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ロータス エミーラに受け継がれるスピリット 軽量化が創るスポーツカーの歴史

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ロータス エミーラに受け継がれるスピリット 軽量化が創るスポーツカーの歴史

輸入車 [2023.07.04 UP]


ロータス エミーラに受け継がれるスピリット 軽量化が創るスポーツカーの歴史
ロータス エミーラ|語り継がれる名車の系譜 vol.31|

ロータス 新型電動SUV「エレトレ」予約開始 Rは最高出力905HP

文●ユニット・コンパス 写真●ロータス
※中古車参考価格はすべてグーネット2023年6月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2023年8月号の内容です)

ロータスにはブランド創立から変わらないポリシーがある。それは、「軽量化による性能の向上」。軽さが生み出す、魔法のようなパフォーマンスが魅力だ。


軽さが生み出す異次元のパフォーマンス

「型破りな天才」であった創立者チャップマン
 スポーツカー界の牛若丸。それがロータスというブランドだ。

 創立者であるアンソニー・コーリン・ブルース・チャップマンは大学で構造力学を学び、空軍に所属した後、ブリティッシュ・アルミニウム会社に就職した。この彼のキャリアこそ、ロータスが作り出すクルマに決定的な個性を与えることとなった。それは、「軽量化による性能の向上」。

 この世の中を支配する物理法則を鑑みれば、同じパワーのエンジンを搭載するならボディが軽いほどクルマは速くなる。この考え方を信念に、チャップマンはレース用のモデル製作に没頭する。

 やがてチームを設立したロータスは国際自動車レースへ参戦。常識にとらわれず新しい技術を次々と導入する様から「型破りな天才」として賞賛を集めるようになる。

 1957年にロードゴーイングレーサーの傑作「セブン」を発売。これから60年代にかけてロータスは黄金時代を迎える。F1での勝利、「エラン(1962年)」や「ヨーロッパ(1966年)」といった数々の名車を送り出していく。

 現代でもチャップマンの精神は受け継がれている。特に「エリーゼ(1995年)」は販売期間が26年にわたり、現代では稀有なロングセラーになった。最新モデルである「エミーラ」もまた、ロータスの伝統を受け継ぐ軽量スポーツカーだ。


ロータス エミーラはこんなクルマ
 純粋な内燃機関を搭載するスポーツカーとしては、最後の世代だとアナウンスされているエミーラ。全長×全幅×全高は4413×1896×1235mmで、ホイールベースは2570mmと堂々としたサイズ。

 幅の広いサイドシル(敷居)からも高いボディ剛性が期待できる。メーターなどはデジタル化されインテリア全体の質感も従来モデルより上質。

 スポーティでありながら同時に上質さをうかがわせるシートのデザイン。従来のロータスよりも乗用車らしい仕上がり。

 車体後方シート背後に搭載される3.5LV6スーパーチャージャー採用エンジン。最高出力は405馬力とかなりパワフル。


[ロータス エミーラが名車になった理由]レースでも公道でも、ロータスの魔法は効果的だった

ガールフレンドの家の裏庭で作られた最初のロータス
 ロータスの市販車第1号はオースチン セブンの改造車であった。後の妻となる恋人ヘイゼルの自宅ガレージにてハンドメイドで製作され、レースで2度クラス優勝。その後、135ポンドで売却された。残念ながら現存は不明だ。


職人によるハンドメイドでクルマは製造された
 ノーフォーク州ノーウィッチのヘセル工場は、ロータスのスポーツカーモデルを長年にわたって生産してきた。写真はヨーロッパ(1966年)時代のもの。工場といっても、多くの行程が職人によるハンドメイドであった。


傑作ロードカーの登場が会社の財政難を救った
 レーシングカービジネスで規模を拡大してきたロータスだったが、レース活動が活発になるにつれ財政状況は厳しさを増していた。そんな会社を救ったのがエラン(1962年)。美しいスタイルと優れた性能から名車と呼ばれた。


レースの最高峰F1で数々の斬新な技術を導入
 モータースポーツの最高峰といえば、GP(現在のF1)。ロータスもそこでの勝利を目指しマシンの開発やワークスチームでの参戦を行った。1987年からはホンダエンジンを搭載、セナ人気も手伝い日本でも知名度が高まった。


軽量化による性能の向上は現代において劇的に作用した
 近年でロータスの名前を轟かせるのに貢献したのがエリーゼ(1995年)であるのは間違いないだろう。アルミ製のフレームにFRPパネルを組み合わせた軽量な車体にエンジンをミッドシップしたピュアスポーツ。


ロータスにとって最後の純内燃機関モデル「エミーラ」
 ロータスの走りには昔から共通点がある。それがパワーよりも軽さにこだわること。軽さは加速や減速、コーナリングに有利でタイヤなどの消耗も少なくて済む。それは、今後の電動化時代になっても受け継がれていくという。


新車といま買いの中古車たち

エミーラ
 ロータスの新しいアイコンとして作られたのがエミーラ。ボディサイズはエヴォーラに近く、3.5LV6エンジン搭載でもMT仕様は1.5tを切る。ミッドシップだけにハンドリングはシャープ。

新車価格:1485万円~1573万円(全グレード)

エミーラの新車情報を見る


エリーゼ
 アルミ押し出し材を接着剤で組み立てた軽量かつ高剛性なフレームにFRPパネルによるボディを合わせた軽量級スポーツ。排気量がずっと大きなライバルをコーナーで追い詰める走りが魅力。

中古車参考価格帯:350万円~1100万円(19年~21年 全グレード)


エキシージ
 元々ロードカーとして開発されたエリーゼを、クローズドコース向けに仕立て直したのがエキシージ。足まわりも含めよりスパルタンなキャラクターで、切れ味鋭いコーナリングを披露。

中古車参考価格帯:620万円~1400万円(13年~21年 全グレード)


エヴォーラ
 エンジンをミッドシップする本格スポーツカーでありながら、2+2シートレイアウトを採用して実用性を高めたのがエヴォーラ。エンジンは3.5LV6でAT仕様も用意されている。

中古車参考価格帯:440万円~1200万円(09年~21年 全グレード)

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みんなのコメント

4件
  • 試乗車がそろそろ出てくるので(予測)、購入を待っていた方はそこで決める事はできるとしても、短い時間での試乗で分かる事なんてたかが知れていると。そこから契約しても未だデリバリーが出来ていない、i4も登場していないとなると、納車はかなり先に。

    となると自分も含めて「えいや!」で発注している方は多いかと。そこはロータスに対しての信頼を持ちつつの期待などがありつつ、車重はエリーゼやセブンなどとはかなり離れた重量…となるとエミーラに期待しない方もいるでしょう。

    という状況の中で他社含めて「多分このメーカーだから期待出来る」というクルマ選びで年単位で待たなければならないのはやはりキツいものです。

    因みに自分の「えいや!」は実車を見てフォルムの良さで契約に至ったので、走りがどうなるかは何となくイメージをして楽しんでいます。
  • セブンに乗っているが、チャップマンが理想としていたのはフレームが仕事してよく曲がるクルマじゃなかろうか?友達のエリーゼに乗って思うけど、ガチガチだと曲がらなくなる。軽い分余計にシャーシが怠けてサスだけに仕事させている気がする。さいきんメガプレスで左右のアシ繋いだ車が増えているけど、曲がるの楽しくないだろうなぁ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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