■新旧アルファードの外観意匠で「継承」したことと「進化」させたこと
2023年6月21日、トヨタは高級ミニバン「アルファード」を約8年ぶりにフルモデルチェンジしました。
先代アルファードもモデル末期まで順調な売れ行きを示していましたが、新型はどのように進化しているのでしょう。新旧アルファードを比較してみました。
【画像】見比べるとこんなに違う!? トヨタ 新旧「アルファード」を写真で見る(50枚以上)
2002年登場の初代アルファードから変わらず続く基本的なコンセプトは「ミニバンのフラッグシップ」という立ち位置です。
なかでも先代(3代目)アルファードでは、豪華なセカンドシート(2列目席)を備えた最上級グレード「Executive Lounge(エグゼクティブラウンジ)」が設定されたこともあり、ミニバンの域を超えた「大空間高級サルーン」としてのポジションを確立するまでに至っています。
4代目となる新型アルファードの開発陣は、こうして20年以上にわたり培われてきたキャラクターを生かしながら、その価値の本質について議論を重ねたといいます。
その結果、アルファードの価値とは、ドライバーと乗員のすべてのユーザーがアルファードの空間を通じて「快適な移動の幸せ」を実現することと定義しました。
そして開発テーマとして「性能を世界基準に昇華させる」を掲げ、振動や騒音対策、燃費や走りなどの基本性能向上に加え、内外装デザインや空間のゆとり、使い勝手なども全面的に見直したといいます。
ここで改めて、先代アルファードと新型アルファードを比較してみましょう。
まずは外観デザインをフロントから順に見てみます。
2モデルを並べてみると、新型アルファードが先代アルファードのテイストを継承し、一見すると似た雰囲気を持ちながらも、細部に渡って洗練度を高めたことが全体として伝わってきます。
まず先代アルファードですが、2015年の開発時、「豪華・勇壮」をテーマにデザインしたといいます。
なかでも堂々としたフロントマスクは、“アルファード”らしさの象徴ともいえるものでした。
華やかなグリル形状は、メッキ加飾を施すとともに、上下左右ともにグリル面積を大きく広げ、バンパー下部のロアグリルまで一体化。見るものに大きなインパクトを与えました。
さらに2017年12月に実施されたマイナーチェンジでは、ヘッドライトとフロントグリルの一体感を高めるなど、好評を得た豪華路線をさらに推し進め、洗練度を高めています。
一方、今回発表された4代目では、全体的なカタマリ感を意識し、闘牛が躍動しているかのようなモチーフのデザインに取り組んだといいます。
特にフロントマスクを横から見ると、エンブレム部分が突き出て最端になる逆傾斜の形状とし、突進するような力強さを生み出しているのが特徴です。
また先代後期のマイナーチェンジモデルから始まった、フロントグリルとヘッドライトの一体的なデザイン形状をさらに洗練させるとともに、ワイド感を強調させたことで、より堂々としたスタイルとなりました。
さらに、グリルの加飾と連続した形状を持つデイタイムランニングライトが、先進的なイメージも高める効果をあげています。
あらためて新旧モデルのマスクを比較してみると、先代アルファードはメッキパーツによる加飾が多く、とても華美に映る一方で、新型では様々なデザインの進化が図られ、全体に洗練度が高められていることがわかります。
■ダイナミックさを増したボディサイドのフォルム
フロントまわりに続いて、新旧アルファードのボディサイドも比較します。
先代アルファードでは、フロントマスクから連続性を持たせたショルダーラインと、前後タイヤの周辺を強調する厚みのあるロア部分が、平板になりがちが大型ミニバンのフォルムに抑揚を与えています。
対して新型アルファードでは、逆傾斜形状のフロント部から連続するエッジの強いショルダーラインが印象的で、スポーティな雰囲気すら感じられます。
サイドのウインドウグラフィックも、斜めにカットされたスライドドア部の窓形状は歴代共通のイメージとしていますが、一筆書きのようなメッキモールを加えることによって、スピード感を高めています。
ボディサイドの抑揚も、よりダイナミックで、トヨタでは「地面を蹴り出すような力強さを感じていただけるようダイナミックに凹凸を持たせました」と説明しています。
ここまで見てきた新旧アルファードの継承と進化というデザインの二面性は、リアまわりの雰囲気でも同様に感じられます。
基本的なフォルムやリアコンビランプの大まかな形状は継承されていますが、凝ったディテール処理を加えたことにより、洗練度は明らかに新型アルファードが勝っていると感じられます。
このように大きく進化した新型アルファードですが、国内での使い勝手にも配慮。
先代とほぼ同等のボディサイズに抑え、機械式駐車場の一般的な制限サイズである全長5000mm、全幅1850mm以下に収めていることも、重要なポイントといえるでしょう。
※ ※ ※
続いて、新旧アルファードのインテリアも比較します。まず運転席・助手席周辺のインパネについて見てみます。
先代アルファードは、センター部の大型モニターからつながる大きなセンターコンソールの重厚なレイアウトが印象的です。
全体に配される木目調パネルは、3Dプリント技術により立体感を表現。金属調の加飾と組み合わされ、室内の質感を高めました。
そして先代アルファード最大の見どころはセカンドシートの豪華さや多彩なシートアレンジで、最上級仕様のエグゼクティブラウンジはその象徴でしょう。
シート幅を拡大した豪華な専用2列目席「エクゼクティブラウンジシート」は、まるでグリーン車やビジネスクラスなどの座席を思わせる豪華さで、電動オットマンやベンチレーションや温熱機構、格納式テーブルなど、多機能な仕様となっています。
このエグゼクティブラウンジの設定により、それまで「クラウン」などの高級セダンを愛用していたVIPたちが、軒並みアルファードへ乗り換える契機となったほどです。
このほかにも、グレードに応じた複数のシート形状や、スーパーロングスライド機構といった独自レイアウトを用意し、ワイドバリエーションを揃えました。
こうした先代アルファードの価値は新型にも継承され、そして大きく進化しています。
■すべては「快適な移動の幸せ」実現のため
快適な移動の幸せを目指す新型アルファードでは、インテリアは「おもてなし」をテーマに掲げ開発されました。
運転席・助手席周辺のインパネは、先代同様の重厚なセンターコンソールと左右に広がるレイアウトにより、適度に包み込まれたコックピット感覚を得られる空間としています。
トヨタではこれを「クルーザーのイメージ」と表現しています。
加えて、先代に対しステアリングの角度を約5度立てることで、よりセダン車などに近い自然なドライビングポジションへと変更されている点も注目されます。
対するセカンド・サードシートの空間は「プライベートジェット」をイメージしたレイアウトとされ、異なる空間づくりが目指されました。
頭上には「スーパーロングオーバーヘッドコンソール」を装備。収納や操作パネル、空調の吹き出し口、そして間接照明、カラーイルミネーションなどが集約されるとともに、すっきりした室内空間づくりにも寄与しています。
エグゼクティブラウンジの専用シートも進化しています。
電動ロングスライド機構や、筋力を使わず安楽姿勢を保てる着座形状、空調・オーディオ・室内灯・シートなどの操作を一括で行える端末「リアマルチオペレーションパネル」など、新たな機能や装備も追加されました。
そしてシートヒーター(温熱機構)がオットマンやアームレストにも追加されたほか、格納テーブルにバニティミラー(化粧直しの用の鏡)が追加されるなど、おもてなし度もさらにアップしています。
このほか、サイドウインドウにトヨタ初採用の下降式シェードを備えたり、スライドドア開口幅の拡大や乗降用グリップの延伸、ドア開閉に連動するステップを左右に装備するなど、細部にわたる改善が図られています。
荷室拡大時に左右へ跳ね上げるタイプのサードシートレイアウトは基本的に先代同様ですが、新型では格納位置を2ポジション設定したことで、セカンドシートを大きく後ろへスライドした際に干渉させない配慮も加えられています。
こうしたインテリアの豪華さ、快適性の向上や機能の改良ばかりではなく、走行時の振動や騒音の対策、上質な乗り心地といった基本性能もしっかり磨き上げることで、新型アルファードの「快適な移動の幸せ」が実現していることも見逃せません。
性能面では、2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジン、2.5リッターハイブリッド、3.5リッター V型6気筒エンジンと幅広いラインナップを誇った先代アルファードに対し、新型アルファードでは2.5リッターガソリンと、2.5リッターハイブリッドの2タイプに絞られました。
また各パワートレインごとに複数のグレードが展開されていた先代に対し、新型では2.5リッター車が「Z」とエグゼクティブラウンジの2グレード、ハイブリッドがエグゼクティブラウンジの1グレードのみと、ラインナップを大幅に絞り、シンプルな構成としています。
ただしハイブリッドには、従来より設定のE-Four(4WD)に加えFF仕様も新設定したほか、燃費性能もさらに向上しています。
内外装を中心に、新旧アルファードを比較してきましたが、歴代が培ってきた“アルファードらしさ”を継承しながらも、大きく進化を遂げたことがわかります。
※ ※ ※
先代にラインナップされていた3.5リッターエンジン仕様は、新たに用意される高性能版の2.4リッターガソリンターボエンジンに代わりましたが、新型アルファードには設定がなく、兄弟車「ヴェルファイア」専用です。
新型ヴェルファイアは、専用チューニングの足回り設定や剛性の強化なども図られ、よりスポーティな仕上がりで差別化を図っているのも新型独自の特徴といえます。
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みんなのコメント
なんでオレは40過ぎても中古のセレナなんだ!
今日も悪口書き込みしてやろう
バカアホバカアホ
あー
すっきりした
😭😭
オウナーの人間性や走り方に問題があるからだろ
昔はオレも悪でさ
って飲み会でウザがられる先輩だわな