BMWは2024年11月28日に新型X3を発表し、同日より発売しました。今回フルモデルチェンジされ日本デビューを飾った新型X3は4代目にあたるモデルです。
キープコンセプトでも新しさを感じるエクステリア
2004年に初代が登場したX3は、X5に次いで登場したBMWのSUV(BMW流に言うとSAV=スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)で、2023年には初代からの累計販売台数が350万台を超え、今ではBMWで最も販売台数が多い車種となるなど、BMWの売上の大きな一翼を担う重要なモデルです。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
まずはエクステリアを見ていきましょう。ディメンジョンは、全長4755×全幅1920×全高1660mm、ホイールベースは2865mmで、従来型よりも全長25mm、全幅30mmずつ拡大。全高は15mm低くなりました。ホイールベースに関しては従来型と同じです。
ヘッドライト内のシグネチャーランプはL字を2重に重ねたように発光するタイプになりました。また、キドニーグリルは「M50 xDrive」とそのほかではデザインが異なります。
とくに目新しいのはレギュラーグレードのグリルで、10月末に発表された1シリーズと同じく、日本人からすると折り紙や水引といった「和」のテイストを感じるストライプ柄が用いられています。
そういえば、新型ボルボ XC90のフロントグリルにも、これに似たデザインが採用されていました。もしかしたら、この手のグリルデザインは新しいトレンドなのかもしれません。
一方、リアに目を向けてみるとリアクォーターウインドウとリアウインドウの上下幅はかなり狭くなっていてスタイリッシュです。このデザインにどこかBMW M XMに通じるものを感じました。またリアバンパーはグレードごとに作り分けられています。「M50 xDrive」のリアバンパー両サイドには大きなスリット(貫通はしていない)が入り、下部はディフューザー形状になっています。また4本の太い排気口が備わる点も大きな特徴です。一方、「M50 xDrive」以外のグレードではとてもシンプルなデザインで、その造形はスムース。いかにも空力性能が良さそうです。実際、Cd値は0.27に向上しているとのことです。
もうひとつ、最近の新型車で気になるのがホイールとタイヤのサイズです。とくにC~DセグメントSUVとなると19インチや20インチといった大径ホイール&タイヤも当たり前になりつつあります。
そんな中で新型X3のホイールサイズも例に漏れず、「20 xDrive」と「20d xDrive」は19インチ、またはオプションの20インチ、M50で20インチ、またはオプションの21インチと堂々としたサイズが与えられています。ちなみにアルミホイールのデザインは、標準装着されるものもオプションもグレードが持つ雰囲気に合わせて異なるデザインを採用するというこだわりも注目すべき点です。
グレードごとに異なる3種類のパワーユニットを用意
そんなX3には3種類のパワーユニットが用意されます。2L直4ガソリンターボ+モーター(48V MHEV)の「20 xDrive xLine」、3L直6ターボ+モーター(48V MHEV)の「M50 xDrive」、2L直4ディーゼルターボ+モーター(48V MHEV)の「20d xDrive M Sport」となります。つまり全てのグレードが電動化されています。また全グレードに8速ATが搭載され、駆動方式は4WDとなります。
また、グレード名にも要注目です。従来型までガソリン車に付いていた「i」の文字が新型X3でも消えています。これも先に日本で発売された1シリーズと同じ理由です。BMWではBEVである「i」シリーズを展開しており、これと棲み分けるため、という理由もあるようです。この流れは今後の登場するモデルにも適用されていくとのことです。
ちなみに欧州では2L直4ガソリンターボ+モーターのPHEV「30e xDrive」も販売されていますが、こちらの導入は今回は見送られています。ただ、先代モデルではモデルライフの途中でPHEVが追加されているので、今後導入されるかもしれません。
走行性能も高められています。新型X3シリーズで唯一直6エンジンを搭載する「M50 xDrive」は最高出力398ps、最大トルク580Nmを発生。0→100km/h加速タイムは先代よりも0.5秒短縮された4.6秒という高性能ぶりです。
また、シャシも強化されており、可変スポーツステアリング付きのMスポーツサスペンション(M50以外でもオプションで選択可能)、Mスポーツブレーキ、20インチMライトアロイホイール、リアアクスルに統合されたMスポーツディファレンシャルを標準装備するほか、電子制御ダンパーを備えたアダプティブMサスペンションもオプションで用意されています。Mモデルに採用されている水平基調のキドニーグリルや4本出しのエキゾーストパイプも「M50 xDrive」のみに与えられる装備です。
加えて全グレードに共通する走行性能に関わる改良点がリアトレッドの拡大です。先代よりも45mmも広げられ、これまで以上のコーナーリング性能を確保しています。また見た目にも踏ん張り感が強くなり、よりスタイリッシュになっています。
5、7シリーズに通じるインパネデザインと最新OSを採用
次にインテリアを見ていきましょう。インパネのデザインはとてもシンプルです。物理ボタンを極力省いたコンソールがよりシンプルさを際立たせています。またインパネまわりのデザインテイストは7シリーズや5シリーズに近いようにも感じます。ちなみに5、7シリーズと同じくハザードスイッチを押すとインパネとドアのデコレーションパネルが赤く点滅するギミックも採り入れられていました。
インパネ中央に鎮座する14.9インチのコントロールディスプレイと12.3インチのメーターパネルが一体化したように見えるカーブドディスプレイを採用。基本的にはセンターコンソール上に設置されたiDriveのコマンドダイヤルで操作します。また、このインフォテインメントシステムを司るのは「BMWオペレーティングシステム9」というBMW最新のOSです。
最新装備といえば、高速道路上で一定の条件を満たした時に両手を離して走行できる「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」、ACCや車線変更警告システム、車線逸脱警告システム、ステアリングアシストや衝突回避、被害軽減システムなどを統合した「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」を標準装備。
また、オプションの「パーキング・アシスト・プラス」を選択すれば、35km/h以下で前進したルートを最大200mまでシステムが記憶し、同じルートを自動でバックで進むことができる「リバース・アシスト・プロフェッショナル」機能やスマートフォンを介して車外からの操作で駐車、出庫が可能な「リモート・パーキング」機能が装備されます。
従来型を上回る快適な車内空間とユーテリティを備える
車内はかなり広い印象です。新開発のヒーター付き電動調節式スポーツシートが標準装備されています。また標準装備されるシートには表皮は「ヴェガンザ」と呼ばれるアニマルフリー素材が用いられています。ただし、オプションでヴェガンザ×アルカンタラ、BMW Individual メリノ レザーも用意されていて、ユーザーの好みに応じて選ぶことができます。
シートに座るとフロントシートはたっぷりとしたもので、シート表皮はサラサラとしていて触り心地も良いものでした。フロントシートを筆者(身長180cm弱)のドライビングポジションに合わせてリアシートに座ると、膝周りの余裕は拳が縦に2個入る程度と十分なものでした。
X1などのようにリアシートにスライド機構が備わっているとなお良いのですが、それをFRプラットフォームベースにしているX3に求めるのは贅沢なことなのかもしれません。さらに乗員の頭上をほぼ覆う大型グラスルーフも車内の開放感を高めています。
続いて荷室をのぞいてみると、このクラスとしては十分と思える広さです。荷室容量は5名乗車時で570Lが確保されていますが、40:20:40分割可倒式のリアシートバックをすべて倒せば1700Lまで拡大することもできます。
装備の充実度と内容を考えると価格は納得
最後に気になる価格についてです。価格帯は「20 xDrive xLine」は798万円、「20d xDrive M Sport」が858万円、「M50 xDrive」は998万円です。内外装の質感、装備の充実度、走行性能などの向上にともない、価格も全体的にアップしています。ですが、標準装備されている先進機能が多い事を考えると妥当な価格なのかもしれません。
X3が属するDセグメントのSUVは今や「ドル箱」とも言えるジャンルに成長しました。そしてインポートブランド、国産メーカーを問わず、各社が全力で魅力的なモデルを開発し販売しています。新型X3はそんな厳しい市場環境化においても十分に健闘できそうな質感と装備を備えています。この次は試乗の模様とその走りの実力をお伝えできればと思っています。
BMW X3 20d xDrive M Sport 主要諸元
●全長×全幅×全高:4755×1920×1660mm
●ホイールベース:2865mm
●車両重量:1930kg
●乗車定員:5名
●パワートレーン:2L直4ディーゼルターボ+モーター(MHEV)
●総排気量:1998cc
●エンジン最高出力:145kW(197ps)/4000rpm
●エンジン最大トルク:400Nm(40.7kgm)/1500-2750rpm
●モーター最高出力:8kW(10ps)/3000rpm
●モーター最大トルク:250Nm(2.5kgm)/500rpm
●システム最高出力※:145kW(197ps)
●システム最大トルク※:400Nm(40.7kgm)
●駆動方式:4WD
●WLTCモード燃費:16.3km/L
●車両価格:8,580,000円
(※はメーカーによる自社参考値)
BMW X3 M50 xDrive 主要諸元
●全長×全幅×全高:4755×1920×1660mm
●ホイールベース:2865mm
●車両重量:2000kg
●乗車定員:5名
●パワートレーン:3L直6ターボ+モーター(MHEV)
●総排気量:2998cc
●エンジン最高出力:280kW(380ps)/5500rpm
●エンジン最大トルク:540Nm(55.0kgm)/1900-4800rpm
●モーター最高出力:13kW(17ps)/2000rpm
●モーター最大トルク:200Nm(20.3kgm)/0-500rpm
●システム最高出力※:293kW(398ps)
●システム最大トルク※:580Nm(55.0kgm)
●駆動方式:4WD
●WLTCモード燃費:11.9km/L
●車両価格:9,980,000円
(※はメーカーによる自社参考値)
[ アルバム : BMW X3 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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