエンジン内のカーボンの堆積によるエンジン不調などもあったのも事実。ちょっと時代の先を行きすぎたのかもしれない。
[ アルバム : 平成のクルマを支えたテクノロジー(2) はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
当時まだカクカクのデザインが主流だった中で、あのボディ曲線と、それにマッチしたヘッドランプ、削ぎ落としたようなリヤデザイン、どれを取っても未来的だった。
今、新車で出ても十分通用する。