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ミツオカ・バディを徹底試乗! 納期2年待ちは伊達じゃなかった!

掲載 更新 141
ミツオカ・バディを徹底試乗! 納期2年待ちは伊達じゃなかった!

 光岡自動車が2020年11月26日に発表し、先行予約を受け付けていた、RAV4ベースのSUV、Buddy(バディ)が2021年6月24日からいよいよ発売される。

 ミツオカ・バディはティザーキャンペーン公開直後から反響が大きく、予約が殺到。なんと、2021年に50台、2022年に150台という予定だったバディの生産台数は、たった2日で売り切ってしまった。

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 その人気を受けて生産計画を変更し、2021年130台、2022年以降は300台とした。現在の総受注台数は560台ほどになるという。2021年6月初旬に注文すると納車はいつになるのか、恐る恐る聞いてみると「今注文いただくと、2023年6月~9月頃をご案内しています」。え~、ということは2年以上待つということ。

 さて、そのバディのメディア向けの広報車が用意され、貸し出しが始まったので、さっそくお借りし、モータージャーナリストの清水草一氏が試乗!

 なぜ、ここまでミツオカ・バディが大人気となったのか? その秘密を探る!

文/清水草一
写真/光岡自動車 ベストカーweb編集部

【画像ギャラリー】本項で載せきれなかったバディの画像も大公開!

■納車2年待ちのバディにようやく乗ることができた!

1990年代のシボレー・サバーバンやブレイザーに近い雰囲気、見た目はアメリカンSUVそのものだ

 納車2年待ちの光岡バディにようやく試乗することができた。2年待ちと聞くとそれだけでありがたみは10倍増。ありがたく乗らせていただきました。

 光岡バディは、トヨタRAV4をベースに、1970~1980年代のヴィンテージ・アメリカンSUVをモチーフとして作られたクルマである。

どうです、このシボレー顔。最近流行のオラオラ顔のアルファードにも負けていない!?

写真をアップにしてもさすがミツオカさん、実によくできている

 最大のウリはフロントマスク。RAV4とはまるで別の、ちょっと昔のアメリカンSUV風のデザインになっている。正確には1970~1980年代ではなく、1990年代のシボレー・サバーバンやブレイザーに最も近いグリル周りだが、そんな細かいことはどうでもいい。このクルマは、「なんとなくヴィンテージ・アメリカン」な雰囲気が感じられれば、それで十分なのだから。

 お尻も、RAV4とはかなり異なり、まずテールランプがテールフィンの名残を感じさせる縦型になっている。そして、RAV4ではナンバープレートがついている部分に、バディはウッド調パネルがあしらわれ、バンパーもメッキになっている。

 一方、サイドから見たバディは、RAV4そのものにかなり近い。フロント部の加飾はフロントフェンダー上から前で、リア部はリアフェンダー後部から後ろ。つまりサイドはほぼRAV4なのだ。

ウッドパネル調パネルやメッキバンパーが特徴。取材車のボディカラーはグローブワンホワイトパール(特別塗装色:8万8000円)

ボディサイドから見るとRAV4ベースであることがよくわかる。サイドのメッキモールはメーカーオプション

RAV4からの改造箇所一覧

ガソリン車が469万7000円~549万4500円、ハイブリッド車が525万300~589万9300円。それぞれ2WDと4WDを用意する

 試乗車は2LガソリンFFの20ST。価格は469万7000円。このほか、20DXや20LXに加え、ハイブリッドのFF、E-FOURなど7モデル(469万7000円)が用意されている。

 ただ試乗車には、メーカーオプションのオールテレインタイヤ(225/70R16)&ディーンクロスカントリー製のアルミホイールのセット(26万4000円)が奢られていたので、サイドビューからも、ライトなアメリカンテイストが感じられた。この「ライトなアメリカンテイスト」こそ、バディのキモだ。

■ガタピシといったボディが軋む音はなく、不安感はまったくなし!

運転席に座って運転していると、当然だが現代的なRAV4そのものの快適な走りをみせてくれる

エンジン音はとても静か。エンジンルーム内の組み付け精度が高く隙間もちょっぴり

 では、実際に走った感じはどうなのか。バディはトヨタRAV4をベースにしているが、メカに関してはRAV4そのままで、何も変更されていない。

 車両重量は、試乗した2LガソリンFFの「20ST」で、1560kg。同じ仕様のRAV4は1500kgだから、60kgだけ重くなっている。

 この60kgの大部分は、フロントとリアの加飾部の重量。つまりバディの走りは、RAV4より60kg重いRAV4ということになる。

メーカーオプションの225/70R16、BFオールテレーンタイヤ、6.5J×16サイズのディーンクロスカントリー製アルミホイール(シルバー)を装着

 60kgといえば、おおむね大人一人分。大人一人余計に乗っただけだ。加えて今回の試乗車には、225/70R16サイズのオールテレーンタイヤが装着されていたので、走りに関してRAV4との違いは、その影響のみということになる。

 一般道を普通に走っている限り、RAV4との差をほとんど感じなかった。オールテレーンタイヤのゴツゴツ感は若干あるものの、まったく不快なものではない。

 このタイヤ、70扁平の16インチ。ノーマルのRAV4は17インチから19インチが標準だから、それよりもハイトがある。ヴィンテージ・アメリカンSUVが扁平タイヤを履いているはずもないので、正しい選択である。

 これが見た目的にも乗り心地的にも、いい影響を与えている。なお、このメーカーオプションを装着しない場合は、タイヤ&ホイールはRAV4そのものになる。

 試乗車は2LガソリンモデルのFF。1560kgの車両重量に対して、2Lではやや力不足にも思えるが、このエンジン、実に低速トルクがあり、一般道でのハーフスロットル走行なら十分トルクフル。ちょっと昔のアメ車の3L、V6クラスと遜色なく走ってくれる。

 一般道から高速道路に乗り入れて速度を上げると、走行安定性はまったく問題ないものの、重量増加とタイヤの変更の影響は、それなりに感じられる。

 60kgの重量増加のうち、かなりの部分がフロントに集中しているため、少し鼻先が重い感覚があり、ピッチングが若干大きい。オールテレーンタイヤも、路面のジョイントを乗り越えた時のショックが、ノーマルより少しだけ大きく出る。

 しかしまぁ、それらは厳密にRAV4と比べた場合の話であって、バディを買う人にとっては、何のマイナスでもないだろう。逆に少しフロントが重くてユサユサする感覚が、本物のアメ車に近いかもしれない。

 速度を上げてアクセル踏み込み量が大きくなると、171ps/21.1kgmのパワー/トルクがやや物足りなく感じるシーンもあるが、それはRAV4も同じ。バディの罪ではない。

 試乗したのはFFモデルだったので、オンロードでの走りは軽快かつ快適。さすがトヨタ品質、安心感は絶大だ。このトヨタ品質で、今では中古車でしか味わえないヴィンテージ・アメリカンテイストが楽しめることこそ、バディの魅力だ。

 これは本物のアメ車ファンが買うクルマではなく、「アメ車への憧れはあるが、燃費や故障のリスクなどを考えると買えない」という人が買うクルマ。それでいいのである。

 ちなみに、タイヤがオールテレーンであっても、FFでは本格的なオフロードはムリなので注意してください。それはアタリマエのことですね。

■モダンで使いやすいRAV4そのもののインテリア

コクピットはステアリング中央のMITSUOKAのロゴ以外はRAV4と同じ。エントリーナビキットやカメラ別体ドライブレコーダーはディーラーオプション

取材車には専用レザーシート&トリムセット(全席・合成皮革、ステッチ付き)が装着されていた

リアシートは広々としていて実用性が高い

 運転している時のバディは、バディであることを忘れさせる。乗り味がほぼRAV4だし、内装もほぼRAV4そのままだからだ。

 内装に関しての変更点は、ドアトリム上部とシートのレザー(合成皮革)&ステッチのみ。レザー色は18色から選ぶことができて、オプション価格は43万7800円。

 残念ながらシートは座ると隠れて見えないし、形状もノーマルのRAV4と同じなので、アメリカンなゆったりした雰囲気もない。これなら、このオプションは付けなくてもいいかも……というのが、正直な感想だ。

■計18色も用意! ポップでカラフルなボディカラーも魅力

3種類のテーマが与えられたバディのボディカラー(バディのカタログ/左側)

バディのボディカラーカタログの右側。最上段はモノトーン(標準カラー)、中段はモノトーン(オプションカラー)、下段はツートーンカラー(オプションカラー)

 もうひとつ、バディの魅力は、計18色のボディカラーが用意されていることにある。バディの命はアメリカンな雰囲気。つまり見た目が命だ。そのためには、ボディカラーはきわめて重要だ。

 バディには、標準カラー6色、オプションカラー6色(39万6000円)、ツートーンのオプションカラーが6色(48万4000円)、計18色が用意されている。その色がなかなかイカしている。ノースカロライナブルーとホワイトのツートーンあたりは、まさにアメリカン・グラフィティの雰囲気だ。

清水さんお気に入りのノースカロライナブルーとホワイトのツートーンカラー

 試乗した標準カラーのグローブワンホワイトパール(8万8000円高)でも、それっぽい雰囲気はしっかり感じられたが、せっかくならツートーンと、タイヤ&ホイールのオプションを奢りたい。その2つだけで74万8000円! う~ん、決してお安くはないですなぁ。

 実はバディそのものが、決してお安くはない。それでも欲しい人がたくさんいる。それだけの魅力が備わっているということだ。

バディは青い空、砂浜が実によく似合う

アメリカンピックアップが店頭に飾ってあるエアストリームのショップ前にて


■ミツオカ・バディ20ST FF 主要諸元
全長×全幅×全高:4730×1865×1685mm
ホイールベース:2690mm
車両重量:1560kg
エンジン:1986cc、直4ガソリン
最高出力:171ps/6600rpm
最大トルク:21.1kgm/4800rpm
タイヤサイズ:225/70R16
価格:469万7000円

【画像ギャラリー】本項で載せきれなかったバディの画像も大公開!

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みんなのコメント

141件
  • サイドから見たとき、
    フロントとサイドのデザインが
    違和感でしかない。。。
  • 一瞬ときめきかけたけど、500万円も出すんなら、普通にK5買って直しながら乗るわ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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